「展開に穴はあるけど」ハード・ヒット 発信制限 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
展開に穴はあるけど
『座席の下に爆弾を仕掛けた。降りたら爆破する』と絶体絶命だね。娘と息子も乗せてしまっているし、どうしようもない。
「この状況を主人公はどう抜け出すんだ。抜け出すんだろうけど、余りに厳しいぞ」と思いながら色々と起こるあれやこれやを観てくの。
爆弾処理班がきて通信封鎖したあたりで一息つくね。これでなんとかなりそう。
この時点で、警察は主人公のことを爆弾犯だと思いこんでるのね。娘と息子が車から降りたら、主人公を射殺しようとしてるの。
この展開、無理ある。同僚の車が爆破されたから、直前に話してた主人公が犯人なんじゃとやるんだけど、それだけで容疑者にするかな。
犯人から指示がくる携帯を、警察にわたすときも、違う携帯を渡すんだよね。これで余計に疑われるんだけど、違う形態を渡すのがちょっと無理ある展開。
そして最大の穴は『主人公の弟が説得に向かう』と言いながら、犯人が近付いてくるのね。身元確認ぐらいするでしょ、警察。身分証明書も偽造してたのかな。それなら、そのシーンも入れて欲しい。
そして犯人の動機も分かり「こりゃ、しょうがねえな」とみんなが思ったところでエンディング。
主人公は過去に自分が犯した罪を償うために立ち上がると。
主人公関連の後味は良くないね。あれだけ酷いことやって、改心したからって許されるのかっていう。
でも、この作品、善悪じゃないね。
理屈で考えたら、主人公は許せないとも思うけど、家族の情愛を描き込んでるから、なんか「良かった」って気分になるの。特に娘の健気さはすごい。『週末は映画に行こう』は鼻をすする音が周囲から聞こえた。
無理ある展開をやりながらも、納得させてしまう韓国映画の感情の描き方がいいね。