「ゆきのは目がいいんです。」ケイコ 目を澄ませて カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ゆきのは目がいいんです。
会長役の三浦友和がインタビューに答えていう。
「ケイコは目がいいんです。」
岸井ゆきのを見ているだけで目頭が熱くなってしまって、どうしようもなかった。
荒川ボクシングジムを閉めることになり、松本(松浦慎一郎)がケイコにコンビネーションミット打ち練習の最中、突然止めて、トイレに駆け込んで泣く場面はなおさら。こんなに頑張ってきたケイコにもう直接関わることが出来なくなってしまうと思うと泣けてしかたない松本に共感してしまうから。渡辺真紀子が会長役のジムへの移籍を断ってしまうケイコに腹をたてるシーンも。松本も嘘のつけない人だ。
耳が聴こえない人がボクシングをすることの危険性や不利な点について、ハッとさせられることばかり。目覚まし時計のアラームではなく、タイマーで作動させた扇風機の風がアラームがわりで、早朝から起きて練習や仕事に行く。
おいらには無理。
出来ないなぁ。
すごい。
聴力障害者の指導を健聴者がすることは想像を絶する根気がいるに違いない。会長やトレーナーコーチたちも愛すべき、かけがえのない人たちだった。
ボクシングと手話の二つの試練を乗り越え、映画の主人公に憑依したかのように自然な演技が出来てしまう岸井ゆきのっていう俳優にノックアウトされて、もう、メロメロ。
ゆきのは目がいいんです・・・・・・
「ある男」「月の満ち欠け」「ラーゲリより愛をこめて」「流浪の月」「ハケンアニメ!」「シン・ウルトラマン」など、大規模で上映された映画ばかりが贔屓される中での受賞。本当に輝かしいです。
助演女優賞で有村架純がノミネートされることにもムカついてしまいました。前田敦子だろ!伊東蒼だろ!河合優美だろ!、と笑 「月の満ち欠け」も謎の多数受賞。なにか裏があるのでしょうか...
コメントありがとうございます!
私も、我が子のように嬉しかったです。オードリー若林が喜んでいたのも微笑ましかった。。。岸井ゆきの、昨年は大活躍でしたね。この作品の次に、「やがて海へと届く」の彼女が大好きです。
主演男優賞は、妻夫木聡も分から無くもないけど、個人的には阿部サダヲが受賞してほしかったなぁ。あれは怪演を見るだけでも価値ありますよ。「月の満ち欠け」は見なくていいです笑
松浦さんって、ほんまいい味出しますよね。f^_^;最高でした!
自分的には、小河恵子が岸井ゆきのに憑依しているのではないかと
思ってしまうほど、別人でしたね。
演じるのではなく、役を生きている瞬間をカメラに撮られていた!
というか、
劇映画を通してドキュメンタリーを作っちゃったのね、三宅監督!
って感じました。凄いですよね^ ^