「ラストナイトインソーホー?」アンネ・フランクと旅する日記 kwmdさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストナイトインソーホー?
アンネ・フランク関連は、何となく不穏な雰囲気になりがちですが、絵柄も色彩もとても綺麗に描かれています。
そして、ナチスの問題だけではなく、現在も世界中で行われている(これを書いているときはロシアによるウクライナ侵攻中)、少数派に対する人権侵害や不寛容をテーマとしています。もちろん、我が日本でも(日本人すら出てきます)。さらに、アンネ自身が消費の対象になっていることに対する抗議ともとれます。
構造としては、アンネとイマジナリーフレンドとの時空がシームレスに入れ替わる、ラストナイトインソーホーと同じ作りになっています。このため、おそらく本作のターゲットになっている小中学生には初見でよく分からない場面ががあります(キスシーンが長いですが)。特に、アンネの日記のことを事前に知らないと。作品の重要性に対し、皆さんにオススメですよにはできませんでした。EU諸国では基礎知識が拡がっているからかとも思いますが。
とても良かったところは、英語が聞き取りやすく、難しい言い回しやスラングがないので、理解しやすいです。中高生は字幕を見ずに絵に集中して見てみましょう。
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