「【半世紀に亘り、何度でも何度でも新しき音楽を追求するスパークス兄弟の凄さに魅入られるドキュメンタリー映画。エドガー・ライト監督の演出も効果的な作品である。】」スパークス・ブラザーズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【半世紀に亘り、何度でも何度でも新しき音楽を追求するスパークス兄弟の凄さに魅入られるドキュメンタリー映画。エドガー・ライト監督の演出も効果的な作品である。】
■正直に記すが、スパークスのアルバムは一枚も持っていない。
年齢的な事もあるだろうが、この映画を観て、私はロック通を気取って来たが、その資格はないと思ってしまった作品。
◆感想
・何しろ、インタビューに答える、スパークスファンのミュージシャンの多くが、私が中坊の頃から好きになり、今でも聴いているロックンロールを奏でて来た人ばかりなのである。
ベック、ヴィサージに在籍していたラスティ・イーガン、レッチリのフリー、フェイス・ノー・モアの変態マイク・パットン・・。
そして、彼らに影響を受けたとされる、キュアー、デュラン・デュラン、ニュー・オーダー、ディペッシュ・モード、ジョイ・ディヴィジョン、フランツ・フェルディナンド・・。
ー もう、もう、参りました・・。-
・スパークスに興味を持ったのはつい最近で、ロック・オペラ映画「アネット」の企画と全音楽を手掛けたと知ったからである。「アネット」を鑑賞された方は分かるだろうが、流れる音楽の幅が凄いのである。オペラ、ロック、エレクトロニックポップ・・・。
・今作を観ると、彼らの音楽の幅広さが、一朝一夕に出来上がった訳ではない事が良く、分かる。
・浮き沈みの激しい中、一貫して正に職人のように、様々なジャンルを作って来たスパークス兄弟の”継続は力なり”を地で行く姿。
・彼らのステージング風景も、派手なパフォーマンスで観客を魅了するラッセルと、無表情且つしかめっ面でキーボードを弾くチョビ髭のメイルの対比が面白い。
<彼らは、歳を経ても、21日間毎晩、違うアルバムの曲を披露するチャレンジングなツアーを行い、体力を落とさないために規則正しい生活をする。
その結果が840曲の様々なジャンルの楽曲と、彼らを慕う今や大御所と言っても良いロックミュージシャンたちの姿である。
凄いバンドが居るモノである。このバンドに殆ど触れずに30数年ロックを聴いて来た私の耳は節穴か!と思ってしまったよ・・。>
<2022年6月12日 刈谷日劇にて鑑賞>