「小林聡美と松重豊のラブストーリーが、こんなにいじらしいなんて」ツユクサ 12shiho28さんの映画レビュー(感想・評価)
小林聡美と松重豊のラブストーリーが、こんなにいじらしいなんて
アラフィフのフミちゃんは、気の合う同僚達やその息子コウヘイと楽しく過ごしながらも癒えることのない過去の傷を抱えている
そんな中フミちゃんが、車を運転中に隕石に激突するアクシデントにあった日から、毎日に小さな変化が起こり始める
海沿いの小さな町で暮らす登場人物達の日常を、ショートストーリーを切り貼りしたような構成の、なんでもない生活風景、会話で描かれていく、その一コマ一コマの中を流れていく役者達がみんな良い!
小林聡美、平岩紙、江口のりこが、それぞれの境遇の違いからくる悩みとその受け入れ方を、リアリティをもたせながらも、人生の一場面とばかりにさらりと演じているのがさすが
そして、なにより小林聡美演じるフミちゃんと、松重豊演じるゴロウのラブストーリーがこんなにいじらしいなんて!
互いに癒えない傷を持ち、自分が幸せになることに後ろめたさを感じてしまう2人が、ぎこちなく距離を縮める様に、やきもきしてしまう(しかし、松重さんがゴロウて、ワザトか笑)
ラスト近くのフミちゃんとコウヘイのシーンは、彼女がたくさんの変化を通じて自分のために生き直す決意をしたスタートに感じて、泣きそうになった
芸達者な役者さん達の、熱くない演技合戦も最後まで楽しかった
特に、ラジオ体操のベンガルはズルいし、それを受ける江口のりこに吹いた
明るさの裏にある痛みや悩みも描きながらも、それでも前向きに生きる人々の希望にスポットを当て、人は何度でも生き直せる、そう思わせてくれる映画でした
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