劇場公開日 2023年3月31日

「懐古趣味だけの映画にあらず」生きる LIVING やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5懐古趣味だけの映画にあらず

2023年4月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

映画の冒頭でまず驚きましたのが、この映画は近年、私達が映画館で見慣れた横長の画面ではなく、スタンダードサイズと呼ばれる映画黎明期で主流であった横縦比4:3であったことです。この画面は懐かしきブラウン管テレビの画面サイズでもありましたので、とりあえずこの時点で個人的には40年弱タイムスリップし懐古趣味的な優しい気持ちになりました。

黒澤明監督作品、傑作とも言われ海外でも高い評価の「生きる」が原案となってるそうですが、残念ながらまだそちらは鑑賞しておりません。

ほぼ同年代(戦後直後)のイギリス、ロンドンのお役所が舞台ということですが、正確な時代考証もさることながら、まるでその当時実際カメラを回して大量に撮りだめだフィルムを再編集し、現代の技術を駆使して画像修復もしました・・・のと見間違う様な、レトロチックなその空気感さえ再現できているのは驚嘆に値します。

リメイクじゃなく、50年くらい前の名作映画のリマスター版リバイバルと勘違いしたくらいです。

また単に古き良き時代を懐かしむ映画じゃなく、官僚主義、お役所主義、格差社会における社会的弱者の存在、父と子の確執などなど・・・現代社会にも通じる重いテーマを深く掘り下げつつ「いかによく生きるか」という人生の普遍的テーマに帰着させ、映画というエンターテイメントに昇華させているのは見事でした。

日々の仕事に忙殺され、いわゆる会社人間になり家庭を顧みなくなる・・・とはいえ仕事では保身が第一で弱者に目を向ける余裕さえなく現状維持で精一杯・・・私も会社で家庭でリビングデッド?って状況なので彼の心情とのシンクロは意外にも容易でした。

共感しかないです。歌も大好きで歌います。彼の様に最期に一花咲かせて散りたい・・・いや、まだ散れないか(笑)。

やまちょう
Mさんのコメント
2023年4月2日

歌、よかったですね。スコットランド民謡ですかね。

M
ノブ様さんのコメント
2023年4月2日

今晩は。4:3サイズもレトロ感で良かったです!

まだまだ散れません!(笑)
まだまだ咲きましょ❣️

ノブ様