「いいとこ取りの切り貼り映画だがそれだけではない面白さがたくさん」ガンパウダー・ミルクシェイク カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
いいとこ取りの切り貼り映画だがそれだけではない面白さがたくさん
いつの時代の何処の街のお話かわからんが、ダイナーのお客さん含め登場人物のほとんどが殺し屋関係の人物達というアクションに徹した設定が、既視感はあるものの飽きさせずに観せるポイントなのかなと感じている。
主演のカレン・ギランはモデル並みの身長とスタイルで殺陣でもグッと目を惹くのだが、これで日本刀を持ったら完全に「キルビル」のユマ・サーマンだったw。
遠心力で腕を上げるというぶっ飛んだシーンは吹き出さずにはいられなかったが、彼女の長い手脚が活かされた見どころのあるシーンだと思った。(引き金は引けるんかい!)
脇を固めるいぶし銀のお姉様俳優たちは皆ウエスタンの衣装に身を包み、銃だけではなくナイフ付きの銃、チェーン、ハンマーでのバトルをみせるが全て完成度が高く、特にミシェル・ヨーのアクションは監督の「よくわかってる感」や「リスペクト感」がヒシヒシと伝わり、つい前のめりになって観てしまったほどだ。(世界観重視で敢えてワイヤーアクションを使ってないのも良かった)
ネオンサインやアジアンテイストのかわいい小物がバイオレンスな内容とのギャップ萌え効果をみせるが、特にサムがミルクシェイクを飲んだり、アニメを観たり、日本語のかわいいキャラクターTシャツを好んで着たりするのは、大柄な凄腕の殺し屋ではあるがメンタルは母親と別れた時のままであるという事の象徴として使われているのだと思うが、そのインパクトは実に強大だった。(日本語のかわいいピンクのマシュマロTシャツ欲しい)
オマージュたっぷりのタランティーノもオマージュされる時代が来たのかと思うとまさに隔世の感。
ナヴォット・パプシャド監督の次の映画に期待したいと思う。