「映画が好きな方も、音楽が好きな方も。」モリコーネ 映画が恋した音楽家 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画が好きな方も、音楽が好きな方も。
今年21本目(合計674本目/今月(2023年1月度)21本目)。
日本基準ではどうしても海外映画は数か月から1年単位で遅れたりしますが、(ある程度映画館で映画作品を見ていて)彼の名前を知らない、という方は少ないのかな…というほどです。その「映画音楽家」に焦点をあてたドキュメンタリー映画です。
このような事情のため、関係者へのインタビューや、そのインタビューを反映・裏付けさせる彼の作品の一コマが流れる(なお、音楽に関しては一部の例外を除いて、どれかの曲がかならずかかってます)という展開がずっと続きます。また、歴史にそって描写されますので(2020年に亡くなったそうです)、その意味で「話の展開」自体は非常にわかりやすいですが、同時に残した業績も今の映画界では「知らない人はいない」ほどの方であり、また、映画音楽家として関係した映画が多数あることからその紹介も入ることもあり(本映画内では、日本未公開については「…(未)」などとでます)、その関係でかなり長いです。ただそのように長くすることで、長い人生でいろいろな影響を受けたであろう中で、たとえば前期と後期でどう作風が変わったか、あるいは、いつのときも変えない「絶対に変えない何かの信条的なものは何か」といったものがあればそれは何か…というところが論点になりますので、どうしても本作品程度の長さは必要だったのだろう、と思います。
なお、実際に彼が作曲をして五線譜(音楽に音符をのせるときに使う線のこと)に音符を描くところなど、一部のセリフが結構マニアックなところがあります。ここは見られる方で理解がわかれるかな、とは思います(私はエレクトーンを子供のときに習っていたので6級まで持ってます)。ただ、わからなくても漢字語なのである程度の推測がつくことと、「全体が実際の音楽」で勝負してくるので、「字幕に多少わからない点があっても全体として感動できればそれでよし」に結果なっている、そういう部分はあります。
2年ほど前に亡くなったとのことですが、とても気に入りました。
いわゆる「●●ベストアルバム」等がないなのかなどいろいろ調べてみたいところです。
なお、作品に関しては、特段の減点事情は見当たらないので、フルスコアにしています。