「至上の映画音楽を提供し続けた天才音楽家の実相に圧倒される」モリコーネ 映画が恋した音楽家 zapsanさんの映画レビュー(感想・評価)
至上の映画音楽を提供し続けた天才音楽家の実相に圧倒される
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』など数多くの映画作品向け楽曲を手掛けた天才音楽家の生前5年以上に密着しつつ、関係した多くの映画人のインタビューや映画の断片映像で構成されたドキュメンタリー作品ですが、3時間近くの長尺にも関わらず、そのテンポと濃密さにくわえ、モリコーネの幅広く深遠な音楽世界に終始圧倒されます。
さまざまな「争いごと」の絶えない実世界の映し鏡が映画芸術の持つひとつの側面だとすると、映画の放つメッセージをより明確で強固なものに昇華するために担う音楽の役割はとてつもなく大きいのではないか。このイタリア人作曲家の長年の創作活動における「闘い」の軌跡を知ることで、そのことを思い知ることができます。映画はもちろん、音楽を愛する多くの人に強くお勧めしたい映画作品です。
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