ハード・ヒット 発信制限のレビュー・感想・評価
全8件を表示
コスパ良しの韓国版「スピード」? やや難ありだが初監督作としては健闘
スペイン映画のリメイクだそう。車に爆弾を仕掛けドライバーと同乗者を人質にして身代金を要求するというプロットは「スピード」からアイデアを拝借したのだろうが、バスをSUVに、乗客十数人を家族3人にスケールダウンしたことで、こじんまりした印象は否めない。監督のキム・チャンジュは編集マンとして15年以上経験を積み、本作が初メガホン。トップスターも出演していないが、それでも韓国で初登場1位を飾ったというから、コスパはかなり良いと言えそうだ。
宣伝文句の“ノンストップ・アクション”は誇張しすぎ。本家の「スピード」は一定速度を下回ると爆発する設定のおかげでほぼほぼノンストップだったが、こちらの爆弾は重量に反応し座席から降りると爆発する仕掛けなので、別に車を止めても問題ないし、実際何度も停車する。だからずっと緊張感が持続するというほどではないが、大型車両ではなくSUVにしたぶん、急停止や急発進、駆動性を活かしたチェイスシーンなどで変化をつけて楽しませてくれる。
詰めが甘い部分もいくつか。近くに停まっていた同僚の車が爆破されて、後部座席に乗っていた主人公の息子の右太ももに破片が刺さり大けがをするのだけれど、息子から見て父の同僚の車は左前方、11時あたりの方向。直撃なら運転席にいる父の胴体を貫通してこなければならないし、そうでなければ車内でありえそうにない角度で跳ね返ったと考えるしかない。後部左側の窓ガラスを貫通して首に大けが、とでもしたほうが説得力があったのでは。
あと、ラストのふ頭から車ごと海にダイブするシーンも、本当なら時限装置より先に座面の過重が減って爆破してしまうのではなかろうか。まず海面に車の前部から突っ込んだ時、慣性により主人公と犯人の体重がかかる向きは前方に移動し、座面の荷重は一気に減るはず。また車が完全に水没した状態では、浮力によってやはり座面の荷重が大幅に減る。そのへんのご都合主義も気になった。
でもまあ、細かいことを気にしなければ、それなりにスリルのある場面や、父を思う娘の泣かせる行動など、いくつかの見所は悪くない。編集の巧さで観客の興味を持続させる点も大きいのだろう。
お粗末な警察…
素人相手に幾度も突破される包囲網、狙撃がバレバレな体制、妻に聞かずにずっと犯人扱い、これらの点が緊張感を無くしてしまう。犯人から6年前と言われてもピンとこない主人公の厚かましさ。色々共感出来ず、車が止まってからは動きも止まってしまった。チョ・ウジンがどことなく橋下徹に見えてしまった。
【”優れたる映画のプロットは、優れたるリメイク映画を作る。”映画の正の連鎖を感じる作品。今作を観れた僥倖感と共にこの作品を教えてくれたこのサイトの優れたるレビュアーの方々に感謝を申し上げる。】
ー 本日、リーアム・ニーソン主演の「ハード・デイ・ドライブ」を鑑賞した。
リメイク作品だとは知ってはいたが、十二分に堪能した。
私のレビューに対し、直ぐに”韓国版も面白いですよ”と素敵なレビュアーさんからコメントを頂いた。
で、速攻で配信で鑑賞した。
涙した。ほぼ同内容である、米国の乾性な映画「ハード・デイ・ドライブ」に対し、韓国版の今作は湿性に溢れていて、加害者の若き男の犯行理由が沁みたからである。民俗性性であろう。-
■感想<Caution!内容に触れています。>
・内容は当たり前であるが、ほぼ、本日観た「ハード・デイ・ドライブ」と同様であるが大変面白く鑑賞した。
違いは幾つかあるが、銀行の支店長として働くソンギュ(チョ・ウジン)の娘のヘイン(イ・ジェイン)が、爆発物除去班の女性の促しに対し、敢えて自ら爆発物が仕掛けられた助手席に後部座席から乗り込むシーンである。
ー このシーンは可なり沁みた。-
・更に、謎の脅迫者でありながら、ソンギュに融資を断られた被害者組合の男を演じたチ・チャンウクの犯行動機も良く分かる。
ー 現代でも多数ある、過剰なる融資問題を前面に出している。-
■怪我をした息子ヘンジュンを助け出すシーン等は、今日観た「ハード・デイ・ドライブ」とほぼ同様であるが、犯人の被害者組合の男の犯行動機も良く分かる。
・そして、2人の子供を解放させたソンギュは、犯人の男を助手席に乗せて、海に向けて師のダイブを行うのである。
<今作を鑑賞すると、優れたプロットは、優れた映画陣の手に掛かると、軸はブレないが面白き作品になるという事を再確認した作品である。
この作品を教えて頂いた今映画サイトの二人のレビュアーの方には、深く感謝を申し上げます。>
ハラハラ
フランス映画「ブラスト、爆弾解除ミスしたら即死」の韓国版?と思って見始めたが違った。こちらは車が走っている。息子が怪我をしたり。なかなかハラハラの展開で面白かった。
こんな状況に置かれたら、父親としてどうあるべきか、、、まあ、普通の人はこんな事は起きないから大丈夫だろうけど。
主人公の弟、本当は犯人だけど、説得に来たとき、確認をしない警察もダメダメで。
ただ、この映画で1番に感じた事は、銀行員って大変だなあ。全ての経営者の融資は受け付けられないだろうし、その時の対応は難しいだろうし、家族を犠牲にして銀行のために必死に働いても助けて欲しい時は冷たくされて。
事件後、銀行を辞めてソンギュのとった行動はあっぱれ!
ノンストップ?
スペイン映画のリメイクらしいが最後のオチなんかはいかにも韓国といった感じ。
途中の展開も緊張感たっぷりで素晴らしく、警察に包囲されたシーンなんか車はたしかに止まっているが警察との交渉や家族を思う父の緊迫感で充分緊張感を持続させていたように思う。
目の前にヘリコプター
韓国映画のド派手にどんぱちやる映画は大好物で、予告で見た感じの爆発に惹かれ鑑賞。
んーもうひとつって感じでした。物語の殆どを車中で過ごすのでどうしてもダレてしまったのが惜しかったです。
とある恨みを買ってしまった銀行の支店長が車に何故か爆弾を仕掛けられて、人質に取られながら逃亡するというのが簡単なあらすじです。
良い点を挙げていきますと、カーチェイスのシーンはしっかり見応えがありました。街中をビュンビュン駆け抜けていき、その車を止める際にヘリコプターで強制的に足止めするシーンなんか興奮ものでした。ドアを全部外した状態での逃走も開放感があって良かったです。
詰めが甘いのかどうか分かりませんが、主人公の息子が怪我したのがとても不思議で、別に窓ガラスが割れている訳でもないのに足から大量出血という疑問符が浮かびまくってしまいました。物語の緊張感を増幅させるためにやったのだとは思いますが、ここは正直いらなかったかなーと思います。リメイク元がどうなのか分からないのでリメイク元がこうならしょうがないです。
あと警察のザルっぷり。主人公を捕まえるのには総動員しているくらいの力の入れっぷりなのに、犯人が主人公の弟として接する際に何も確認せずにそのまま通すってのはいかがなものかと思ってしまいました。あまりこういう細かいところに目をつけてはいけないと渋々分かってはいましたが、どうも無視することができませんでした。
主人公が恨まれた理由が過去の金銭でのやり取りというベタっちゃベタですが、確執とも言える関係性を表すには丁度いい設定でした。ただ、このシーンあたりから泣かせにかかってきたのはくどくて残念でした。
韓国映画という事でハードルを上げすぎた気もしましたが、そこそこ楽しめる娯楽作でした。
鑑賞日 3/10
鑑賞時間 10:20〜12:00
座席 F-7
もう少し盛り上がりが欲しかったかな
タイトルとポスターから受け取る印象とは違うストーリーでした。爆弾を仕掛けられた車から降りられない話なのね。
韓国映画らしく、叫ぶシーンがてんこ盛りなのは当然でした。
最後の海中からの脱出。そんなにうまくいくのかな?
展開に穴はあるけど
『座席の下に爆弾を仕掛けた。降りたら爆破する』と絶体絶命だね。娘と息子も乗せてしまっているし、どうしようもない。
「この状況を主人公はどう抜け出すんだ。抜け出すんだろうけど、余りに厳しいぞ」と思いながら色々と起こるあれやこれやを観てくの。
爆弾処理班がきて通信封鎖したあたりで一息つくね。これでなんとかなりそう。
この時点で、警察は主人公のことを爆弾犯だと思いこんでるのね。娘と息子が車から降りたら、主人公を射殺しようとしてるの。
この展開、無理ある。同僚の車が爆破されたから、直前に話してた主人公が犯人なんじゃとやるんだけど、それだけで容疑者にするかな。
犯人から指示がくる携帯を、警察にわたすときも、違う携帯を渡すんだよね。これで余計に疑われるんだけど、違う形態を渡すのがちょっと無理ある展開。
そして最大の穴は『主人公の弟が説得に向かう』と言いながら、犯人が近付いてくるのね。身元確認ぐらいするでしょ、警察。身分証明書も偽造してたのかな。それなら、そのシーンも入れて欲しい。
そして犯人の動機も分かり「こりゃ、しょうがねえな」とみんなが思ったところでエンディング。
主人公は過去に自分が犯した罪を償うために立ち上がると。
主人公関連の後味は良くないね。あれだけ酷いことやって、改心したからって許されるのかっていう。
でも、この作品、善悪じゃないね。
理屈で考えたら、主人公は許せないとも思うけど、家族の情愛を描き込んでるから、なんか「良かった」って気分になるの。特に娘の健気さはすごい。『週末は映画に行こう』は鼻をすする音が周囲から聞こえた。
無理ある展開をやりながらも、納得させてしまう韓国映画の感情の描き方がいいね。
全8件を表示