生きる LIVINGのレビュー・感想・評価
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ナナカマドの木
生きる目的
まさに生きる目的を考えさせてくれる作品。
主人公ウィリアムズの気持ちが凄くよく分かる。仕事に生きてきて、なんとなく生きる目的もよく分からなくなり、残りの人生を考えたときにどう遊んで暮らすかへ。
そんなときに、マーガレットのバイタリティに魅せられる。そう、マーガレットですよ。ああいう人ってほんと確かに居て、うらやましくなる。
触発された彼が最後にとった行動にも感動。手紙にあったように確かに大きな仕事ではなかったかもしれないが、彼は確かに生きた。そしてお手本となった。
ただ、面白いのはお手本にして仕事をすることを誓った部下たちが、やっぱり行動に移せないこと。その気持ちもよく分かり過ぎて、そうなんだよなぁ・・・と思う。そこが手紙の意図に繋がって、生きる価値を考え続けることを色あせさせないところがまた、ウィリアムズが生きた証。とにかくいろいろ考えさせられた良作だった。
黒澤明作品がリメイクされない理由
が分かった気がします。どうやったって超えられないからですね。せっかくのカズオ・イシグロもあんまり色を出し切れていないような。黒澤版そのままな感じがしちゃって間違い探しをし始めちゃう。市民課に苦情を言いに来る奥さん連中がたいそうな淑女で何だこりゃと思ったら現場ではカーラー巻いたままでちゃんとお母ちゃんなのね。当時のイギリスはこんな普通の庶民でも出かけるときはゴージャスにおしゃれしちゃうのね。こんな小さなことをとっても黒澤だったらさ〜と知りもしないのに黒澤明を語りたくなっちゃう。あと何より命短し恋せよ乙女が無いのは痛いよね。あれをおじいさんがボソボソ歌うってところに悲哀滑稽打開この映画のすべてが詰まってたからね。
余命半年は短いか
じわじわと
心で仕事をする
成長譚的な
ビル・ナイの名演が染みる。自分も「生きよう」と思える。
黒澤明の「生きる」のリメイク。
1953年のイギリスを舞台にしている。
カズオ・イシグロがシナリオを担当したことも話題になった。
手堅くまとめた印象。
ロンドンの役所で働くロドニー・ウィリアムズが、末期がんを宣告される。彼は生きる意味を求めて街をさまよう。そして、偶然、元部下のマーガレットに出会う。彼女は役所をやめて転職することになっていた。
ロドニーは、彼女の明るさに生きる意味を見出す。彼女に、仕事に戻るように促され、ロドニーは役所に戻り、今まで放置していた仕事に取り組む。それはたらいまわしにされていた公園事業だった。
本作では、いわゆるお役所仕事から抜け出す事は容易ではないということが描写される。ロドニーは、人生の最後に公園事業を成し遂げるのだが、それは小さな仕事であり、いずれ忘れ去られる。しかし、それは彼が生きた証であり、感謝している人もいる。ロドニーの部下たちも彼の姿に感動し、自分たちもロドニーのように生きようと誓う。ただし、時が流れるともとのお役所仕事に戻っている。現実はそういうものだ。
それでも、生前のロドニーの「生きることなく人生を終えたくない」という言葉は大切で、人はそうあるべきだろう。
黒澤明の「生きる」が名作であることに異論はないのだが、なぜ70年後の2022年にイギリスでリメイクする必要があったのだろうか。完成度は高いと思うが、必然性の点で理由が思い当たらなかった。「生きるという事は、ただ人生を過ごすのではなく、輝いて生きることだ。」というメッセージはあまりにも普遍的で、「なぜ今なのか」という問いに対して理由を探すのが難しい。
それとも、2023年に「異人たちとの夏」がイギリスで「異人たち」として再映画化されたことを考えると、イギリスで日本映画のリメイクがトレンドになっているのだろうか。
製作費は不明。興行収入は10億円。赤字なのか黒字なのかわからないが、大ヒットはしていない気がする。売れるから作っているわけではないのかもしれない。
独特のカメラワークが印象に残った。オリジナルもこういうカメラワークだっただろうか。奇をてらっているというよりは、なにかに似せようとして作っている構図のように見える。
カズオ・イシグロが原作をどのように変えたかはわからない。
ただ、熱意もなく、ただ働くだけだった主人公のロドニーについてマーガレットがこっそり「(生きているのに死んでいる)ゾンビ」というあだ名をつけていたところなどは、「生きるとはなにか」を問うカズオ・イシグロの作風とマッチしていると感じた。
なぜ今この映画を作ったのかわからないと書いたが、こういう映画を観て、生きるということを考えるのは大切だ。
お役所仕事はどこも同じ、今でも
黒澤明の「生きる」をイギリスでリメイクした作品で、脚本はカズオ・イシグロ。
主人公(ビル・ナイ)は市役所の市民課の課長で、何も仕事をしないで生き延びてきた。
ところが医者からがん宣告を受け、余命を告げられる。
無断欠勤して慣れない遊びをしてみたが・・・。
お役所仕事はどこも同じだから、感動も同じくやってくる。
この作品が作られる切っ掛けは、プロデューサーとカズオ・イシグロが食...
黒澤明監督 の「生きる」が ノーベル賞作家 カズオイシグロ脚本 で...
紳士
1953年ロンドン。役所の市民課に若いピーター・ウェイクリングが配属され、ロドニー・ウィリアムズ課長は彼に婦人たちの陳情を担当させる。しかし、それは役所内でたらいまわしにされていた案件だった。そんな時ロドニーは、末期がんで余命半年と宣告される。彼は無断欠勤をし、遠くの海辺の酒場で騒いだり、元部下のマーガレットと会ったりして残りの人生を楽しむ。そして彼は気付き、人が変わったように皆を動かす。
黒澤明の名作を、カズオ・イシグロが脚本、ビル・ナイが主演でリメイク、と偉大な名前が連なっています。オリジナルは、かなり昔に観て大部分は忘れていました。ただ、リメイク版の方が今の人には良いと思う気がします。もう一度、オリジナルを観なくては。
当時の役所の課長に、良いんだけどビル・ナイは少し歳が高いかな。
この時代に、ゾンビという言葉があって、クレーンゲームもあったのかと意外でした。
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