「挑む価値」ケイコ 目を澄ませて U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
挑む価値
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彼女にしか聞こえない音があるのだろう。
何故、ボクシングなのか最後まで分からなかった。想像は出来る。殴り合う事自体がコミュニケーションであり、目や体は雄弁に語りもする。
感触、他人の感触が自分の存在を確かにする事もある。そういう事なのだろうか?
おそらく、ご本人は立派な人なのだろうと思う。
健常者からは分からない。やる価値がご本人にはしっかりとあるのだろう。
挑戦なのか、抵抗なのかは分からないけれど、並々ならぬ信念がないとなし得ない事だと思う。
それにどれくらいの価値があるのか?
他人からは測れない。
ましてや、普通の人とは感覚が違う。
彼女は彼女の世界を生きてるのだと思う。
「音」が聞こえないから。
それ以外の情報から、推察し構築するのだと思う。
…凄い世界なのだと思う。
静かな映画だった。
むしろ…静かすぎた。
この作品を無音で観たら、彼女の世界を少しは感じれるのかもしれない。
女子の四回戦って、あんなにプニプニでも成立するんだろうか?申し訳ないけど、ボクサーには見えなかった。
岸井さんが彼女を表現するには、飢えが足りなかったように思うし、ちゃんとボクシングをやっとかないと、この作品は手出しちゃダメだと思う。
彼女はおそらくボクシングが好きで、その理由が彼女の存在証明にも直結してるように思うからだ。生まれつきのハンデを背負ってる状態でもやれる。勝てる。私は何一つコイツらに劣ってない。
ハングリー精神の代名詞でもあるボクシングが、この作品にもたらす影響は絶大なのだと思う。
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