「アルコール依存症軽視した映画」ツユクサ 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
アルコール依存症軽視した映画
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小林聡美の映画はちょいちょい観ていて、軒並み好感の持てるものばかりですが、本作は太鼓判をとても押せません(小林聡美の演技は全く問題ありません)。
伊豆の田舎町を舞台にした五十手前の女性が主人公の作品で、ゆっくりとしたテンションでストーリーが進行します。
落語家さんがふたり(滝川鯉昇師匠と桃月庵白酒師匠)出演していて、落語好きとしては嬉しいサプライズでした。
良かった点はこのくらいです。
残念だった点は以下の通りです。
・派手な自動車事故を起こしたのに無傷の主人公(コメディとして観るべきですかね😑)
・アルコール依存症の集会(断酒の会)のリーダーがアルコール依存症(その後の本人の自身を正当化する台詞に絶句しました🤐)
・主人公のほかの登場人物のアルコール依存症を茶化すような軽視としか思えないシーンの数々(実際に依存症に苦しむ人達が観てどう思うでしょうね😟)
・非常に安っぽく嘘臭いインコの偽声(セキセイインコの話し声くらいしっかりリサーチしておいて欲しかったです🦜💬)
それ以外にも小学生同士のキスシーンは「他に表現方法あるだろ」と思いましたし、『寿限無』を呟く謎の黒人男性など、謎なままで解決されない部分もありましたが、その辺は別に良しとします。
総合的に見て【心に傷を持った中年女性が、恋をきっかけに傷を癒す話】と解釈しましたが、残念だった点が余りにも引っかかり、最後まで心から共感することはできませんでした。
静かな映画なので、BGM代わりに観るくらいが適していると思います。
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