生きる LIVINGのレビュー・感想・評価
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イギリス版生きる
何年か前に日本版の「生きる」を
観ました。
本筋は同じだけど、LIVINGの方は
1950年代のイギリスの為、空気感が違いました。
ウィリアムズ課長もどこか気品や風格があり、イギリスの街並みは当時の雰囲気が出ており、良かった。
余命を宣告されてから公園整備の案件を
何としてもやり抜こうとする姿勢は日本版と
共通しています。
死ぬ前に何か1つでも世に残ることを、
人に知られないことでも最後に何かしたい、
という気持ちは多くの人が持つはず。
役所ではなく会社で働いていますが。
課長と同じように、年数が経つと新人の頃の前向きさや希望だったりは徐々に薄れていくのを感じます。
自分が携わっている仕事が小さなものでも、取るに足らないものでも誰かの為になっている。腐らず取り組むべきだと、改めて思わせてくれる作品でした。
行き詰まったときは、「あの公園」のように
過去に努力したことを思い出すようにしたい。
ハッピーバースデーtoミイラ
ハッピーバースデーtoミイラ
は、
ミイラはゾンビに変わり、
バースデーソングはなかった。
それ以外は、
旧作とほぼ同じ。
本作の方が、
現代の観客や、
日本人以外の人たちに、
向いている?
ハリスさんの奔放さの描写や、
歌は本作の方が現代の観客に馴染みやすいかもしれない。
旧作では登場人物が、
多い分、
設定、セリフ、行動、
それを切り取るアングル等、
微に入り細にわたって、
仕掛けが巧妙だったが、
やり過ぎ感も否めない。
胃がんを背負ったキリスト、
宣告された日から生き始めた。
というセリフも新作にはなかった。
実は説明セリフが多い黒澤明作品。
好みは分かれるかもしれない。
生きようとする死んでいた男ぶりのインパクトは弱いが、
紳士らしい行動の根拠は静かなプライド、
という解釈も可能にしてしまう演出は、
頭を下げて周るカルチャーとは違って英国人らしいテイストで、全体の印象はかなり違うように見えた。
【蛇足】
本作の、
公園造成の必要性→
英国淑女の皆さんと子供達に必要?→
切迫していない→
主人公の都合→
お伽話に近い。
旧作の、
公園造成の必要性→
菅井きん率いるおかあちゃん達→
今すぐ作って!→
切迫している!→
世の為人の為→
リアリズム。
説明セリフとは、
プロットを進行させる、
または、
物語を動かすセリフの事。
不要な状況説明を説明セリフと名付けるとシナリオ作成作業進行上めんどくさい。
観て良かったと思える映画
黒澤明版は観ていませんが、面白そうと思い観ました。
余命宣告から人生を見つめ直し単調な生活から不器用ながら変わろうとする所や最後だからこそ何かをやり遂げようとする所良かったです。
主人公の意志が死で終わりではなく新人の部下に継いで繋がっていく事が主人公が生きた事の証になるかなと思いました。
出てくる人達が皆良い人達で観ていて不快な思いもせずに映画に入り込めました。
余命宣告を息子さん以外には言えるのに最後まで息子さんに言えないのが人間味があり、息子さんを思うと伝えてあげた方良いのではとも感じるし本人の伝えない理由も分かる部分がありなんだかやるせ無い感じになります。
ウィリアムズを演じるビル・ナイさんが素晴らしい役者で、観ていてウィリアムズを好きになりました。
心に響く良い映画を観たなと思える映画でした。
優等生だが薄味な作品
ミスター・ゾンビ
23-051
✖️リメイク ○アップデート
Mr.ゾンビ
黒澤明の「生きる」のリメイクで、1953年ロンドンの役所に勤める市民課課長が末期ガンで余命宣告を受けて巻き起こる話。
オリジナルは遥か昔に観賞してあらすじぐらいは覚えているけれどという状況で観賞。
ストーリー的にはオリジナルとを概ね踏襲している感じだけど、主人公を含め登場人物が皆ジェントルマンで生々しさが少なめだし、テンポが良すぎて慌ただしい印象。
まあ個人的見解ですが、本作に限らず黒澤明の作品はどれも間がたっぷりで弛いイメージがあるし、リメイク版の方が好みだったりする場合も多いですが…。
余命宣告を受けて豪遊しても埋まらなかった心の隙間が何か、気付かせてくれる人と出会い、打ち明け立ち上がり、当たり前のことが出来なくなっていた自分と向き合い情熱を注ぐ姿は、シンプルだけどこれで良いのだと思わせてくれる説得力がちゃんとあって面白かった。
心に染み渡る映画
落ち着いた美しさ
幸せな死を迎える為にやるべき事とは?
黒澤作品は観てませんが、気にせず着席。
ジジイのウィリアムズはロンドンの市役所の市民課の課長。普段から真面目に仕事に取り組んでいた。ある日、医者から末期癌で余命約半年の宣告を受けたウィリアムズは、最期の時間を楽しむ為に仕事をさぼって旅行に出掛け、そこで知り合った奴と飲み会で盛り上がる。しかし、いまいち満足度できなかった。そりゃそうでしょ、ジジイなんだもん、若い頃程、酒でテンション上がらないよな。もやっとしながら戻ってきて、偶然出会った部下の女子ハリスとお食事。周囲からはエロ親父に見えたらしい。俺なら孫と会ってる良い人にしか見えないのに。ただ、もし若い頃に会ってたら惚れてたかもね。ま、それは置いといて、ウィリアムズは市民の要望に応える為に仕事を頑張る事に切り替える。そしてラストへ。ん?こんな案件なのに議会で決定するんじゃないの?
病気の事を家族や職場に伝えられなかったり、仕事でも感情を抑えて周囲の共感を得たりと、とても優しい人で、ずっとジワジワウルウル。特にスコットランドの民謡を歌うシーンが良かった。めっちゃ上手いんだもん。
人生の最期に幸せを感じる為には自分の満足より他人の幸せに尽力する事が大切なのね。
全体を通してBGMもバッチリはまってて、心安らぐ幸せ映画でした。
人生の指針となる一本だがこの作品の手柄ではない
2023年劇場鑑賞76本目。
黒澤オリジナル版と、当時松本幸四郎(現在松本白鸚)版ドラマを鑑賞済ですが、細部はよく覚えていません。
一方、日本で好きなおじいちゃん俳優は國村隼と田中泯で、海外ではダントツにビル・ナイ好きな自分にとってはこの映画はマストでした。それについては文句なしの演技でした。
細部を覚えていないとの通り、「あ〜多分こんな内容だったな」という大筋通りで、自分が覚えていた一番有名なシーンがないまま先に進んだ気が一瞬したので「いや、泣けないだろこんなもん」と思ったのですが早とちりで、そういえばこういう流れでこのシーンだったな、とちゃんとそのシーンになってしっかり泣きました。
この映画、4:3のスタンダードサイズで、映像の質感も昔の映画をデジタルリマスターしたようななんとなく古ぼけた感じになっていて、時代も明言されていませんが誰もスマホを持っていないのでここ最近の話ではないのは見て取れます。UFOキャッチャーはあるのでオリジナル版よりは時代は後のようですが。(と思ったら他の方のレビューで1800年代からあると知って驚きました)
人が生きた証として、歴史に名を残すような偉業を達成したり、永遠に残るモノを作ったりする必要はなく、誰かの心に少し残るような事をちょっと頑張ってやればそれで十分なんだよ、という百年後でも通用するメッセージをこの映画はくれるわけですが、それはもうオリジナルの黒澤明版で語られていることであり、後は古い映画だからという理由で未見の人たちに繋ぐという事しかこの映画の手柄はないかと自分は思いました。
ビル・ナイありき / 映画の日に観た❗
カズオ・イシグロがビル・ナイにあてがきしたという脚本。英国紳士達の通勤風景は少年だったイシグロの心証風景を再現したとのこと。
ビル・ナイ素敵です。
ビル・ナイの歌声がとても素敵でした。いい声。名優は歌もうまいことが条件ですね。
マーガレット役のエミー・ルー・ウッドも生き生きとしていて、よかったです。おいらくの恋はせつないですなぁ。
難しい映画のリメイクで、しかも字幕だから寝ないかとても不安でした。
でも、大丈夫でした。
少し短めでしたし、ビル・ナイ、ピーター役のアレックス・シャープがうまいので引き込まれます。
ピーターは鈴木浩介に似てるなぁと思って見ていました。リメイクのリメイクを日本で今作るとしたら、ビル・ナイ役は老けメイクした稲垣吾郎ちゃんでイケるかも。マーガレット役は私的には大島優子かな?
大島優子にこのゾンビ野郎って言われたら、ムクムクと起きあがって復活する気がするから。
これは一人の人間の小さな一歩だが、社会にとっては偉大な一歩である。
〔生きる〕は1952年公開の
モノクロ・スタンダード
143分の尺。
この『黒澤明』の名作を映画館で観た人は
今時点で日本にどれくらい居るのだろう。
かく言う自分も
名画座の特集の時に一度きり
観ているだけなのだが。
しかし、その時の印象は強烈。
静謐な筆致の中に、生きることへの激しい情念と、
官僚主義への見事なまでの皮肉が
併存しながら描かれていることに深く感銘した。
ただその一方で、故人が成し遂げたことは
公共の福祉に資しはするものの、
自己満足的な
最後っ屁に近いものをちらりと感じた側面もあり。
翻って本作は、102分尺と40分以上短く、
アスペクト比は1:1に近いかも。
カラー作品ながら、セピアを感じさせる色調は
七十年前にタイムスリップしたかのような不思議な感覚。
また、日本の配給元である「東宝」のオープニングタイトルが
しっかりと出るのは嬉しい。
幾つかの置き換えをしながら
ストーリーは原典とほぼほぼ同内容の進行。
とりわけ、たらい回しや多忙なフリをして実質何もしないこと、
人の手柄を臆面も無く横取りする等のお役所仕事の閉塞的な態度は
洋の東西が違っても、何も変わらぬのだなと
ヘンに納得してしまう。
反社勢力の横槍のエピソードが無いことは
尺への影響か。
主人公『ウィリアムズ』の朴念仁的な性格と、
実は職場にも家庭にも居場所のない境遇は
十二分に伝わって来ることは変わらず。
しかし本作で脚本の『カズオ・イシグロ』は
原本には無かった要素を付け加える。
それは主人公の遺志を強く受け継ぐ者の存在。
彼はまだ若輩で、組織内での発言力は弱いものの、
長じれば必ずや組織に変革を起こしてくれるだろうとの
希望の仮託。
あれだけ固く誓ったにもかかわらず、
時が経てば従来と変わらぬ日常に戻ってしまう同僚と比して、
善行を一代限りとしてならぬ
メッセージを感じさせる終幕。
これで自分が感じていた違和感は
かなり和らぐ。
主演の『ビル・ナイ』のイメージは『笠智衆』だとは、
監督の『オリヴァー・ハーマナス』の語るところ。
確かに、肉々しさのある『志村喬』とは違った
枯淡の印象が本作にはある。
「ゾンビ」との表現は
言い得て妙だ。
『怒ってる時間はない』楽しく過ごしたい
人生における幸せとは
自分が余命半年だったらどうするのか。その視点で作品を鑑賞した。
ロンドン市役所の市民課課長ウィリアムズは、生真面目を絵に描いたような人間。仕事一筋でやってきたウイリアムズが、末期ガンであることを宣告される。
ウィリアムズは、家族にも打ち明けることができず、今までやったことのない夜の遊びに浸る。
ここまでの行動は理解できる。勝ち気な嫁の尻に引かれている長男に相談するのも気が引けるし、人生を楽しんだこともない。
その後の展開は意外だった。そっちの方に人生の意義を見出すなんて、日本人的な価値観に近い。そりゃそうだ、オリジナルは黒澤明作品なんだから。
蒸気機関車で田園地帯を越えて通勤する風景から始まり、場末の繁華街、公園のブランコ、全てが美しいショットで映し出される。
ウィリアムズのゆっくりではあるが、芯の強さを感じる喋り方が心に響く作品でございました。
やや妙な展開になっていて混乱しそう…。
今年109本目(合計760本目/今月(2023年4月度)4本目)。
原作映画とされる「生きる」は未鑑賞です。ただ「生きる」が何を意味するのかは、本映画は「参考にして作られた」とある通り基本的にはベースが同じのため、そのことはちゃんと出てきます(詳細ネタバレ回避)。
そして、こちらの映画は「原作映画の趣旨をいかしつつ」、舞台を「第2次世界大戦後のロンドン」にうつしたわけですね。ちゃんと上記にあるように「生きる」の意味については語られるので大丈夫です。
…ただ…。
この映画、御覧になった方はおわかりだと思うのですが、映画のストーリーの展開は、ロンドンかロンドン近くの市か何かの市役所(日本基準)の話で、日本でいえばちょうど「地方自治法」が相当しますが、その話をかなりしてくるところがあります(これはうちの課じゃないとか何とかといういわゆる「縦割り行政」のことなど)。映画内では一切これらの「法律ワード」は飛んでこないのですが(それどころか、この映画のストーリーの描写の大半をしめる「市役所の話」は結局、行政法(学問上の名前)であるものの、それも出ない)、その話が8割以上を占めるため、???な展開がかなり続きます。行政書士の資格を持っていても、さすがに日本以外の、それもイギリスの当時の地方行政(か、市役所の細かい課どうしの貢献度合いの競い合いの話?)をしても???になるからです(そんなことまで把握すると、試験範囲は莫大になってしまいます)。
ただ、資格持ちではあるので、「一応こういうことかな…」という推測はできてみることはできるものの、「生きる」というタイトル(および、原作を尊重してリメイク…)からはおよそもってわからない、「何とか課に申請を出すのだの出さないだの、手続きがどうだのこうだの」という話がかなりの量(8割以上?)出るので、???な展開のまま進んでしまい、これはちょっときついというか、肩透かしを食らったのではなかろうか…と思えます。何とか資格を持っていれば、「こういうことかな」という「推測はきく」ものの(それが正しいとは限らない)、本当にわかりづらいです(「生きる」というタイトルなのに、その「生命の在り方」といったことは残り2割以下にしか出てこない)。
なお、映画内で「アミューズメントセンター」として登場するいわゆる「ゲームセンター」の中で、主人公が俗にいう「UFOキャッチャー」らしき遊びをしているシーンがありますが、それはこの当時イギリスに存在していた模様です(各種の百科事典で確認)。
採点に関しては下記の通り、4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/ストーリーが妙な展開に飛んでわかりにくい点は否めない)
・ それでも17世紀や18世紀ではなく「第二次世界大戦後のイギリス」なので、「常識的な範囲で」日本の対応する法が適用されているのだろうという推測はききますが、その前提として「日本の対応する法」を知っていなければ応用もできませんが、ここで参照されているのは、結局日本でいう「地方自治法」や「行政手続法」といった細かい法律のことなので、そこまで守備範囲がある方は少ないのでは…と思えます。
※ なので、この映画、「行政書士会の推薦枠」なのか??と思ったのですが、どうも違うようです。
このあたり、もう少し字幕について配慮が欲しかったです(ごく一部で法律ワードも飛びかうし、「生きる」の問題提起がされるところ(ネタバレ回避。およそ中盤あたりです)までに「理解で力尽きる方」が一定数出ても、これは仕方なし、のような気がします(なぜにこんなマニアックな字幕にしたのかが謎…。行政書士会が貸し切って映画を見るということでも想定したんでしょうか??)。
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