劇場公開日 2022年12月3日

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「ソ連からの独立の苦しみ伝わる」ミスター・ランズベルギス Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ソ連からの独立の苦しみ伝わる

2023年1月15日
iPhoneアプリから投稿

4時間のドキュメンタリー映画だが、当時の緊迫感ある映像に、一瞬も退屈しなかった。
見始めてからすぐ、長尺の意味は理解できた。リトアニア国民が集まって歌ったり、バリケードを作ったり、犠牲者を埋葬したり、そういうディテールが丁寧に集められているのだ。ソ連が行った独ソ不可侵条約の再調査報告でヤコブレフが語る苦しいロジック、ゴルバチョフの思い通りに進まない最高会議の議事、リトアニアの政府内の議論や少数派ロシア人のデモなど、当時のニュースには出て来なかった場面が満載だが、発砲を始めたソ連軍を前にランズベルギスらが決死の覚悟で政府ビルに立て篭もる場面は見応えがあった。
時代も性格も異なるが、ソ連という厄介な国の持っている問題点も露わになっている点で、ウクライナ危機の今、改めて色々考えさせられる。

Boncompagno da Tacaoca