劇場公開日 2022年7月1日

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「タイトルなし」リコリス・ピザ えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0タイトルなし

2022年7月2日
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鑑賞方法:映画館

ほんとにぶっちぎりで面白かった。マグノリアに出てた彼も懐かしかった。あの時代のキレてる感じと、監督のキレとの重なり。今とは違う牧歌的な空気感があるけど、それでも今に通じる狂気もあり。最後になって、これは友情の物語ではなく、愛だったのかと知る。
様々な暴力シーン(クレイジーなキレシーン)が出てくるのだけれど、彼女がそれを背負わされたドライブシーンが好き。
男って馬鹿だと改めて思う。それでもそんな男の子が彼女は好きなんだし、大人の政治をやる男がゲイも認められない情けない人だと知って反転していくところ、ラストに向かう疾走感はいい。
登場人物がほぼキレてて、役者がみんなすごくいい。
ショーン・ペンとブラッドリー・クーパーのシーンは、ペンも年取ったなあと思ったけど、意外にペンはシリアスな役が多いので、キレててもここまでおかしいのはなかなかファンとしては嬉しい。このお祭り騒ぎには観客もキレてるから、こういう大スターの時代だったんだと思う。今なら、すぐにSNSに出て、場を共有しないでシーンを見る観客があれこれ言うんだろうなあ。場がそこにいないと共有できない時代が懐かしい。
 そしてホフマンの息子、クーパーがいい。ホフマンの笑顔、特にザ・マスターのそれは素晴らしいのだけど、どこか解離的な要素があるのに対し、息子は、排除に近いくらい現実が見えてない役なのだけれど(この意味では繊細に現実を見ていなから見ぬふりしている父と真逆)、足に地がついてる感がある。

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えみり