「なめてた案件」女子高生に殺されたい TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
なめてた案件
正直、『アルプススタンドのはしの方(20)』を観るまではお名前を認識していなかった城定秀夫監督。wikipediaでフィルモグラフィーを拝見すると、「R指定」高めそうなラインナップながらなかなかのご経歴です。存じ上げなくて申し訳ありませんでした。
今年に入り、今泉力哉監督とのコラボレーション企画『愛なのに』『猫は逃げた』が続けざまに公開され気に留めておりましたが、、、ある朝、見るともなしに見ていた情報番組で紹介されていた本作の舞台挨拶で、(本作主演の)田中圭さんが「日本映画史に残る作品」と。まぁ、テレビカメラが入る舞台挨拶ですから「派手な」発言が出がちなことも理解しつつ、そこまで言うならと、約3年半ぶりの新宿バルト9で鑑賞してまいりました。
そこでまずは総評としてですが、「実によく書けた脚本(原作未読ですが、かなり改変されているらしい)であり、最近の(私が観た)邦画では確実に上位にくるミステリー」だと思います。そもそも、邦画ミステリーは終盤の「どんでん返し」で誤魔化すものが多すぎますが、本作は次々に見せられる伏線に「この後どうなるのか」とのめり込み、どう回収するのか最後まで楽しめます。おそらく映画ファンウケする一本ではないでしょうか。
田中圭さん、大島優子さんの大人チームのしっかりした演技も然ることながら、高校生チームも皆さんハマっていて、やはり「主演もこなし確実に実績を積む」南沙良さんと「出演作も増え始め『由宇子の天秤(21)』では爪痕を残した」河合優実さんのバディが素晴らしい。後半の南さんの「(あの)目」や、クライマックスの河合さんの「必死さ」は強く印象に残ります。
個人的にバルトと相性の良くない私ですが、今回久しぶりに出向いて良かったです。田中圭さん、ありがとうw
ちなみに、「劇場公開限定」ということでポストクレジットシーンが付いております。これから観に行かれる方はどうぞお気をつけて。