「こんなにポップをP・T・アンダーソンに驚き」リコリス・ピザ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなにポップをP・T・アンダーソンに驚き
今まで観たポール・トーマス・アンダーソン監督作品の中で最もポップで分かりやすい、余りにらしくないノーマルさで驚きを隠せない。
ポール・トーマス・アンダーソン監督といえば、勝手な思い込みかもしれないが、陰鬱でよく分からないドロっとした作風だと信じていた。
「マグノリア」が今までで一番ポップだったのだから、この驚きも分かってもらえるかもしれない。
実はポール・トーマス・アンダーソン監督はちょっと苦手で、しかしなんだか面白そうでつい観てしまう監督なのだけれど、この作品に関しては本当に観て良かったと思った。
本当に真っ直ぐで普遍的な恋愛もので、最高だったとしか言えない。
一応、歳の差があること、片方が未成年であることが特殊といえば特殊なんだけど、そこは余り中身と関係ないから。
すんなり付き合い始めないための設定みたいなものだ。
簡単にいえば嫉妬についての作品で、その応酬だけが内容だった。
しかしその応酬が面白くて、なんか素直になれない感じとか、よせばいいことをやっちゃう感じとか、青春の愚かさみたいなものが垣間見えるのがいい。
なんてことない内容ってところがいいんだよ。
ここでの点数はそんなに高くないし、一緒に観た妻もそれほどでもない感じなので、こんなに喜んでいるのは自分だけかもしれないが、個人的にはフェイバリットロマンスムービーにランクインさせるか悩む程には最高だった。
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