劇場公開日 2023年1月13日

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「「映画音楽の巨匠モリコーネの生い立ちから晩年までを音楽と映像で丁寧に構成した逸品!音楽は映画でもあり映画は音楽でもある!必見!」」モリコーネ 映画が恋した音楽家 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「映画音楽の巨匠モリコーネの生い立ちから晩年までを音楽と映像で丁寧に構成した逸品!音楽は映画でもあり映画は音楽でもある!必見!」

2023年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

上映時間157分を長い!おっしゃる方もいると思いますが、60年代後半辺りのイタリアなどのヨーロッパ作品からそれなりに観てきた人なら一度は、映画やテレビから聴いた事のあるサウンドが、枚挙にいとまがなく流れ、飽きる隙与えない音楽と映像構成をモリコーネを師匠と仰ぐジュゼッペ・トルナトーレ監督が紡いでくれる至宝にして最高の157分でした。

モリコーネ入門としてもだが、ちょっとしたイタリア映画史的な側面もあり、紹介される作品も日本でも人気のあるマカロニウエスタンから未公開の社会派やアート系まで幅広く興味深い部分を見せてくれるので、その後の作品セレクトの参考にもなる。
無論モリコーネと仕事しなかったイタリア映画名匠巨匠も多数いるが、その辺は、アメリカ映画界の巨匠でもあるマーティン・スコセッシ監督の『マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行』などをサブテキストに観ると分かりやすいかも。(TSUTAYAなどでレンタルしてるハズ)

本作の見所としては、ともかく多くの映画や音楽の著名人が語るモリコーネの功績や凄さを簡潔に語っていて、その影響力に驚く。

もちろん本人のガッチリとした語りや創作秘話も満載で、年齢にしてはパワフルてお肌ツヤツヤで元気だった在りし日のお姿を見れるのもありがたい!(モリコーネの時の撮影ライティング機材の光源がとても強めになのに硬くなくクリアな光で綺麗だけど蛍光灯型LEDかしら)

気になるところは特に無いけど、個人的にレオーネ監督とのコンビ作で男性コーラスが印象的だった傑作『夕陽のギャングたち』の話しも欲しかった。(レオーネがキューブリックの依頼を勝手に断ったところのみのだった)

あと『夕陽ガンマン』のクライマックスを初めて大きなスクリーンで見れたのは嬉しい!4K版あたりを映画館で観たい。

個人的には音楽映画の側面もあるので音響機器の良い映画館での鑑賞をお勧めしたいのと、本作に入っている全ての音源や作品の権利がソフトや配信で使えるのか分からないので、劇場に行って見て欲しい。
本作はこの手の作品としては珍しく地方のシネコンでもやってるので是非劇場で観て聴いて下さい!

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』の余談
昔テレビで見た謎の戦争映画で、戦場に散布された毒ガスで人間がドロドロ溶ける恐ろしい場面のある作品が、モリコーネが音楽で参加した『黄色い戦場』(1969年)と本作を観て判明した!😱

あとモリコーネが音楽を担当したリリアーナ・カヴァーニ監督の日本未公開作品の2本も興味深いです🤔(公開を望む)

ミラーズ