アンネ・フランクと旅する日記のレビュー・感想・評価
全64件中、41~60件目を表示
イマジネーションに溢れたアニメーション
イマジネーションに溢れたアニメーションが素晴らしく、予告編でも見られた「アンネの日記らしき本から文字が浮き出て一人の女性になっていく…」という冒頭部から引き込まれた映画だった。
そして、全編にわたって素晴らしいアニメーションによって、第二次世界大戦下にユダヤ人のアンネ・フランクが空想の友人あてに綴っていた「アンネの日記」に基づくドラマが展開される。
10年ちょっと前に観た『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン監督作品であり、『戦場でワルツを』で見せてくれた「戦争の記憶を辿る流れの物語で、アニメーションとドキュメンタリー映画の融合のような描写が見事だった」が、それは本作でも同じような感覚が感じられた。
本作では、アンネ・フランクの空想の友人キティという女性の視点からアンネの生涯を辿るドラマとなっている。
現代のオランダの博物館で保管されている「アンネの日記のオリジナル」の文字が「本から抜け出るように動きだしてキティとなるシーン」は見とれてしまう。キティは時空を飛び越えた認識が無いのだが、日記を開くと過去へ遡って、親友のアンネ・フランクと再会する。このイメージ映像も見事!
『戦場でワルツを』や本作を作り上げたアリ・フォルマン監督の手腕は、本当に素晴らしく、近年のCG映画へのアンチテーゼとも思わされる見事なアニメーション映画の佳作✨
必ず、かの邪智暴虐の大統領を除かねばならぬ❗️
『アンネの日記』
読んだことは無いのに、タイトルと表紙に使われている笑顔の写真の記憶が強く残っています。
年の離れた兄と姉がいたためか、幼い頃の私にとって内容がよくわからないけど印象に残った本、というのがけっこうあります。アンネの日記もそのひとつで、ポプラ社の怪人二十面相シリーズ(少年探偵団シリーズ⁈)とか、ビニールカバーの豆本的真っ赤な毛沢東語録とか(兄が思想的にかぶれてた記憶はないのでひとつのファッションアイテムのようなモノだった気がする)、あのねのね(マスの書き方を教えてください、という質問への回答が酒桝の立体図だったりする、まぁ無意味な本でした…でもよくある自伝とは違う、芸能人としては目新しい分野のバラエティ本だったと思う)とか長嶋茂雄引退特集のアサヒグラフとかが全部ごっちゃになってた本棚の記憶があります。
『アンネの日記』はたぶん姉の学校における読者感想文の課題本だったと思います。つまり、極東の日本における戦後教育においても子どもという弱き立場の者の人権について啓発を促されていた訳です。
教育によらずとも、ロシア(ソ連)はドイツとの戦争で民間人を含めると3,000万人とも言われる犠牲者を出し、戦争の悲惨さをこれ以上ないほど知っているはずなのに、なぜ今あんなことを…
プーチンに対しては、『必ず、かの邪智暴虐の大統領を除かねばならぬ』と今、メロスだけでなく世界中の人が怒ってます。
※日本で気になるのは、カーシェアリングの話でもしてるかのような軽さで、ニュークリアシェアリング(核共有)の議論を始めようとしてる人たちがいることです。
憲法や非核三原則が日本の平和にどれだけ貢献してきたかの総括を冷徹にすることもなく(自国の軍隊が他国民をひとりも殺傷していないことで攻撃の対象とされずに済んできた)、他国が強権的、軍事的になりつつあるから、日本もそれに伍していこう、という短絡的な感じがとても怖いと思います。
日本の最大の弱点は、大いなる力を持った時に大いなる責任を感じて考える政治家がいない。少なくともそういう信頼を持って、今の政権に負託している有権者はほとんどいないと思うのですが、どうなんだろう?
話がとっ散らかってしまいましたが、とても良い映画です。
ラストナイトインソーホー?
アンネ・フランク関連は、何となく不穏な雰囲気になりがちですが、絵柄も色彩もとても綺麗に描かれています。
そして、ナチスの問題だけではなく、現在も世界中で行われている(これを書いているときはロシアによるウクライナ侵攻中)、少数派に対する人権侵害や不寛容をテーマとしています。もちろん、我が日本でも(日本人すら出てきます)。さらに、アンネ自身が消費の対象になっていることに対する抗議ともとれます。
構造としては、アンネとイマジナリーフレンドとの時空がシームレスに入れ替わる、ラストナイトインソーホーと同じ作りになっています。このため、おそらく本作のターゲットになっている小中学生には初見でよく分からない場面ががあります(キスシーンが長いですが)。特に、アンネの日記のことを事前に知らないと。作品の重要性に対し、皆さんにオススメですよにはできませんでした。EU諸国では基礎知識が拡がっているからかとも思いますが。
とても良かったところは、英語が聞き取りやすく、難しい言い回しやスラングがないので、理解しやすいです。中高生は字幕を見ずに絵に集中して見てみましょう。
アンネから現代の若者へ。
アンネ・フランクが生み出した空想上の友達キティーが日記から飛び出し戦時下のアンネと現代を繋ぎます。美しく繊細なアニメーションと音楽は必見です。
12年間で600万人。その内子供は150万人と言われるホロコーストの犠牲者。「東へ連れて行かれたら二度と戻らない」と言う噂を聞き恐怖の中で過ごした2年間に及ぶ隠れ家での暮らし。息を潜めて生活する中でキティーは唯一本音を打ち明けられる大切な友達。現代の思春期の若者と何ら変わらないごく普通の少女がユダヤ系というだけで迫害され、やがて劣悪な環境の収容所で命を落としてしまう。15才9ヵ月。
なぜユダヤ人は迫害されたのか。なぜ隠れなければならなかったのか。最期と悟って見た車窓からの景色は15才のアンネの瞳にどう映ったのか。キティーと共にその軌跡を追いながら胸に刻みます。アンネにしか見えないはずのキティーが現代では一人の少女として存在するという構成が巧みで素晴らしかった。
これからも日記と共に生き続けるアンネ・フランクとキティー。そして600万の命。それは言うなれば600万冊の日記。その1つ1つに物語があるということを忘れてはならない。若い世代にこそ観てほしい1本。
この映画は決して二番煎じではない。 人々がなぜアンネ・フランクに惹かれたのかを再認識させてくれる
第二次世界大戦の悲劇の1つとして、今もなお語り継がれるアンネ・フランクの物語。
彼女が書いた日記を基にその悲劇は、様々な創作の題材とされ、隠れ家での日々や同居人たちとのやり取りを知らない人は少なくないはず。
でも、この映画はそんなアンネの悲劇の物語を再演するようなものではなかった。
日記に登場する架空の人物キティが、現代のアムステルダムに具現化され、日記の記述を手がかりにしながら友人であるアンネを探す。そう、日記から生まれたキティはアンネの最期までの道のりを知らないのだ。
アンネを探す旅の中でキティはある社会問題を目の当たりにする。その問題を抱える現代はアンネ・フランクが望んだ未来とはかけはなれていた。キティはアンネ・フランクの最期を知らなかったけれども、アンネの心は誰よりも知っていた。そのキティが取った行動にハッとさせられた。
監督はこの映画を通じて、観る人に問いかけているようだった。
私たちはなぜアンネ・フランクに惹きつけられ、今もなお彼女たちの隠れ家に長蛇の列を作って訪れているのか。その理由は忘れて、「アンネ・フランク」を神格化し、彼女の日記を崇拝対象のように飾っていることに対する皮肉も混ざっているように感じられた。
解りづらい
アンネの日記は25年前に読んで大衝撃だった。が、今回のcinemaは。う~ん。アンネ、キティ、などなど。懐かしい登場人物が出てくるんだが。前後が解りづらく途中退場してしまった。しかし今、この時のロシア プーチンが、まるでホロコーストのアドルフヒトラーのようで。アンネフランクの時代がまた蘇ったみたいで恐ろしかった。
邦題がメルヘンすぎるかも…
ナチスから現代まで、人種差別や戦争とか世の中はあんまり変わっていないんじゃないかと考えさせられる。今の時代特にこころにささるかも。改めてユダヤ人迫害の理不尽な状況を認識させられる。欧風らしいアニメーションも魅力たっぷりで画面に引き込まれる。が、それにしてもガラガラだったな…もったいない。
オランダ・アムステルダムの博物館「アンネ・フランクの家」にて展示さ...
オランダ・アムステルダムの博物館「アンネ・フランクの家」にて展示されている「アンネの日記」の原本。
嵐の朝、展示ケースのガラスが割れたことで、館長はアンネの部屋の机の上で展示することにした。
不思議なことに、日記を宛てたアンネの空想上の友だちキティが日記の中から飛び出し、現代の世の中に現れてしまった。
キティは、21世紀だとは思わず、アンネの姿を探すが、当然にして、アンネはいない・・・
というところからはじまる物語で、実態を持ったキティが現代の世でアンネを探す物語と、日記に書かれた第二次大戦中のアンネとその家族の物語が時空を超えて絡み合っていきます。
有名な『アンネの日記』だけれど読んだことがなく、1959年につくられたジョージ・スティーヴンス監督、ミリー・パーキンス主演の映画『アンネの日記』も恥ずかしながら未見です。
なので、本作の第二次大戦中のエピソードで日記の内容を知りました。
第二次大戦中のエピソードは、戦闘シーンなどは少なく、アンネの父が経営する会社ビルの隠れ部屋で複数の家族が息を殺しながら生活する様子が描かれているわけですが、それぞれの家族のキャラクターの描きわけがしっかりしています。
アンネ一家が隠棲生活をするようになった経緯は、子どもたちが強制労働収容所に送られそうになるので身を潜めた、ということで、これは初めて知りました。
また、この大戦中エピソードの中で、なぜユダヤ人が迫害されるのか、というキティに対して、少数民族が迫害されるのは歴史の常で、ロマ(ジプシー)やアルメニア人やその他の民族と列挙していき、それが現代的なテーマへとリンクしていきます。
現代エピソードでは、博物館の来訪者たちから金品をスリ獲って生活をしている移民の少年が登場し、彼がキティを行動を共にします。
映画が進むうちに、アムステルダムに暮らす移民・難民の問題が表面に大きくせり出して来、先に述べたユダヤ人迫害問題と根っこが同じであることを示していきます。
ということで、かなりの社会的テーマを扱っているのですが、絵の魅力があり(たぶん、実際の俳優の動きを元にしたロトスコープではないかと思うのですが)、現代と大戦下を自由に行き来するファンタジックな要素も魅力に富んでおり、大人のみならず、小学校高学年ぐらいの子どもでも楽しめる映画になっていると思います。
ファンタジー要素の中では、アンネの空想の中で登場する、クラーク・ゲイブルら映画スター軍団とナチスドイツ軍との戦闘シーンが、絵的にもかなり面白かったです。
#映画アンネ
架空の友達が飛びだす独創的映画。 原作も架空のともに語りかける内容...
架空の友達が飛びだす独創的映画。
原作も架空のともに語りかける内容も映画はそれを一歩踏み出した感じ。
アニメーションが凄く可愛いので戦争の悲惨な事実が余計に恐ろしいと感じる。
今、世界はロシアの暴挙で不安のどん底。
アンネの思いが踏みにじられる戦争。
でも戦争だけをクローズアップする事なく女子のワクワクも、描かれ楽しい内容。
何回も見たくなるさくひん!
キティが現代にあらわれた意味
マイノリティへの差別は迫害へと繋がり、今もなお同じ歴史の過ちが繰り返されている。
憧れのスターの写真を眺めて、盛った恋バナを楽しみ、ちょっぴり母親をウザく感じるお年頃の女の子。
キティを通して見えてくるアンネ・フランクは、決して聖人君子ではなく等身大の女の子。
きっと現代にいたら、スケートやファッションを楽しんだろう。
今現在も、言われのない攻撃を受けて、未来を奪われ命を落とすアンネ・フランクたち。
昔の偉人ではなく、身近な存在として現代にも息づく彼女のメッセージを、私達はそれぞれの立場で受け取る事ができる。
ここからは長くなるので…
アンネの日記に書かれていたことを中心に、日記で伏せられていたことや、関係者の証言など。日記に書かれていなかった部分も繋ぎ合わせて、アンネ・フランクという1人の少女が確かに生きていたことを浮かび上がらせます。
アンネの分身であり理想の姿でもあるキティが取った勇気ある行動は、現代を生きる私たちへのアンネからのメッセージに他なりません。
監督やアンネ・フランク財団の方もおっしゃっていましたが、彼女のメッセージを次の世代に伝える為に作られた映画です。
だけど。既に手遅れだったら…。
ウクライナ侵攻から始まる最悪のシナリオを想像して背筋が凍りました。
映画って、出会うタイミングがありますよね。
若い頃に見てピンとこなかった映画が、歳をとってから見直すと、ものすごく心に沁みたり…。
それに“映画ファンあるある”だと思いますが、見たい映画が多すぎてめまいがすることありませんか?
星の数ほどある映画。新作もどんどん公開されていくし、どう考えても時間が足りない!
でも。自分が一生のうちに観られる本数なんてたかが知れている。。。
私の場合は、映画を追いかけるのはやめて、出逢えた映画を丁寧に見ていくことに気持ちを切り替えました。
きっと映画の神様がいて、私に必要な映画に必要なタイミングで出逢わせてくれるさ♪
そう思うことで気持ちが楽になり、
逆にウォッチリストのタイトルと出逢えた時の喜びはひとしお(*゚▽゚*)
で、前置きが長くなりましたが、こうタイミング良く出会いすぎると、ほんとに映画の神様がいるのではないかと思えます。
→『チェチェンへようこそ-ゲイの粛清-』
→ウクライナ侵攻
→『アンネ・フランクと旅する日記』
今回改めて映画に教えられたことは
マイノリティへの差別は、やがて戦争に繋がるということ。
そもそも過去の歴史を見れば明らかなのですが、頭ではわかっていたことが初めて腑に落ちた感じ。パズルのピースがハマったように繋がりました。
『チェチェンへようこそ』は、セクシャルマイノリティを迫害する政府主導の取り組みを暴くドキュメンタリーでしたが
密告が社会を疑心暗鬼にさせ、ゲイへ向けられる暴力は個人の不満や怒りのはけ口になってしました。
自分たちと異なる者を認めず、敵とみなして排除する社会。
国家への不満を巧みにすり替える独裁者のやり口が、いまだに通用するなんて。
『アンネ…』でも「内乱や紛争、戦争の始まりは全て少数派への攻撃から始まる。全ての負の原因を少数民族に押し付けて攻撃する。」と語られますが、
自分とは違う人たちを認めない心が、人との間に壁を作って差別を生み出し、
独裁者によって悪しき者の烙印を押された人々を正義の名の下に迫害する。
暴力はフラストレーションのはけ口となって広がり、罪悪感を正当化する為に迫害に加わらない人を国家に従わない者として同調圧力をかける。
ついには、自分の国から自分や家族の命を守る為に敵を攻撃せざるを得ない恐怖政治が完成する。
真の敵は内側にいるのだ。
LGBTQ…差別を無くすことと反戦運動は別モノだと思っていましたが、
自分とは異なる人を認めることができる社会こそが、争いのない平和な社会。
地続きに繋がっていた問題だったことに気づかされました。
#アンネ・フランクと旅する日記
今の時期だからこそ見てほしい作品ではある
オンライン試写会で鑑賞しました。
人種差別のことだったり、戦争や自由への考え方、またアンネ・フランクの思いを学べる。
正直難民の一件は現実味なくてやや不満に思うが、とにかく学びの深い時間だった。
”You may say she is a dreamer. But…” アンネ・フランクの精神は、現代にこそ必要だ。
1947年に発行されて以来、世界中で愛読されている言わずと知れたベストセラー、『アンネの日記』を原案にしたファンタジー・アニメ。
ある日、『アンネの日記』から一人の少女が姿を現す。
それはアンネ・フランクのイマジナリー・フレンドとして日記に描かれている少女、キティーだった。
彼女は右も左もわからぬ現代社会で、親友アンネの消息を探すのだが…。
映画.com様のオンライン試写会に当選したので、一足早く観賞させて頂きました!
映画.com様、ありがとうございます😊
本作を観賞するにあたり、『アンネの日記』を読んでおけばよかった…。
救いのない結末が待っていることは知っているので、どうしても重い腰が動かず、これまでの人生で避けて通ってきてしまった。
『アンネの日記』を読んでいなくてもストーリーラインは理解出来るが、やっぱり理解度は変わってくると思うので、読んでから観賞すべきだったなぁ…、と後悔。
というのも、本作が稀に見る傑作アニメーションだったから。
早くも2022年のベストが決まってしまったような気がする。
脚本は少々甘いところもあるけれど、監督の込めたメッセージやアンネ・フランクへのリスペクトが、映画全体にぎっしりと詰まっている。
アニメーションの質の高さも相まって、超ハイレベルな映像作品として、『アンネの日記』を現代に甦らせることに成功している。
本作は本当にアートディレクションが素晴らしい✨
海外の主流である3Dアニメではなく昔ながらの2Dアニメではあるが、日本のアニメーションとはかなり趣が違う。カートゥーン調と言えば良いのかな?
日本のアニメに慣れているので、初めはちょっと飲み込みづらさを感じるのだけどすぐに慣れてしまう。
のっぺりとした画風ではあるが、細部に至るまでアニメーションは超絶に滑らかで、まるで絵本がそのまま動き出したかのような印象を受ける。
非常に洒脱な作風に加え、絵柄がポップでキュートなので、アンネやキティーをはじめとしたキャラクター達に愛着が湧くこと間違い無し!
そしてキャラクターの演技が抜群に良い!!
10代の女の子の繊細な心境の機微を、身振りや瞳の動きで完璧に表現している。
キティーの体が解けてしまうファンタジックなシーンやスケートシーンなど、動きのある場面でも作画のレベルの高さが十分に発揮されている。
命なきものに命を与えるという「animation」本来の意味を思い出させてくれる素晴らしさでした👏
本作の撮影を担当しているトリスタン・オリバーさん。
超ド級の狂気的アニメーション『ゴッホ 最期の手紙』の撮影を手掛けたのも彼。
他にも『犬ヶ島』や『ウォレスとグルミット』など、いずれも一筋縄ではいかないアニメーションに参加している。
詳しい事はわからないけど、もしかしたら今世界で一番凄いアニメーションを作るのは彼なのかも知れない。
自分はまるで絵に命が宿ったかのような、ハイ・クオリティなアニメーションを観るとそれだけで涙が出てきてしまうんだけど、それに加えて本作はあの悲劇の少女アンネ・フランクの物語でしょう?
もう序盤からクライマックスに至るまで、ほぼずっと泣きっぱなし😭
よく理由も分からずに涙が溢れたんだけど、多分悲しみの涙というよりは嬉しさの涙だったように思う。
素晴らしいアニメーションが観れたことの嬉しさと、現代でもアンネ・フランクのことを愛している人たちが沢山いるんだということを知れた嬉しさ。
そして平和のために作品を残そうというクリエイターがいるということへの嬉しさ。
もちろん悲劇的な物語ではあるんだけど、アンネを大切に思っている人々の心が伝わってくる、本当に多幸感に溢れた映画であると感じました🥲
2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始。世界は再び戦争の恐怖に怯えることになった。
この戦争により祖国ウクライナを追われる難民は数百万人にも上る恐れがあるという。
極東の島国ニッポンに住んでいると、難民問題について人事のように考えがちになるが、これはもはや自分達にとって無関係な出来事ではない。
偶々最近読んでいた『アフリカの難民キャンプで暮らすーブジュブラムでのフィールドワーク401日』(小俣直彦 著、2019年6月、こぶな書店)によると、2017年の日本の難民認定率は0.1%。
同じく難民受け入れに消極的であるとされるイギリスの1/260という脅威の数値を記録している。
この数字の意味するところと、名古屋入管でのスリランカ人死亡事件、技能実習制度による外国人差別。
これらのことの関連性と問題の根底について、今一度我々も考える必要があると思う。
アンネ・フランクが逝去してから今年で77年。
これだけの時間が経っても、人は相変わらず殺し合い・奪い合いに夢中になっている。
この映画のことを、あまりに夢想的だと思う人もいるかも知れない。
しかし、この映画を観て平和について考えることが、次の世代の子供達に対して我々が出来る、ささやかな贖罪なのではないだろうか。
人の本質は「善」であることを信じて。
平和を我等に。
ここの試写会で一足早く見ましたのでネタバレは少なめで…。
今年58本目(合計331本目/今月(2022年2月度)30本目)。
※ ルール上は「ツイッターに感想を書いてね」の扱いですが、それは書きましたが、140文字以内でもっと詳しいことを書きようがないので、詳しいものはこちらに移します。
正規公開日が3/11であることなどを考慮して、ネタバレは低めにします。
…とはいえ、ここの特集や映画紹介などで書かれていることが大半…なのですよね。他の方も書かれていましたが、「アンネ・フランク」を冠する名前の施設が多くあるというのは、(多少は誇張があっても)事実ではあるようです。もっぱら、空想上の「キティー」との(空想上の)旅の物語が描かれるものですが、同時にアンネ・フランクを含むナチスドイツの当時の政策も描かれます(誰でも見られるように、表現については配慮がされています)。
ここでの試写会ではエンディングクレジット後、「なぜ公開しようと思ったか」「日本で何を考えて欲しいか」といった5分ほどのインタビュー(このご時世なのでオンライン)が挟まっています。
今(2022年2月27日)、ロシアがウクライナに入って…と戦争の兆しがありますが、戦争はどんな場合にも許容されるものではありません。古い時代ならともかく、まず話し合いで解決する、その前提を抜きに「気に入らない国は全部つぶす」というのは支離滅裂だし、まして「思想が支離滅裂過ぎる」ナチスドイツのやり方は、それを超えて許容されるものでもありません。
この映画を通じて、少しでも「戦争の悲惨さ」「戦争を回避するために何をすべきか」ということについて(実際には日本で、個人が活動することは難しいですが…。日本自体が、アメリカの核に守られている事情もあるため)理解が深まればよいかな、と思っています。
ここの試写会で見せていただいたのですが、採点は下記のみ気になったものの、おそらく「多くの方に見てほしいのであろう」という点は容易に想定できるので、減点幅は考慮しました。
-------------------------------------------
(減点なし/減点0.1) 映画内ではごく一部を除いて英語になっています。しかし、アンネ・フランクが活躍していた時代に話されていたのは、当然、英語ではない言語です(ドイツだけでみても違うし、ドイツが侵攻した国ではそれぞれの国語があった)。
ただ、映画の趣旨的に、この映画は今回は日本で試写会がされているところ、実際は全世界中で見てほしいという観点で作ったのはどう見ても明らかで、そのとき「各言語(日本なら、(何かの言語)→日本語)への翻訳のコスト」を考えたとき、「何かの言語」は世界共通語である英語のほうが、「翻訳のハードル」が低く、この映画の趣旨にも合致します。
そうであるなら、不自然であるとしても減点幅は0.1に過ぎないでしょう。
-------------------------------------------
過去と現代、未来をつなぐ社会派作品
アンネ・フランクの過去の差別の物語と、キティーの現在のアンネを探す冒険が同時に描かれる。ファンタジーの形式をとってるが、現在の物語でも差別が描かれており、実際はとても難しいテーマを扱っている。
一番印象的だったのは、アンネの演劇を観にきた観客の多くがスマホの画面に見入っていたこと。現代の若者ってきっと歴史に対してはこのくらいの興味しかないんだろう。かく言う自分もアンネの物語は全然知らないので、ちゃんと勉強しようと思った。無知は一番の失礼だと思う。
とてもよい作品だったが、言わなくてもわかるメッセージをエンドロールで言葉にしてしまったのが少し残念。
そして「縞模様のパジャマの少年」でも感じたのだが、何故みんな英語を話しているのか。これがひっかかるひとも他にいると思うのだけど。その点で少し評価は下がってしまった。が、それ以外はとてもよい。
たくさんの映画館で上映すべき
アンネ・フランクの日記の空想上のキャラクターキティを主人公に現代とアンネの時代の共通している問題へ対応をテーマにしているところが興味深く感じました。アニメーションで子供たちにも訴えたい作者の気持ちが伝わりました。たくさんの映画館で上映すべきと思います。#映画アンネ
悲しいお話し。
凄く良かった。凄く面白かった。
ナチスにユダヤ人が殺されていた時代の話を主人公の少女を元に描かれている。
切なく、悲しい物語。最後は泣けます。。。
また主題歌も更に涙を誘います。
アニメ映像もどこかレトロで雰囲気があり良かった。
また実写版じゃなくアニメが余計すんなりと内容が頭に入りやすかった。実写版だったらちょっと話が難しく感じた気がします。
是非お薦めします!!
ロシアとウクライナの戦争が始まり
オンライン試写で拝見。
アムステルダムのアンネフランクの家にはこんなにもたくさん入場者があること、アンネフランクの名前がついた学校、橋、病院などがあることも知った。
素敵なアニメーション。流れるような動き、スケートのシーンがとても心地よい。ヨーロッパを感じる繊細なラインで描かれるアンネ、キティ。アンネは格別に魅力的だし、キティはなりたかった自分として、アンネの見えない親友として輝く。キティは見た目だけではなく言いたいことをはっきりいう、外に出て(アンネには叶わなかった)走り回り叫び泣き笑い怒り喜び抱きしめ行動を辞さないキャラクター。
アンネの話ホロコーストの話過去の話に終始せず今のヨーロッパの、世界の問題が、アフリカやアラブからの難民が取り上げられていること、ストリートチャイルドらしきピーターとのボーイミーツガールの物語となっていて秀逸。
アンネフランクの時代から70年以上たち、さらに世界が大きく発展しているのに今もたくさんの子どもたちの命が不当に残酷に奪われている、というメッセージ。アンネフランクの家に今もたくさん押し寄せる人々。
感動する映画、悲しいけどさわやかに希望、人間性を感じる佳作。
ここからはおまけ—-
なので遠慮して小さな声でいうがエンドロール最後の方、まあ当然ながらイスラエルの文化教育機関の名前も見られ世界中で殺戮されている子どもの数にパレスチナ の子はカウントされてるのかしらねと個人的には興醒めしたけど。
他人事ではない作品。アンネが今の世界を観たらどう思うでしょうか?
オンライン試写会にて鑑賞
未来を信じたアンネが今の世界を観たらどう思うでしょう?
時代は変わっても変わらず起こる戦争。
悲しみを繰り返さないで欲しいという願いがこもった他人事でない作品です。
他人事ではない悲しい現実を柔らかいタッチで描かれていて最後まで目が離せません。
アンネの部屋の壁には映画スターや女性誌の切り抜きがたくさん!
私達と同じように俳優にトキメク想像力豊かな少女です。
「武器ではなく話合いで解決を」というアンネ基金の方のインタビューの言葉に胸が熱くなるラストでした。
アンネが夢見た平和な未来を…🕊
とても愛に溢れた作品
映画.comオンライン試写会鑑賞
空想の友人を介して自身を見つけるロードムービー。
アンネの日記をちゃんと読んだことがない私。
作画のタッチがとても良く逆に新鮮、それと動きも滑らかで良いです。
特に表情。キュートな笑顔が写真で見たことのあるアンネの雰囲気とぴったりでした。
友人のキティーも写し鏡のようでいて、少しだけ理想というか夢が具現化しているように感じました。
また背景等の美術が実に美しいです。
それと緩急の効いた音楽がとても素敵で、作品をより残酷にそして幻想的に彩ります。楽曲の件曲も良いですね。
作品はアンネの日記をそのまま映像化するではなく、あったかも知れない「if」をアンネの想像力と織り交ぜて描かれています。
また、鑑賞したのがロシアがウクライナの首都キエフに侵攻した日という、何とも皮肉なことになってしまいましたが、だからこそ深く響く言葉が作中にありました。
たった一人の命を救うために全力を尽くすべき
たった一つの命でも
子供の命は守られるべきだ
残酷でありながら希望に満ちた、とても愛に溢れた作品。
本当に素晴らしかったです。
全64件中、41~60件目を表示