劇場公開日 2022年7月1日

  • 予告編を見る

「楽しくて爽快なPTA作品」リコリス・ピザ たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0楽しくて爽快なPTA作品

2022年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作は、1970年代を徹底的に描こうとする心意気が伝わってくるロマンティック・コメディ映画。
1970年代の西海岸として映る自動車・ファッションなど「よくまぁ、これだけ当時の物を揃えたものだ…」と思ったら、撮影機材なども当時の物にこだわって製作したらしい。

物語は、高校生15歳のゲイリー(クーパー・ホフマン)は俳優として活躍していたところ、アラナという25歳の女性(アラナ・ハイム)が現れて、ゲイリーは惚れる。
しかし、アラナは10歳下のゲイリーを子ども扱いする。そして、ゲイリーもアラナも互いに一緒に行動したりしながらも、他の異性に心揺れたりするのだが……という割と王道っぽい恋愛もの。

とりわけ印象的だったのは、ゲイリーがウォーターベッド展示会場で警官に突然逮捕されて連れていかれて、そのあとゲイリーとアラナが二人ならんで走る場面。
心地よい爽快感。

また、本作では色々な曲が流されるが、ジャック・ホールデン(ショーン・ペン)がアラナをバイクに乗せて走るシーンの後に流れる曲「♪Let Me Roll It」(Paul McCartney & WINGS)が、とても雰囲気良い。

この映画で初めて見たアラナ・ハイムという女優はそれなりに綺麗、クーパー・ホフマンは何とあのフィリップ・シーモア・ホフマンの息子ということで本作を観ながら「やっぱり、似ているなぁ…」と思った。

なお、DVD特典映像として「未使用シーン(削除シーン)」は少し過激な下ネタなどがあったりして、「NGシーン」は撮影現場が楽しくて笑っちゃったりした場面などが面白い。
また、撮影現場を映した写真では「本編映像に映る登場人物以外の俳優全員、スタッフ全員がマスクをしている風景」が写されていて、「コロナ禍での映画撮影は大変。しかも、本作は大勢が集まる場面もあり、さぞ気を使って撮影したのだろうな」と思う。

なかなか楽しくて、観たあとも心地よい素敵で楽しい映画だった。

コメントする
たいちぃ