劇場公開日 2022年4月16日

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メイド・イン・バングラデシュのレビュー・感想・評価

全18件を表示

5.0グローバルサプラチェーンの理不尽

2022年4月30日
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鑑賞方法:映画館

世界のファストファッションの縫製工場が集まるバングラデシュで働く女性たちの現実を描いた作品。バングラデシュは近年、高い経済成長率を維持しているが、それを支えるのが輸出産業。その輸出産業の中で大部分を占めるのが衣料関係だ。労働力を安く使えてしまうために、世界中のファッション企業がこの国の工場で生産をしている。
一日に1000枚以上のTシャツを作っても一カ月の給料はTシャツ2,3枚分にしかならない。それでも欧米の企業人はコストを下げろと要求する。誰かの快適な暮らしは、世界を巡り巡って誰かの苦しい生活につながっている。グローバル経済の理不尽さを強烈に浮き彫りにする作品だが、登場する女性たちはどれも生き生きとしており、戦う気概に満ちている。ただのかわいそうな人たちを描いたわけではない。自立して、自らの権利を勝ち取るために戦う力のある人々が描かれる。ラストカットの主人公の尊厳あふれる顔が大変素晴らしい。

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杉本穂高

4.0低賃金というより人権侵害

2022年11月4日
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ファストファッションが
お手頃なのは
誰かが低賃金で作ってくれているから。
知ってはいたけれど
この映画で、
こんな人たちがこんな風に働いて作っているんだなと
目に見えて分かりました。

国の経済状況にもよるから
私たちが低賃金と思っていても
働き手の人が低賃金だと思わないお給料をもらえるなら
それはそれでいいと思う。
実際中国でもほんの20~30年前まではは日本人から見ると
かなりの低賃金で仕事をしていたと思うけれど
だんだんと国の経済力が増し、賃金も上がってきている。
日本人が足元にも及ばないお金持ちもたくさんいる。

問題は人権を無視して働かせていること。
労働者を使い捨てのように扱って人として尊重してないこと、
女性だからという理由で男性よりも給料が低いこと、
心身を害するおそれのある過重労働、
言いなりで物を言わせないパワハラ、
労働者が団結することを阻むこと、
セクシャルハラスメント・・・・。

人権を守るためには
知ること、学ぶこと、考えること、団結すること。
これはバングラデシュだけの問題では無いと思う。
どこの国でも人権を尊重しているのか
常に問い続けることが大切。

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アツコ

3.0世に放たれたことに意味あり!

2022年7月22日
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実話を元にしており、無意識の搾取に自分たちも関わっていると認識することが出来た。
これとは別に国内でも低賃金で働く層がいて、様々なサービスを受けられることも同時に認識しなければならないだろう。(ここでいう低賃金とは、将来に展望が持てない、希望が持てない職場)

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雨の夜はヤバイゼ

3.5【バングラデシュでの、女性の人権、労働環境を考えさせられるドキュメンタリー作品。ファストファッションの店に行って、産地国を確認して”何が出来るかを考えなければいけないな・・”と思った作品でもある。】

2022年6月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

ー 中国に次ぐ世界第二位のアパレル大国、バングラデシュを支えているのは、過酷な労働環境下、低賃金で働く若き女性労働者である事は、今作を観れば良く分かる。
  隣国、インドの過酷な労働環境を描いたドキュメンタリー作品「人間機械」をふと、思い出した・・。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・バングラデシュで縫製された布を使って、多くのファストファッションが成り立っている事は周知の事実であろう。
更に、私が働く企業Gもその布を織る機械をバングラデシュの企業に、沢山買って頂いているので、今作を、鑑賞させて頂いた。

・描かれるのは、縫製企業で働く若き女性達が、残業代も払って貰えず、工場の火事で亡くなったり、深夜まで作業する姿である。
ー 実際に、縫製工場が崩壊したり、全焼するような災害が起こっているが、バングラデシュの労働省の動きは、今作で描かれているように遅いし、縫製会社との癒着も実際にあるようである。-

・縫製工場で働くシムが、労働権利団体のナシマと出会った事で、労働組合結成のために奔走するが・・。
ー 観ていると、バングラデシュでも、30日前の解雇通知が義務付けられているようだが、実際には会社側は、労組結成に関わったモノを、即、馘首している。ー

・更に、シムの同僚女性が会社の管理職の既婚の男と、不倫をしても女性だけが罰せられ、馘首されている。
ー バングラデシュ女性の人権は、どうなっているんだ!
  更に言えば、シムの夫には、”お前、何やってんだ!、働け!”と脳内で、激しく突っ込む。ー

<ラストは、やや爽快であるし、この作品で描かれるシムが、実在の女性をモデルにしている事などを鑑みると、少しは状況は改善しているのだろうか・・。>

<2022年6月5日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

4.0バングラデシュだけに限らず

2022年6月1日
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世界の現状に目を向けると、映画の中の史実がバングラデッシュに限らず、多くの途上国で起きているのではないかと思われる。形の上では法整備されていても、現実は正しく運用されておらず、弱者が泣き寝入りしてしまう、環境、文化、風習が支配する中で、声を上げれば、白い目で見られる、今の日本の職場にでさえ多々ある悪き事実。本気で立ち向かう勇気がなければ、何も変わらない。

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YUKI

3.5独りで立つ………のは大変すぎる

2022年5月27日
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鑑賞方法:映画館

予告編をみたら、もっと明るい展開もあるかと(勝手に)思って観た。

シビアでシリアス。

インド映画、『ダンガル』や『シークレットスーパースター』でも、女性の大半は虐げらる存在だった。まだ、この2本は、笑いも救いもあったけど。

格安Tシャツや一本990円のジーンズを買う事ができるのは、この映画のような構造があるからなんだと、きちんと認識した。
どこかの工程で手間が買い叩かれないと、格安値段にはならないなんて当たり前の理屈なんだけど。

今後、どうなるんだろう。

全然笑えない。

こうして映画になるということは、少しは改善しているのかしらん。

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night runner

3.0男尊女卑と法治国家の途上国

2022年5月25日
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不衛生、騒音、暴力、搾取、不倫、汚職、賄賂。。。ドキュメンタリー映画のようだったが、バングラデシュの実情がよくわかった。
繊維製品の請負縫製も、中国🇨🇳からベトナム🇻🇳、そしてカンボジア🇰🇭、ミャンマー🇲🇲、パキスタン🇵🇰、バングラデシュ🇧🇩と低コストの国に移ってきており、悩ましい問題ですね〜。

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Miya-n

5.0旅行ではわからない バングラディッシュの素顔

2022年5月25日
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鑑賞方法:映画館

勇気を出せる映画。
バングラディッシュの男女立場や、世情が良くわかる。
衣料を作ってくれてありがとう。

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suzy6

4.0発展途上国の抱える問題を上手く映像化

2022年5月22日
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鑑賞方法:映画館

ある意味日本は先進国としているが、司法、行政、立法については、発展途上国にも劣るレベル。(この映画にも出てくる、利権や既得権を守りたがる輩が三権に関わっている人物に多いこと…)
この映画では、バングラデシュが今後発展する第一歩を歩んでいることが分かる。(女性の地位向上)それに比べ、日本は尻すぼみで、活力も人手や人材もなく、いつかは後進国と呼ばれるのではないかと不安を覚えさせる一本です。

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ろくさん

3.0映画というよりも

2022年5月10日
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ドキュメンタリーを観ているような感じで始まる。
いまだに、このような女性差別、軽視があるんだなって思う。映画の批評より、バングラデシュに対する批評のほうが強い。
しかし日本でもかつて50年前には同じような事があったんだな。
はじめは魅力のない主人公が最後は魅力あふれる女性に見えた。

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ゆう

4.0私たちがとるべき行動

2022年5月8日
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この映画を観たら、ユニクロには決して行くまいと決意を固めた

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シネマんディアス泉本

5.0複数の視点が存在する映画。若干時間が短めなのが惜しいですが、おススメ。

2022年5月7日
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今年134本目(合計408本目/今月(2022年5月度)11本目)。

実は、この映画は大阪市では2週間遅れだったのですが、前々から気にしていて、この映画を見たいがために、他の映画館を蹴って(別にダブルブッキングしていたわけではない)シネリーブル梅田さんまで行ってきたわけです。

この映画は複数の論点が存在するかと思います。

 (1) いわゆるブラック企業の論点(→実は(3)と関連する)
 (2) バングラデシュの男女同権思想(フェミニズム思想)が(日本から見ると)無茶苦茶
 (3) バングラデシュ全体の行政の腐敗の論点
 (4) そして、「彼女たち」が作っているものを輸入している日本に暮らす私たちが、何ができるのか、というところ

 なお、一部に日本でいう労働基準法に相当する法律の知識を要求されるところはありますが、説明はありますし、一般的な日本の理解で足りるようになっています。

 (1)についてはもう書くまでもなく無茶苦茶、(2)は正直なところ、日本は「概ね」男女同権思想は達成できているとは言われますがまだまだ上位の国はあります。とはいえ、「概ね達成されている」とされる日本から発展途上国の「男女同権思想のなさ」を論じたり批判することは簡単ですが、この映画に代表されるように、宗教が絡んでくるケース、国の制度とも絡んでくる場合、一概に簡単に批判はできません。批判するのは自由ですが、「それじゃ改善するから経済援助してくださいよ」と言われても、なかなか困ってしまうからです。

 そして(3)の問題です。映画は多少短く100分前後という短さですが、理由もあります。この映画を最初見ると、「バングラデシュの行政自体も腐敗している」(=主人公たちが出した労働組合の届け出を適当に処理している)という批判は成立しそうです。ただ、一概に言えない事情がバングラデシュにはあります。

 バングラデシュは、繊維産業が盛んでそれを輸出していることで成り立っている発展途上国です。そのため、それを前提にして色々な国が工場を置いています。もちろん、国(ここでは、バングラデシュ)が定める最低賃金(に相当する概念)までは進出する会社でも保障はされますが、それ以上のことは会社と国の話です。そして、バングラデシュ等、繊維産業を前提とした輸出産業で成り立つ国に会社を置く(他国籍の)企業は、最低賃金(に相当する概念)しか保証しないのが普通です。そうしないと、そうした国から輸出して売る、という方針自体が成立しなくなるからです。

 すると、バングラデシュの国(映画内では、労務省、という扱いで出ますが、結局は国全体の問題)として見たとき、国から他国籍のそうした「低賃金を前提にして多くの人を雇う企業」に対して、「もっと賃金をあげるように」ということ自体は自由だし、一見すると「国と企業」であれば国が勝てそうに見えます。しかし、企業からすれば、「そんなに国が言うほど出さなきゃいけないなら、撤退したほうが良い」という話になると、国の経済がまわらなくなるという悪循環が発生します(=換言すれば、日本でいう生活保護法や失業保険(に相当する概念)にかかる費用が増加してしまう)。このため、「国としても何ともしがたい」部分も当然あるし、映画内でぼかされている部分も、結局はここに帰着されてしまいます。

 そして、(4)の部分です。日本ではここ数年「適正報酬取引」(フェアトレード)という考え方が、特にコーヒー豆を中心として考え方が浸透しているところはあります。一方でこの映画の通り、衣服が「メイド・イン・バングラデシュ」で売られていることもまた事実です。
このとき、(広義な意味での)ボイコット、つまり「バングラデシュのように、男女同権思想が乏しく、賃金体系が劣悪な国のものは買わない」という考え方は「一応」成立はしますが、実際には意味はありません。
バングラデシュの全ての衣服がそうであるという保証はどこにもありませんし、仮に(日本のすべての消費者が)ボイコットしても、結局はどこかに返品されるだけで、その分彼女たちの賃金が上がるわけではないからです。むしろ、そうした行動は、「ただでさえ、映画内で描かれている、かなりギリギリな生活をしている国」の実情をさらに悪化させてしまう恐れすらあります(悪循環の論点)。また、そのこと「のみ」をもって日本が主導的にボイコットに出ることも実際無理だし、国同士の関係を悪化させてしまうことにもなるからです(そして、日本でそうした活動が広まれば、日本にも関係者がいる以上、「直接の」当事者ではない彼ら彼女らがパッシングを受けるという不当な結果を招くことになる)。

 正直、この部分はもう個人や日本単独でどうこうなるものではなく、国連レベルで話し合うべき部分なのかな…というところです。いわゆるSDGsの中にも、このこと(最低限の生活レベルの保障と、その向上につとめること)は含まれているからです。

 100分ほどの映画ですが、実に考えるところが多い内容です。
バングラデシュはもとより発展途上国が発展するように、日本に技能・技術を学びに来る人たち(いわゆる、実習技能性制度)等が適切な制度のもと守られ学習し、世界各国が豊かになることを願ってやまないところです。

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yukispica

3.0ちゃんとするのは、旦那お前だ。

2022年4月25日
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悲しい

単純

幸せ

バングラデシュの縫製工場で女性労働者達が待遇改善の為に組合を立ち上げる話。

火事になり一時閉鎖中の会社に給料の支払いをを求め様と訪れた主人公が、労働者支援を行う女性の取材を受け労働者集会に参加し知識を得ていくストーリー。

バングラデシュの法律事情は知らないけれど、労務省の認可が必要なんですね。
組合をつくることと不当解雇等の法律違反は別問題だと思うし、知ることが闘う一歩だと思うし、組合がなくても闘えると思うのですが。
まあ、それも含めて途上国ということですかね。

とりあえず、役人も工場幹部も警備員も、そして何より旦那も、男はみんなクソな国で、自身の進退をかけて動く主人公が素晴らしかった。

ただ、やはり大切なのはこの後だと思うのだけれどね。

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Bacchus

3.5これからが知りたい。

2022年4月24日
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鑑賞方法:映画館

労働条件の是正を求めて組合を立ち上げる。女性の実話らしく10代のころから労働環境に携わっていたらしい。すごい、のひとこと。女性の立場がこんなにも弱い世界で立ち向かうなんて…ラストもこれで良いと思うけどもっとこの後の展開を知りたかった。

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peanuts

5.0教養を問う作品、今日は素晴らしいオマケ付き

2022年4月23日
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グローバルアパレルを国策で支えるバングラデシュ
過酷な環境で働く女性が、ふとしたきっかけで法律を学び、周りを巻き込んで地位保全に向け組合結成を推し進める

生活が苦しい感じと、搾取されてる感じとの間には、教養という壁がある、というメッセージが物凄く鋭い

8階建ての縫製工場がミシンの振動で崩壊して千人以上が亡くなった、2013年ラナ・プラザ事故事件直前の実話

今日は特別バージョンなのがなお良かった
上映後、バングラデシュ研究一筋で本作字幕も手掛けた神戸女学院大学准教授 南出和余先生の講義付き、作品の背景に何があり、それが現在どうなってるのかとかのお話が面白いのなんのって、これセットで毎回上映すればいいのに

サステナビリティっていうとなんか将来っぽいけど、ESGはまさに足元の話、いやいや、観てよかった

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sysr

4.0シムを応援したくなった

2022年4月21日
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鑑賞方法:映画館

 ラストシーンは唐突な終わり方に思えたが、これでいいのかもしれない。主人公シムは、してやったりの笑みが浮かびそうになるのを押し殺して、厳しい顔で立ち去る。まだ何の成果も得ていない。やっとスタートラインに立っただけだ。これから長い戦いが待っている。シムの決意の表情が見て取れた。

 バングラデシュはイスラム教徒がインドから独立したパキスタンの内、インドの東側にあるから東パキスタンと呼ばれていた。災害救助の不十分に対する不満などが原因で、バングラデシュとしてパキスタンから独立したのが1971年だから、およそ50年ほどの歴史である。
 イスラム教だから女性は差別されている。シムの夫は無職でシムに家賃を払わせているくせに威張っていて、シムに言うことを聞かせようとする。シムは、結婚しても女性に自由はなく、相変わらず差別されていると嘆く。
 それでもシムは決まった時間に礼拝し、夫と別れようとはしない。そこが理解できないところだが、イスラム教徒の女性は、イスラム教が女性を差別しているとは思っていないようである。男が働いて、女は家で子供を育てる。戦後の日本のパラダイムと同じだ。
 バングラデシュが戦後の日本と違うところは、朝鮮戦争特需やベトナム戦争特需などがなく、自力で価値創造をする力もなかったため、独立してからずっと貧しいという点である。人口が多いことも貧しさに拍車をかける。増えないGDPを増え続ける人口で分配するのだ。

 シムが仲間に読んで聞かせるパキスタンの労働法は、日本の労働基準法の条文にそっくりである。解雇予告手当などは殆どそのままだ。労働者の権利を守る法律は、宗教や産業が違っても、同じコンセプトになるのだろう。フランスでは債権のうちで一番優先されるのが労働債権である。日本では担保付債権や税金が労働債権に優先する。

 シムたちが勤務する縫製工場は、劣悪な環境と長時間労働、それに時間外勤務手当の不払いなど、ブラック企業そのものである。給与明細もなく現金をそのまま渡すところなどは、ブラック企業も顔負けだ。経営者は先月の給料も支払わないくせに、深夜まで残業をさせる。
 その上、労働組合ができると工場は閉鎖されて、お前たちは職を失うことになると脅す。典型的な論理のすり替えである。工場が閉鎖されるのは経営責任であって、労働組合の成立と直接的な関係はない。労働組合が労働環境の改善と待遇の向上を要求するのは当然で、それがただちに工場の閉鎖に結びつくことはない。

 シムはこれからたくさん勉強して、経営者の論理のすり替えをみんなに説明できるようになって、団結力を高めて戦わなければならない。団結した労働者との交渉を繰り返した結果、労働者の権利を理解した経営者は、労働法を遵守するためにクライアントと価格交渉を行なって、自分たちの製品をもっと高く売る努力をしなければならない。そのためには日本や欧米の多国籍企業の言いなりではだめだ。オリジナリティのある商品を作って、新しい価値を生み出さなければならない。労働者の協力が必要だ。
 経営者をそういう方向に仕向けることがシムの使命である。労働者が豊かになれば国も豊かになる。女性たちが社会で才能を発揮する機会も増える。人々はイスラム教から離れ、女性差別は漸減していく。
 ラストシーンの続きを巨視的に想像してみると、いい方向に向かいそうだが、そこは不条理な存在である人間のやることだ。必ず紆余曲折がある。シムの戦いには終わりがない。ずっと険しい上り坂である。なんだかシムを応援したくなった。ラナ・プラザの悲劇は繰り返してはならないのだ。

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耶馬英彦

3.5ファーストファッション

2022年4月18日
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の弊害 服って本当はすごく安いと聞いたことがある 最近中国製ではなくバングラデシュ製をちょくちょく見るなぁと感じてはいたのですが、ブラック極まりないお話でした 工場は空調も無く、JUKIのしかも足踏ミシンが使われていた まぁプロは足踏らしいですけど 夜中に終業、工場で寝ろとか、1日あたり約2000枚縫っても給料は2,3枚分 出荷に多分コストが掛かるとして誰が私服を肥やしているのか しかし労働局ちゃんと有るのね でも機能してなさそ 最後はどうなったか分からないまま終わってしまいましたが、組合出来ても、すぐには変わらないよね。多分 自分も安価な物ばかり求めず、それなりに代価は払わなきゃとは思いました

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ゆう

3.0イスラム社会は変化することができるのか?

2022年4月16日
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バングラデシュの若い女性が、差別的な扱いを受け、低賃金で働かされる現状を変えようと、労働組合の結成に奮闘する物語。
ダリヤ・アクター・ドリという女性の実話を元にしているようだ。
しかし、スクリーンに映し出される街の風景を見ると、厳しい現状が伝わってくる。
イスラム社会は、一体何をつくり出し、目の前の貧しさと混乱を見て、一体何を考えているのだろうか?
そして、グローバリズムという名のもとに、海外の安い人件費を求め、潤っている欧米や日本の企業は、他国の人たちを奴隷のように利用しているだけなのだろうか?
映画の尺は95分。ラストは尻切れトンボのように終わってしまう。
いろいろな制約はあるのかもしれないが、120分程度に伸ばして、その後を描いてほしかった。
ちょっと、物足りないところも有るが、イスラム社会の女性の人権を扱った作品!
ぜひ劇場でお確かめください!

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caduceus