「生きるというのは・・・多分こういうことだよな」ケイコ 目を澄ませて penさんの映画レビュー(感想・評価)
生きるというのは・・・多分こういうことだよな
映画,テレビで最近聴覚障害者の世界をテーマにしたものが多く制作されています。私もCodaや、silentにはかなりはまった口です。何故なのかなと考えましたが、多分音で表現されるセリフというものが少ないので、その分観客は否が応でも映像や効果音のつながりに集中せざるをえず、それが心にダイレクトに染みこんでくるからなのかもしれないと思いました。
かつてのサイレント映画の魅力はそうしたところにあって、中には、あえて「浮き雲」のように、セリフを極端に少なくして成功している映画もありますが、身体的条件としてそうせざるをえない場合と、そうでない場合とでは、むしろ自然さという意味では前者のほうに分があるようにも思います。
本作でもそうした特徴がよく生かされていて、ケイコが無言でひたすらサンドバックを叩き続ける音が、脳裏に焼きついて離れません。いろいろな思いがこみ上げてくる場面では、思わずもらい泣きをしてしまいました。
実話をベースにした作品。
そして、誰かと闘うということではなく、自分自身と闘ってゆく、それが多分人が生きてゆくことなんだろうなと、改めて思わせてくれる作品でもありました。
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penさんのコメント
2023年5月17日
Mさん、コメントありがとうございます♪ そうですね。多分誰でも多かれ少なかれ、抱えているものがあって、それが象徴的に映像で見せられるので、共感しちゃうのかもです。
こう言いながら、なんかラストシーン思い出して、涙出てきました^_^、