生きる LIVINGのレビュー・感想・評価
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Re-Appreciate the Original
A quaint retelling of the Kurosawa film. It is rather wholesome compared to most other films released today. As a period piece it's a convincing dress up of post-war London. Compared to the original the film, it has more to say about life based on the characters surrounding the lead public works officer. One could hope this studio will try it again with another Kurosawa classic reset in London.
見事なリメイク
こんなに見事にリメイクできるとは。余命を宣告された男が人生を見つめなおすという物語は、オリジナルの『生きる』をはじめとして大量に存在するが、このように抑制を効かせて静謐なタッチで描けば今なお有効な題材なのかと驚いた。
主演のビル・ナイが本当に素晴らしい。イギリス紳士のあるべき姿(それはもしかしたらすでに現実には失われているかもしれない)を抜群の存在感で演じ切っている。公共事業と福祉が手厚かった頃の「古き良き時代」を築いたのはこういう人だったのかなと思わせる。
人生を悔いなく生きるというのは、誰にとっても切実な問いだ。後悔ないように生きたいと誰だって思うが、それを叶えるには他者との関係、社会との関係、その他多くのことを見つめなおすことから始まる。息子や同僚との個人的な関係を見つめなおし、陳情に耳を傾け社会との関係を見つめなおし、雪ふる公園のブランコから世界を見つめ直す。人と社会と世界との関係を正しく描いた傑作。
巧みな脚色。そしてビル・ナイの俳優人生に燦然と輝く見事な名演。
非常に心を打たれる映画だった。オリジナル版と同じ志を持ったストーリーでありつつ、本作独自の、例えば列車通勤の一場面を用いて勤務先での序列や風土をかくも巧みに表現してみせる手腕は見事だ。ウィリアムズ氏は口うるさくもないし、不愉快な人でもない。しかし部下たちは誰もが、そうすることが礼儀であるかのようによそよそしく壁を作る。こうした古い階級社会のしきたりを突き崩し、皆が一丸となって自分以外の誰かのために身を投げ出して事を為そうとする衝動に「生きる」の本質を見た。「ゴンドラの唄」に代わるスコットランド 民謡の響きと、それを掠れ気味に切々と歌い上げるビル・ナイのたたずまい。それでいて部下を従え「さあ、いくぞ」と雨の中を飛び出していく気高さ。カズオイシグロの脚色もさることながら、ケープタウン生まれの監督の演出が冴え渡る。元々のトルストイの要素も相まって、世界が共有しうる力強い普遍性を持った傑作である。
カズオ・イシグロ×ビル・ナイによる"そうなる前の人生の教科書"
これは多分完璧なリメイク映画だ。黒澤明が1952年に発表した『生きる』を同じ時代である1953年のロンドンに置き換え、末期がんに冒された初老の公務員が残り少ない人生をどう生きたか?そのプロセスを黒澤版が143分の長尺で描いたのに対して、今回のイギリス版は103分で駆け抜ける。でも、見終わると40分を端折った感じがまるでしないのだ。
オリジナルの細部を削ぎ落とし、そこにいかにもイギリス映画らしい洒脱さを書き加えたのはノーベル賞作家のカズオ・イシグロ。黒澤版が1枚のレントゲン写真から物語が始まるのに対して、イシグロ・バージョンは市役所の若い新入職員が先輩たちと乗り合わせる朝の通勤列車に、仏頂面の主人公、Mr.ウィリアムズが乗ってくるところから始まる。そうして、周囲から距離を置いて見られていたMr.ウィリアムズが、人知れず自分の死を察知した時、誰も想像しなかった行動に出ていたことが判明する時、特にこの映画を観た若者たちに対して、人生に限りがあることを強く訴えかけてくるところが新鮮だ。
誰だって若い頃は希望に溢れ、社会に貢献したいと思っているはず。でも、やがて時の経過と共にそのような熱は日々のルーティンと共に消え去り、気がつくと、ただの組織のコマに成り果てている。黒澤明のマスターピースに敬意を表しつつ製作された『生きる LIVING』は、そうなる前に観ておくべき人生の教科書。Mr.ウィリアムズを演じるビル・ナイの端正で押し付けがましくない存在感が、珠玉のテキストに説得力を加筆している。アカデミー賞は逃したけれど、ビル・ナイって凄い!そう感じるファンは多いに違いない。
上品な作品でした
オリジナル作品は未鑑賞。やりすぎない演出、静寂さがあり日本人にも受け入れやすいリメイクだと思いました。余命宣告されても、はちゃめちゃに生きられない主人公は日本的でしたね。良く言えばお行儀の良い上品な作品でした。
美しい画と静謐なストーリー
映画館で観ておけばよかったと悔いるほどに美しい画と静かなストーリーに胸を打たれた。
初めから終わりまで、オールドムービーのような静謐さがあり、寡黙で朴訥した台詞の数々は流石小説ありきの映画だと感じた。
もの悲しいが、悔いのない。
心の中から時々拾い上げ思い出したい。
物語の緩急こそないものの、淡々と、しかしながら真摯に生きる人達を描いている本当に美しい映画であった。
人生の意味を問いかける作品。日々の単調な業務を超えて、自らの意思で...
人生の意味を問いかける作品。日々の単調な業務を超えて、自らの意思でプロジェクトを完遂し、人々に喜びを与える姿は、ただ義務をこなすのではなく、自分の仕事に価値を見出し、積極的に行動することの大切さを教えてくれます。
ストーリーや映像、すべてが綺麗
命というものを考えさせてくれる作品。
生命の限界を知った時、最高の人生の過ごし方は人それぞれあるはず。
そして自分次第で、いつでも人生は変えることができる。そう改めて考え直すことができるような素敵な作品だった。
全ての人に訪れる死ぬということ。 それに向かいどう生きるかという重...
全ての人に訪れる死ぬということ。
それに向かいどう生きるかという重いテーマだが、観終わった後に残る何とも言えない幸福感と喪失感。
じんわりと心に染み入る感動作。
主演のビル・ナイの演技、声がすごくいい。
劇中の音楽も素晴らしい。
黒澤明版を観てからこちらを観るべきだったと後悔。
ビルナイの笑顔がかわいい
昨日アバウトタイムを観て、ビルナイ作品が観たくなり鑑賞。
やっぱビルナイいいわー。
作品によって全然違う人になる、ビルナイの
肩の力の抜けた演技と、空気感がクセになる。
ラブアクチュアリーの時の破天荒ロッカーのビルナイもめっちゃ好きだけど、ど真面目で淋しげだけど、時折り見せるとびきりチャーミングな笑顔が武器のビルナイもめっちゃ好き。
物語の後半はずっと泣きっぱなしで、本当に映画でした。
本家の方もすぐ観なきゃ!
美しかった。リメイク元が気になる
大変美しい映画だった。
リメイク元の黒澤明の映画をこれは絶対にみた方がいいだろうなと思った。
たぶんまたもっと違う感想を待つと思う。
あとさらにその元になったというトルストイの本も読んでみたい。
良かったけど期待しすぎた
主役の俳優さんがとても品があってめちゃ格好よかった
たたずまいが最高
映画館でじっくり観たかった
きっともっと泣けたはず
お話は古典的な話
でもよかった
黒澤作品は未視聴
ナナカマドの木
2024年5月8日
映画 #生きる #LIVING (2022年)鑑賞
ロンドンで役所の市民課長としてお役所仕事の日々を送るウィリアムズ。不治の病で余命半年と宣告され、人生を見つめ直し、それまでタライ回しにしていた母親たちからの陳情と真剣に向き合う
#黒澤明 の #生きる のリメイク
黒澤版には敵わないな
生きる目的
まさに生きる目的を考えさせてくれる作品。
主人公ウィリアムズの気持ちが凄くよく分かる。仕事に生きてきて、なんとなく生きる目的もよく分からなくなり、残りの人生を考えたときにどう遊んで暮らすかへ。
そんなときに、マーガレットのバイタリティに魅せられる。そう、マーガレットですよ。ああいう人ってほんと確かに居て、うらやましくなる。
触発された彼が最後にとった行動にも感動。手紙にあったように確かに大きな仕事ではなかったかもしれないが、彼は確かに生きた。そしてお手本となった。
ただ、面白いのはお手本にして仕事をすることを誓った部下たちが、やっぱり行動に移せないこと。その気持ちもよく分かり過ぎて、そうなんだよなぁ・・・と思う。そこが手紙の意図に繋がって、生きる価値を考え続けることを色あせさせないところがまた、ウィリアムズが生きた証。とにかくいろいろ考えさせられた良作だった。
これはこれでいいと、思うけど
オリジナルのインパクトには、負ける。仕方ないけど。
40分も短いと引き算すぎて薄味だし。
これだけ見ても、ふーんな気もする。
でもでも、ビル・ナイがめちゃくちゃ渋かったので。
見た甲斐は、あった。
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