生きる LIVINGのレビュー・感想・評価
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ストーリーはおなじみなので技術的な側面から
2022年に作られていながら、1950年代前半のロンドンのお話という設定のためか、いかにも1950年代に作られた古い映画のような色合いで作られているところが凄い。オープニングはおそらく当時のニュースフィルムを使っているのかもしれぬが、まったく切れ目なく自然に本編に入っていくのが斬新。ちょうど、NHKの「タローマン」が1970年代に放送されたという設定で映像化されているのと同じ手法だ。
主人公の課長は、70代後半に見えたが、1950年代のロンドンの定年っていったいいくつだったんだろうか。あんなに老けてはいないとは思うが。
ただ、時間配分が残念
「オットーという男」が良かったので「人生の終焉(シリーズ)」ということで鑑賞してみました。結論から言うと「(自分的には)今ひとつでした。前半(途方に暮れるところ)のグダグダが長すぎた感」がありました。もう少し前半のグダグダを短くして、後半の頑張り部分を長くして欲しかったです。俳優の演技はよかったので、ただそれだけが残念でした。
余談
どの国もお役所仕事はだめですね。できることなら顧客(納税者)評価の仕組みを組み入れて、納税者評価の低い組織の給与を下げて、納税者の評価の高い組織の給与を上げる等の仕組みを取り入れないとお客所は改善されないと思います。(⇒お役所の総給与支給額をかえないとう前提での、単なる一案です)
<主な基準(今後のためのメモ)>
4.5 観て良かったと感じた映画
4.0 おすすめできる映画、何かしら感慨を感じる映画
3.5 映画好きなら旬なうちに見てほしい映画
3.0 おすすめはできるが、人により好みが分かれると思われる映画
素晴らしい作品。本家も観たくなりました
1953年イギリス、ロンドン。役所勤務。
あんな感じなのかー、と。
脚本として誇張してるとこもありそうだけど、通勤風景とか興味深かった。
案件を部署でたらい回しにしてしまうところ。人生、いつ何が起きるかわからないこと。家族とのギクシャクした関係とか。現代でもどこにでも誰にでも起きうることですね。
主人公が自分の作った公園で満足そうにブランコに揺られているところ、最期まで息子に何も言わずにいたことなど、、とても胸が熱くなりました。
あらためて黒澤明監督の作品がとても観たくなりました。
小役人から英国紳士へ
泣ける映画を1本を選べと言われたら黒澤明のこれを選ぶ。「いーのちみじぃかしぃ」とブランコに揺られながら口ずさむ志村喬の哀愁漂う姿を思い浮かべるだけで落涙できる自信がある。とは言え、レンタルのVHSで最後に観たのが30年ぐらい前だから展開やディテールはそれなりにうろ覚えだったのだが、今回の英国版リメイクを観て記憶が蘇りつつ、案外原作に沿った話運びをしているのだと思った。
舞台を1950年代の英国に置き替え、カズオ・イシグロが得意とするノスタルジックな雰囲気が映像や音効でしっかり表現されており、安心して観られた。まあ、日本人なんで当時のホントのロンドンはわからんのだけど…。
背中を丸めた志村喬の小役人・小市民風情は、ビル・ナイだとシュッとしすぎだろと想像していたが、実際元々しょぼい人物とは設定されていない印象。志村が夜遊び・女遊びとは無縁で退屈で無難なだけの人生を送ってきたのとは違い、ビル・ナイの場合は死期が迫っていなければ、こう見えて私も若い頃はねえとか、リスのような前歯でおちゃめ感あるよいキャラだった部下女子をマジに口説き出しそう。スコットランド民謡のナナカマドの木もゴンドラの唄に比べて曲調にハリがあり、ビル・ナイの背筋がより伸びそうである。
急にやる気出て公園作りに邁進しちゃう転換点が曖昧に思えたし、部下男子への手紙とかも立派すぎる気もしたのだが、それでも真っ当すぎる助言に今作でもつい落涙してしまった。
生き始めた人生に
モノクロの日々を淡々と生きる男が余命宣告をうけ、残りの人生のしっかり生きようとする物語。
無愛想で周囲からも煙たい目で見られ、この上ないお役所仕事な主人公ウィリアムズ。余命僅かと知り、仕事をサボって飲み呆けてみても心は埋まらず。。
そんな中、新しい職場で頑張る元部下と再会し、何かを感じた彼が選んだ生き方とは…
ウィリアムズの選択に心を打たれると共に、自分自身の生き方についても見直しさせられるドラマ作品。
自分自身が同じ立場だったら…
最後の努力をするどころか、開き直って遊び呆けたり、引きこもったり…多分それすら出来ずに淡々と出勤しちゃって終わりかな(苦笑)
それに加え、ただただキレイに描くだけではなく、言うなれば白々しさすら感じさせる程のリアルを描いている点がグッド。
誓いを立てよう!…って言ったってね、同僚の皆の姿…あれが現実ですよね。
そしてウィリアムズの言う通り、これは後世に永劫刻まれるモノでもないというのもまた現実でしょう。
それでもモノじゃなく、たった一人でもピーターのような人が出てくれたのなら…それこそが彼の残したものなんじゃないかな〜と思ったり。
またそれだけでなく、粉雪の舞うなか幸せそうにブランコに揺られる画や雰囲気の美しさも特筆モノ。
そんなこんなでも、明朝目が覚めればきっと嫌々出勤するであろうワタクシ…
まだ時間がある今だからこそ、チャンスを逃さず生きないといけませんね!
シンプルにも心を打たれる名作だった。
動くぬいぐるみの完コピ度に驚嘆!
オリジナル版『生きる』のどこがクールかと云えば、やはり後半の葬式からの展開に尽きるだろう。それまで主人公視点でリニアに物語を運んできたのに、いきなり本人の遺影の大写しからのけれん味溢れる展開は、観ていてどうしても前のめりになってしまう。何故なら我々が最も知りたい主人公のミステリアスな動向は、葬式に集まった人々の語る断片的な証言に頼らざるを得ず、不在の故人の物語を我々観客が補完する作業は、あたかもその葬式に列席して積極的に故人を悼み懐かしむような不思議なカタルシスを味わえるからである。で、この葬式の会話劇がたっぷり小一時間くらい続くのだが、『Living』の方は意外とあっさり終わってちょっと拍子抜けした。かなり冗長なオリジナル版の尺を刈り込む目的もあるのだろうが、まあ結果的に観やすくはなっていたので良しとしよう。あと、中盤の「悪所巡り」の場面も忠実にトレースされていて、非常に好感が持てた。
LIVING DEAD
原作は未チェックです。
こむずかしい話かな?と思ってたら観やすかった。
原作が日本ってのに納得で、実に日本的な話だな…と思いながら観てました。
いい話なんだけど、ありがち?かな…
これの原作が引用されてるのかもしれませんが…
ザ・モッズが、
俺は逃げない 絶対逃げない
死んだように生きるなんて
って歌ってたの思い出した。
50年代のロンドンが舞台ですが、街並み、2階建てバス、ファッション、などなど、とてもオシャレでした。
歓楽街が出てくるけど、ソーホー?
『ラストナイト・イン・ソーホー』が好きなので、勝手に決めつけてテンション上がった(笑)
最後の方、少し退屈かな?ウトウトしちゃいました…
もう1回観たいです。
美しい映画
生きる喜び、生きる醍醐味って意外と小さいことで得られるのかもしれない。そんな思いになった映画でした。
喜びは人によって違う。
刹那的な快楽で幸せを感じる人もいれば、
人のために役立ったというたったひとつの思い出だけで、それまでの人生が悔いだらけであっても満足できるのかもしれない。
夜の遊び方を教えてくれた見知らぬ彼も、生きることの意味を考えただろうし、
生き生きとした姿で魅了した彼女もまた、一人ひとりが生きる人生のあり方を学んだのでしょう。
また最後の同僚たちの姿も、またすごくリアル。
皆、一時自省をしながらも人生はそうやって続いていく。
見た私も、自分や自分の家族、大切な人が最後大切な思い出を胸にできればいいなと涙を流して思いつつ、きっとすぐに日常に戻っていくのだな、と思う。
刹那、素敵な、美しい映画でした。
満足して逝く事こそ望ましい死に様
アカデミー賞候補と言う前振りと、レビューの評価が高いので劇場へ観に行った。
ビルナイ扮する市役所市民課課長ウイリアムズは、典型的な公務員よろしく真面目だけが取り柄で過ごして来たが、ある日末期癌と宣告された。
そりゃあ茫然自失となって当たり前だろうなと思った。しかしウイリアムズは自分を振り返り、突然目覚めた様に縦割り行政の極みを調整していく。後半まで観て、何となく志村喬版生きるを思い出した。誰しも死に様は分からないが、満足して逝く事こそ望ましい姿だろうね。
足りないものを補って逝く
胸熱と言うよりは胸痛ですがとても感動的なストーリー、オリジナルを観たくなった 家族には言えんけど赤の他人には言えるっていうのも気持ち分かる ナナカマドの木を唄いながらブランコに乗るシーンにはもう涙が... 亡くなる前は正反対の性格になったり意外と人の死って謎が多いもんだなと思ったことがあるので、徐々に明らかになっていく構成も順序がちょっと変わってるけど刺さりまくり 1950年代の雰囲気や映像、ピアノのBGM、ファッションやエンドロールで流れる昔の映画みたいな字体も全て良かったです
原作も見たくなります。
黒澤監督の「生きる」は見ていませんが
原作を是非見たいと思う映画でした。
お役所のタライ廻しやクレーム婦人会
など、やや日本的な脚本にも笑える
イギリスでも、役所はこうなのだろうか
主人公も紳士的、渋くてカッコイイ
ストーリーの展開も良くお勧めできる
良作な映画でした。後半の展開は特に
色々と想像させられて良かったです。
ただ、個人的には年齢も近いので
他人事とは思えない。
ここまで直截なタイトルも珍しいです。しかし優れた物語は青臭い命題もしみじみと考えさせてくれるものです。映画館の暗闇で浸るのにふさわしい良作といえるでしょう。
本作は数ある黒澤明監督の傑作の中でも、指折りの一本である「生きる」の英国版リメーク。黒澤と橋本忍、小国英雄の脚本をノーベル賞作家のカズオ・イシグロが脚色、日本ではなじみがないが国際映画祭では常連のオリバー・ハーマナスが監督しました。
そびえる高峰に挑んだわけですが。頂にたどり着いたかはともかく、その精神は間違いなく受け継がれていると思います。生きることなく、人生を終えたくない。死を前にした男の痛切な気持ちは洋の東西も、時代も超えます。名作をなぞっただけではない、意味あるリメイクといえます。カズオと73歳の主演俳優、ビル・ナイは米アカデミー賞の候補にもなりました。
筋立てやエピソード、構成は黒澤版をほぼ踏襲。ただこちらの基調はリアリズムで、紳士然として感情を表に出さず人を寄せ付けないウィリアムズの苦悩を、ビル・ナイが抑えた演技でにじませいました。
舞台は第2次大戦終結から久しい1953年のロンドン。市役所の市民課に新人ピーター(アレックス・シャープ)が着任してきます。課長のウィリアムズ(ビル・ナイ)はじめ同僚たちは、問題先送りが仕事のようです。
ある日、子どもの遊び場建設を求め、広場の排水改善を陳情に来た女性たちの案内を命じられたピーターは、役所の中をたらい回しにされて市民課に戻り、書類は保留の棚に放置されてしまうのです。それが役所の日常でした。
お役所仕事にどっぷりつかっていたウィリアムズが、体調の異変から診察を受けたとき、医者からがんで余命が短いと告げられます。彼は絶望し、人生を見つめ直そうと職場を欠勤し、夜遊びにふけますが満たされません。自分の人生の空虚さに打ちのめされるのです。けれども、かつての部下マーガレット(エイミー・ルー・フド)と再会し、人生を謳歌する自由な生き方に刺激されて、職場復帰。廃虚を子供用公園にするために行動を開始するのです。
物語の内容も構成も、オリジナルと細かな描写も重なる部分は多く、キザな帽子やウサギのおもちゃなども出てきます。もちろんブランコも。あえて変えなかったところに、イシグロやオリバー・ハーマナス監督の黒澤作品への敬意を感じました。
ストーリーはオリジナルに忠実ですが、舞台設定や主演俳優のアプローチの違いによって、かなり印象の異なるリメークになりました。狂気すら感じさせた志村喬のギラついた芝居と比べると、いかにも英国紳士然としたビル・ナイのたたずまいはずいぶんお上品に映るのです。
オリジナルで志村喬が演じた主人公は猫背でしょぼくれているのに対し、リメイク版の主人公は背筋を伸ばして威厳があり、周囲から一目置かれています。しかし、余命が短いと宣告された後のうろたえぶりは同じです。最も近しいはずの息子にも打ち明けられない。一人立つナイの姿から、圧倒的な孤独がにじみ出ます。
ナイの演技は、志村喬よりも抑制的に見えます。これについてプロデューサーの一人であるスティーブン・ウーリーは、「面白いことに、日本の笠智衆さんからインスピレーションを得ています。イシグロが笠さんのようなストイックな演技を求めたんです。その方が英国人気質にも近いのではないかと感じました」ということで、笠智衆からのインスパイアだったことを明かしています。
だったら小津安二郎監督の「東京物語」のリメイクはどうだろうと水を向けると、「『東京物語』は女性の人権についての物語です。小津や成瀬巳喜男は、結婚によって女性の人権が失われることを、女性の視点から描いている。素晴らしいと思います。これは、英国に置き換えることは出来ません」とのことでした。残念!
さてウィリアムズが「生まれ変わる」後半の重要シーン。オリジナルでも黒澤監督の才気がほとばしる、出色の場面でした。今作でも見どころです。
しかし作品全体から受ける印象は異なります。脚本を手がけたカズオ・イシグロの筆致は穏やかで、夢中で遊ぶ子どもの姿に仮託し、生きるとは何かと問いかけ、人生がすり切れていく悔恨をにじませる。ノーベル賞作家の面目躍如のところ。
また抑制の利いたビル・ナイの演技と言葉の力は、抑制されたナイの人生の悲哀を味わわせ、見る者の胸に静かに染み込んでくるかのようなのです。
エイミー・ルー・ウッド演じる、はつらつとした元部下の女性とのエピソードもどこか軽やか。50年代のロンドンの街並みや衣装も素晴らしく、日本映画のリメークでありながら、イギリス映画としての見応えもある作品に仕上がっていると思います。
気になるところは、セリフがない間をたっぷりと取り、叙情的な音楽を使って情感を盛りあげてゆく演出は時にけれんが目につきます。黒澤版を意識して力が入ったのでしょうか。ただウィリアムズと息子夫婦の関係や役人気質は現代でもさもありなんと感じられました。そして映画が訴える、人生を充実させるのは自分次第なのだというメッセージは、陳腐には見えずいささかも古びません。
「人生の意味」は芸術表現の普遍的な主題といえるでしょう、ただ、ここまで直截なタイトルも珍しいです。しかし優れた物語は青臭い命題もしみじみと考えさせてくれるものです。映画館の暗闇で浸るのにふさわしい良作といえるでしょう。
オリジナルは1952年に公開されまし。日本は復興の途上にあり、人々は貧しかったのです。同時代を生きた40歳代の黒澤監督は、役所という冷たい組織、ひいては社会そのものに対し、厳しい視線を送ったのでした。
終戦間もないという時代設定は同じでも、今作は復興を終えた現代からの視点が加わる。最終盤、語る順番を少し変えたことで、作品の印象は少し違ったものになりました。人は変わることができのるだ、そんな普遍的で前向きなメッセージを受け止めました。
「THE END」
黒澤映画を
カズオイシグロがリバイバル。
このキャッチだけでも基本評判OKなんだろうが、
残念ながら僕は実際に観て感じることが全てな質故
ご鑑賞
結論から書くと、晩節を汚しに汚しまくって去っていく
中高年が多い現代に再び紳士とはを見せてくれる映画でした。
生憎まだ、黒澤映画の生きる🎞️を観てないので比較できないが、観ながら浮かべた。宮仕武士の葛藤姿とは違い
黒澤映画も同じく役人ベースだと知り驚いた!
不思議な映画
不思議なシナリオで演出。
もっと劇的に描こうと思えばいくらでも出来たのにあっさり終わる。しかし、少し感動している。
音楽が良く、より壮大に演出している。助手の人達が結局変わらないのは皮肉なのだがそれもまた面白い。
命短し恋せよ乙女
まさにその通り。
古き(良き?)イギリス紳士たち。
外見はかっこいいけど、実はリビングデッド。
お役所仕事って日本だけじゃないのね。
うんざりするような窓口たらい回し。
仕事するふりをして一日を過ごす。
死に直面して初めて、あれ?生きるってなんだっけ?
自分生きてる?って気付く。
キラキラした子ども時代。キラキラした恋愛。キラキラした夢があったはず。
それがいつの頃からか毎日をやり過ごすだけの
お役所の中で卒なく時間を長らえるだけのゾンビになっていた。
元部下の女性の不器用ながらも頑張る姿がキラキラして見えたのだろうか。
それにすがるようにして彼は生き返った。
生きて仕事をした。
その彼の姿を見た者達は?変わるのだろうか??????
郷愁漂う映像がもの悲しく、胸が詰まった。
新しい道しるべと誓い合った胸の内!!
今までお役所仕事でMr.ゾンビと
あだ名を付けられるくらいだった老紳士が
マーガレットがキラキラ輝くように働く姿を見て、自分が若い頃、子ども時代に時間を
忘れて日が暮れるまで公園で遊んだこと、
仕事に熱中していたことを思い出したように見えました。
そして、自分自身のかつての姿がそこにあったこと。
土砂降りの雨のなか、びしょ濡れになって傘をさす場面、御婦人たちが役所に持ってきた
嘆願書を持ち時間も気にせずいつまでも
待ち続けるウィリアムズ。
亡くなってから知り得たウィリアムズの心意気を知った息子さんたち。
教会のステンドグラスから差し込む仄かな光
公園の揺れるブランコ。
しっとりとした歌声。
地面にしみ込んでいく雪
ひっそりと生涯を閉じたウィリアムズは
私たちに温かい灯火を与えてくれたストーリーでした。
やはり、父と息子は。。。。
生きるとは?
行動する事。
奥さん、お嬢さん居ないと家の中が、うまく回らない。
他人の方が本音言える。。。
亡くなった後の振り返りシーン良かった☆彡
電車の中で、誓ったはずななのに
日常に流されると。。。。
こうなっちゃうんですね。
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