「円卓の騎士たちの寒々とした終焉」湖のランスロ エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
円卓の騎士たちの寒々とした終焉
『たぶん悪魔が』と同日に観たブレッソンの日本劇場初公開作品の2本目。とにかく観た順番が悪かった。陰鬱な気分のまま観た。
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「アーサー王伝説」の後日譚という今作。聖杯の探索に失敗し多くの死者を出した円卓の騎士たちが城に帰還した。
不倫関係にある王妃グニエーヴルと円卓の騎士ランスロだったが、二人の間に温もりなど微塵もなかった。
スキャンダルを盾にランスロを貶めようとする騎士たち。騎士道精神の崩壊とともに呆気なく終焉に向かう円卓の騎士たちがいた。
暗がりの中で何の光も見えなかった。
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この後、1977年の『たぶん悪魔が』、83年の『ラルジャン』を遺したブレッソン。世の中に絶望したようなまったく希望のない作品たち。99年に98歳で亡くなるまで彼は何を思い生きていたのだろう。
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