「女性主体のアクション映画の可能性を探った意欲作」ガンパウダー・ミルクシェイク 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
女性主体のアクション映画の可能性を探った意欲作
男性側のファンタジーを押し付けることなく女性が主体のアクションを成立させようという監督の意欲と挑戦はとてもよくわかる。実際、性差やセクシャルなアピールを排したアクション描写はとても風通しがよく感じられる。ただ、フェミニズムのテーマは、監督の真摯さは疑わないものの、いささか付け焼き刃というか、掘り下げ不足に感じられるきらいはある。図書館や女性作家の引用も、アクションとテーマが融合しているようには見えないし、男性社会に物申すメッセージも唐突にセリフで説明された感はある。とはいえ、この意欲が時代を進める一歩であることは間違いないと思うし、もうカレン・ギランが両腕を麻痺させられて戦うアクションシークエンスと、続くカーチェイスが面白すぎて、最高のシーンを見せてくれてありがとうございました!という気持ちが一番の感想だったりします。
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