劇場公開日 2022年4月29日

  • 予告編を見る

「映画レビューではないんですが。」ツユクサ HARU-2000さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5映画レビューではないんですが。

2022年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

芙美と同年代なんだな。自分がそういう年代に達したせいか、最近好んでこういう映画を観るようになった。思うのは、意外に早く死は身近な存在になったなという感じ。人生をどう生きるかは誰でも考えると思うが、最近はそこに「残りの」人生という修飾語が付くようになってきた。この映画の登場人物の多くは、大きな喪失感を抱えて生きている。描かれていないが、断酒会の人達や工場長や航平のお父さんやマスターや、もしかしたら吾郎の奥さんだって。極論すれば、これを読んでくれている全ての人が容易くない人生を歩んできている(でしょう?)。人に歴史ありとはよく言ったもんだなと思う。そう言った思いを抱えながら、いや抱えているからこそその人にしかできない生き方とは何か。最近は老人を主役に据えた映画が、国内外を問わず随分増えた感がありますが、今後は映画界全体にとっても主要なテーマになっていくのではないかと映画を観ながら考えてました。

HAL-9000