劇場公開日 2022年11月11日

すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価

全828件中、821~828件目を表示

4.0作品の戸締まりはもう一押し

2022年11月9日
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鑑賞方法:試写会、映画館

楽しい

興奮

難しい

〈レビューの前に〉
ホームページの方でも記載されてありますが、改めて。この映画には本来のものとは異なるものですが、緊急地震速報の警報音が鳴ります。後半になるにつれて警報音の頻度と長さは増していきます。そして、ホームページには記載されていませんが、東日本大震災のシーンもあります。リアルと言うよりも、ノンフィクションの描写ですので、ご鑑賞の際には十分お気をつけください。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」。
今回もまた、試写会に参加させていただきました。TOHOシネマズさん、本当にありがとうございます!本作に関しての思いは、どんなものを見せてくれるんだろうという期待と予告から感じるちょっとした不安が入り交じっている状態でした。ここは期待せずに見よう思い、劇場に足を運んだわけですが、そんな不安は要らなかったようです。普通に面白かった!

公開前ですので、ネタバレ無しでレビューしていきますが、多少内容に触れる部分がありますので、完全初見でご覧になりたい方はお控えください。

戸締まり?災い?後戸?かなりファンタジーなストーリーを違和感無く見せてくれる凄さ。冒頭の掴みは完璧だったし、難なく世界観に入り込める。映画館という空間を包み込むような音響、そして鳥肌モノの演出の数々が、新海誠ワールドに観客を引き込んでくれます。気付いたら自分がとんでもなく夢中になっていて、ハッと我に返った時に驚かされる。作品への没入度合いが半端じゃないのです。

「君の名は。」の時よりも一つ一つの描写が洗練されていて、絵の美しさも増している。ファンタジーなストーリーにリアリティのあるイラスト。本作は災いをもたらす扉を締めるために、全国各地を旅するロードムービーでもあるのだけど、そのロードムービーとしての質がめちゃくちゃ高いのです。現地の人の温かさに癒されることはもちろんのこと、ご飯や建造物、街並みはどれもとても綺麗で、アニメーションの進化に衝撃を受けるばかりです。

そんな旅の中で色んな人と関わりを持ち、様々な面で成長していく主人公・すずめ。どんなことにも臆することなく立ち向かい、たくさんの強さを身につけていく彼女ですが、成長を遂げる度にこのすずめという人物の魅力が溢れ、愛おしくなっていきます。

こんな魅力的なキャラクターになったのは、もちろん監督の丁寧な人物描写のおかげでもあるのですが、すずめに声を吹き込んだ原菜乃華の声優力が大きいと思いました。初挑戦とは思えない、自信のある力強い声色ですずめというキャラを繊細に演じており、一気に彼女の虜に。声優本業ではないですが、これからも声優として活躍できるくらい、素晴らしい演技力でした!颯太役の松村北斗も非常に良かった!あと、人間の時よりも椅子になった時の颯太の方が好き笑 ぎこちなさが笑えました
そして、本作で最も驚かされたのが、RADWIMPSの偉大さ。ホント、RADWIMPSあっての新海誠作品と言っても過言ではありません笑 ここまで作品の雰囲気に合わせた楽曲を制作出来るのは、彼らしかいない。面白い!いい作品だ!と思えたのは、間違いなくRADのおかげ。RADファンの皆さん、鑑賞必須です。

ここまでべた褒めなのに、なぜ星5にならなかったのか。それはズバリ、後半の謎の失速感です。前半はテンポもよく、スピーディかつ丁寧に物語を描いていたのですが、後半からはそれらが失われます。物語の展開としてテンポが落ちるのは致し方ないとしても、一気に描きが雑になるのにはガッカリ。ラスト際には盛り返して面白くなるのですが、展開が飛び飛びで前半の丁寧さは損なわれたまま、幕を閉じてしまいます。

無駄に求めてない笑いに走ったり、登場人物が放つ言葉に違和感を感じたり、壮大なストーリーへの落とし込みが足りなかったりと、様々な問題点を抱えたまま、エンドロールを迎えてしまったのが、星5にならなかった理由だと思います。そんな思いになったのは、前半がとても素晴らしいものだったから。非常に惜しい作品でした。

トータルで見ればとても面白い映画です。
「君の名は。」のようにストーリーのパンチが弱いように思えますが、個人的にはかなり楽しめました。作品のインパクトは高く、これからずっと忘れることの出来ない映画のひとつとなりそうです。

長く話してしまいましたがまとめると、素晴らしい作画と演出、そして初挑戦とは思えない2人の声優力、何よりRADWIMPSがもたらす力は偉大なんだと、驚き続きの前半。しかし、後半の失速感は酷く、描き不足が否めない。後戸の戸締まりは出来たけれど、作品の戸締まりはもうひと押し映画。

でも、見て損のない作品かと思います。比べる訳ではありませんが、個人的には「君の名は。」よりも好きでした!公開は11月11日です。ぜひ、大スクリーンでご覧下さい!

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サプライズ

0.5地震にトラウマのある人は観ない方が、、、

2022年11月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

ずっとずっと楽しみにしていた
"すずめの戸締まり"を昨日、一足先に【先行上映】で観に行った。

"君の名は。,天気の子"は上映されてから
映画館で10回は観に行くほど大好きだったし
初回限定版のBlu-rayを購入するぐらい
新海さんの作品は大好きで、いまも勇気を貰っている。
付属のメイキング映像だって何度観たことか。

森七菜ちゃん × 太賀くんの
テファニー×ゼクシィの最高のCM等を手掛けている
プロデューサー 川村元気さん 、
"あの花"のキャラクターデザインをしてる田中さん、
他にも最高の制作陣が新海さんのチームに加わり
君の名は。天気の子より前の、
前作達より一層、"新海誠"の作品は輝いて見えていた。

はずだった。

#すずめの戸締まり
先行上映を観にいってからずっとモヤモヤが消えない。

承認欲求を満たすためなのか自分でもわからないが
このモヤモヤをどうにか解消しようと
いまこのレビューを書いてるのは確かかもしれない。

まずはじめに
絵は相変わらず本当に綺麗だった。

君の名は。天気の子 よりも研ぎ澄まされていて
まるで実写なんじゃないかと
思わされるぐらいのシーンがいくつも存在した。

カメラのフォーカスを合わせるシーン、
最初ボケてピントが合う。みたいな、、。
あれをこんなにも美しく
アニメーションでやってしまうのか、と。

音響もIMAXレーザーという
劇場で観たせいもあるかもしれないが
明らかに洗練されていた気はする。
(※極めて耳が良い方でも、絶対音感があるわけでもない)

RADWIMPS の楽曲は
前作の"君の名は。,天気の子"より圧倒的に今作は少なく
これは本当に好みの問題だと思うし
かつ前作からのマンネリ化を
防ぐためのものだったんじゃないかな。と個人的に思う。

声優の話をすると
正直、私は何も違和感を感じなく観れたのが本音で
芹澤くんが思った以上に瀧くんの声で
"神木くん頑張ってるなぁ,1人の人間だから仕方ないなぁ"
なんて思いながら観ていたぐらい。

レッドアイズに出演していたジャニーズの松村くんも
真犯人フラグに出演していた女子高生の原さんの声も
個人的には素晴らしかった。賛否両論あるかもしれないけど。

【ここからは少しネタバレも含まれます】

で、ここからがモヤモヤ部分の脚本。
まずはじめに、私は先行上映に当選して、
大切な人と2人で #すずめの戸締まり を観に行った。

その大切な人は"東北大震災"で家を失い、
関西に、引越しをせざるをえなかった人 で、
その人は上映後、横でたくさん泣いていた。

それは明らかにこの作品に対する綺麗な涙ではなかった。
(※何と表現すれば良いのかわからないのですが本当に悲しい顔を、涙を流していました)

新海さんの作品を語るぐらい(素人だが)
大好きな私が"先行上映当選したよーっ!"なんて言って
一緒に喜んでくれた大切な人。

正直、誘ったことを本当に、本当に後悔しました。

【地震描写、緊急地震速報等の描写があります】
とのツイートはあったし大切な人にも共有していたけど、

#すずめの戸締まり が
まさか実際に、現実であった1万人以上が亡くなった
3.11に触れてくる作品だとは思いもしなかった。

"オチであり今作テーマ"だったからこそ
映画で無料配布されているパンフレットにも
【東北大震災を扱っています】なんて文字はなかったし
(※明確に記載しないと
PTSDを起こす可能性がある映像にも関わらず)
(※今でさえみんながネタバレでツイートしてくれているが)

先行上映を観たお客さんが
君の名は。,天気の子,すずめの戸締まり
"災害三部作"なんてTwitterで呟いていたけれど

圧倒的に前作達と違うのは
災害は災害でも"実際にあった災害"
ノーフィクションなのか、
それともSF,フィクションなのか。 という点で、
(隕石が降って何百人が亡くなったり雨で東京が沈んだり)

私たちイチ人間が、イチ監督が
あの問題に触れていいものかと。思ってしまった。
(あとするならするで明確に注意喚起すべき)

「海外に向けて、地震大国の日本をテーマに」
「震災を忘却、忘れないために、そして未来に」

購入したすずめの戸締まり のパンフレットを、
新海誠本 を、何度も何度も読み理解しようとしたけど、。

海外にフォーカスを置くとするなら
日本列島を旅する描写で"鳥居,京都,奈良"他にもいっぱい
日本の魅力を描ける部分はあったんじゃないか、
(中央線は相変わらずマストで描いているのにも関わらず)
と思ってしまうし、

震災を忘れないためにも、というなら
震災で大切な何かを失った人に、トラウマを抱えている人に
上映する前にこの作品をちゃんと
観せたのかなと思ってしまったのが本音で、

震災を忘れないためにも、と綺麗事を並べて
YouTuberがこの作品を収益化すれば
叩かれる、非難される この現代に
この作品はあまりにも、重すぎた気がする。

10年以上経ったいまでも
安易に触れていいはずがない問題が
この映画には描かれていた。

ダイジンが言った"今からたくさん人が死ぬ"
被災者の人はこのセリフをどんな感情で聞いていたのだろう。

映画を観終えて、号泣して怯える彼女に
"すずめのようにこれから未来、乗り越えていこう"なんて
当時、傍観者だった私が言えるわけもなく。
言っていいわけもなく。何も言えない自分がそこにはいた。

この映画を"良い映画だ"と褒め称える人は
当時、傍観者だった人がほとんどなのでしょう。
(少なからず震災で身内を亡くしたり、家を失っていない人)
私ももし彼女がいなければそう評価していたのだと思います。

長々とレビュー書きましたが言えることは一つだけ、
私は新海誠さんの作品が大好きです。

ただ今作は"東北大震災"と
明確にもっと色々な所に記載すべきでした。

そして東北大震災をテーマにする以上は
万人ではなく被災者達に
寄り添う言葉選びが大切だった気がします。

"今からたくさん人が死ぬ"なんて言葉を
選ぶべきではなかった、絶対に。

私にとって 私の彼女が流した涙がすべて でした。

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無知

5.0新海誠、最高傑作

2022年11月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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楽しい

ネタバレはないように書きます。
ストーリーとか、内容に関してはさわりだけで。

まずは他のレビューに対して。
映画館で観る必要なし?過去作と同じ?
いやいや、何を言っているのか。もう一度過去作見直して映画館で再確認して欲しいね。
確かに、君の名は。から天気の子まで、新海さんは災害をテーマに描いて来たのは確かだけど、それをひっくるめて同じだなんて、逆にどうやったらそう見えるのか教えて欲しい。

さて内容に関して。
よく、大ヒットした君の名は。と比べられることがあるけど、今作に至ってはまたジャンルが違うんじゃないかな?
リアリティをベースとしてファンタジー?要素はあるけど、君の名は。以上のメッセージ性と映画としてのエンタメ性を超えたものがあると思う。

リアリティをベースにしただけあって、当時のことを思い出したくない、トラウマになっている人たちにとっては今作は辛いだろうし、拒否しても、させられても仕方がない。しかし、他の人のレビューにあるように、それらを乗り越えてこれからの未来に向けて頑張っていこうというメッセージがビンビンに響くし、それが映画を見終わった翌日、今まさにまたそれを感じさせてくれる映画はなかなかない。

今回は本当に完璧だった。
彼女と彼女の猫時代からの新海ファンとしては、こんなに素晴らしい映画を作ってくれてとても嬉しいし、遂にこんな素晴らしい映画を、この境地まで来たかと、驚きを持ってこの映画をこれから観る人たちに伝えたい。

映像はいつもの新海クオリティをさらに上げて来た気がする。細やかな動きとか本当に滑らかで素晴らしいし、色使いや光の演出、雨や風、空の描写、どれをとっても今これだけのクオリティを描けるアニメ監督はいない。

声優さん達も予想以上にキャラに合っていたし、シーンそれぞれに対する演技も素晴らしかった。リアリティベースのストーリーのおかげでもあるけど、終盤の泣かせ追い込みはエグい…あの迫真の演技と音楽と映像と、全てが折り重なって最高のシーン。。。もう何度見ても絶対号泣する自信ある。

この思いを、なかなか文章にまとめるのは難しいけれど、それだけ素晴らしかった。これ以上ない。
正直、何度も言うけどリアリティベースだから泣かされた感はあるし、その点はずるいと思ったけど、それを言ったら実際に体験、被災した人達にとっては…

これ以上は、ぜひ皆さんも映画館で一度と言わず二度、三度と観に行って感じて、それぞれいろんなことを思うだろから、それをみんなで共有するなり、レビューするなりしてこの作品を語り合って欲しい。

後付けだけど、この作品は過去二作品で災害を描いて来た新海さんじゃないと描けなかったんじゃないかな?
それだけこの内容を描くのは勇気が必要だし、チャレンジングではあったけど、もうこれ以上ない素晴らしい映画になったと思う。マジで、スタンディングオベーション。

長文失礼いたしました。
これから少なくとも私は5回以上は観る予定です。
個人的には完全に君の名はを超えました。

以下11/11追記
皆さんにこんなに評価してもらえるなんて光栄です。人のレビューに口出して拙い言葉で表現もままならないのに感謝しかないです。

2回目見ましたが、今回はまた違った感覚が後に残りました。どちらかというとこれは悲しみの方が強いですね。なんだろう、やっぱり悲しい。
けどきっとこれが時間が経つたびに変わっていくんだと思います。

しかし、対照的に序盤から終盤手前まで、ずっと楽しくて、好きだなぁと何度思ったか。また観たいなぁと上映中も思うほど。
3回目はどう思い、どう感じるか楽しみです。

11/13追記
いろんな人が見るといろんなコメントが出て来ますねぇ
なかなかできない経験で面白いです。
3回目見ました。
今回はフラットな気持ちで見れたような気がします。
ただただ、素直に泣けた。そして勇気づけられました。
多分1回目とは違う感じだけど、1回目と同じくらい泣きましたね。
この作品は本当に後世に語り継がれるべき作品ですね。
劇場にいた人たちも素晴らしかったと言葉を漏らしていたので、嬉しい気持ちです。

11/20追記
4回目、ちょっと前に見ました。
今回は初めて2人で行ったので、鑑賞後、また違った視点を知れて良かったです。
初めて見た感想が、ダイジンが可愛そう。。。なるほど、最初からそう思う人もいるんだなと。
個人的には前回まではそこまでダイジンへの感情移入はなかったのですが、YouTubeで解説動画を色々と見る中でその視点を感じることができました。
詳しく話すとネタバレになっちゃうので、みなさんも色々ある解説動画見てくださいね。
個人的におすすめはYouTubeのツッチのムビログさんですね。
とてもわかりやすくて納得する内容です。

5回目はこういう動画をいくつか見たあと、また見たいなと思ってから見に行きたいと思います。
みなさんもどんどん劇場に見に行ってくださいね。
目指せ君の名は以上の興行収入!

12/13追記
5回目やっと観ました。
新海本2、重要情報ありすぎ。
上映前に即行で読みました。
もう次の特典が出始めるので、今更かもですが、何度も見てる人たちは絶対読むべき。
この映画は間隔開けてもやはり見たくなる。
やっぱり最後のシーンは最高すぎて…
あの台詞、何度も聞きたいし自分で口にしてみたい。
多分前回より号泣しました。涙ぼたぼた。。。
最高、心が洗われるし、清々しく、明日への希望を持てる。

1/15追記
ついに6回目見ました。
残念ながらたまきさんの小説はゲットならず…
もう、メルカリでポチですわ。
内容、なんだかんだ、今までで1番泣けた。
いろいろ情報収集して、いちいちシーンごとに泣けてしまう。いろいろ重ねました。すずめやたまきさん、せりざわ他その時々に出会った人たち、そして自分の生き方。
この映画は本当に素晴らしい。
もっともっと、いろんな人に見てもらいたい。
個人的にはもはや君の名はを超えました。
君の名は。はもちろんすごい、とても良い作品。
でもこの作品はまた違う。異次元。
絶対Blu-ray買う。全部買う。最高。

2/26追記
7回目観ました。
流石に見慣れてきた感はあるけど…笑
でもやっぱり観たくなってしまう。
そしていつ観ても楽しいし、好きだし、泣けるし、幸せな気持ちにしてくれるこの作品。
さすがに、芹澤の小説もメルカリですねぇ。。。
上映回数も減ってきてどうかなと思ったけど、人いっぱい入ってて安心しました。
もっと皆んな観に行ってほしい。
天気の子は超えると思うけど、君の名は越えは厳しそうだね…まぁ仕方ない。そういう意味でも色んな意見を生む作品であることは間違い無いから。
せめて、ワンピースよりは長く上映してほしいところ。

新海さん、ありがとう。
声優陣、美術、音楽、その他スタッフの方々、、、
感謝してもしきれない。。。

新海さんと会いたいなぁ…

以上。

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エイジ

4.5日本の未来と過去の悲しみを織り交ぜながら描いたロードムービー。新海誠の勇気に拍手

2022年11月7日
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本作、日本神話のエッセンスも散りばめられています。
私は小説を途中までしか読んでいないのですが、読んだところまでは映画と全てオーバーラップ。
圧倒的な映像美は新海誠監督の世界観そのもの。
そして今作では“鍵穴”がクローズアップ(君の名は。では襖の敷居)。

廃墟、いつ起こってもおかしくない大地震…。さらには2011年3月11日のあの悲劇と重ねて描かれた大作。この部分は非常にセンシティブでトラウマを抱える人にとっては辛い描写もある。

扉が開いた廃墟に、過去や人々の悲嘆や喪失が詰まっているように、本作にも様々な人の想い、悲しみ、希望が重なるのではないかと思う。

はなぜか自然と涙が流れ、前作、前前作とは全く違った演出や世界観に感動が生まれた。

あらゆる場面に新海監督のエッセンスが散りばめられていて、“あの作品”の劇中音楽が流れるのも感慨深い。

宮崎から東北まで、すずめが草太と扉を閉じるために奔走する姿には胸が高鳴り、行く先々での人々との邂逅と温かさがもたらすロードムービー要素もしっかりと含まれている。
個人的にグッと来た舞台は神戸。
二宮ルミの声を担当した伊藤沙莉がまた最高。関西弁の微妙に異なるイントネーションの細かい部分も細やかに再現していた。あの遊園地は「奥摩耶遊園地」のことだろうか。様々な想像を掻き立たせてくれる。

ちなみに、本作には陰陽道も用いられているのではないだろうか。

とにかく、スクリーンから目が離せずグイグイ観客を世界観に引き込む演出にはあっぱれだ。きっと多くの人がストーリーに夢中になるだろう。

「君の名は。」「天気の子」に続く災害ものに、ファンタジー、アクション、サスペンスを含む本作に引き込まれるはず。

きっと何かに、誰かに想いを馳せて、涙を流すことだろう。
是非、IMAXで堪能してほしい。

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11/20追記
別のところで、本作は日本神話と大きく関連していると聞き納得!
岩戸すずめ→最初の扉を開ける、岩戸を開ける→アメノウズメ

宗像草太は人々の恨みの想念、怨念を鎮める一族→宗像三女神。宗方大社(福岡にある神社、実際に海外などに対する岩戸閉じの役目を担っていた。)、その神社の親神がスサノオノミコト。つまり草太はスサノオノミコトを表している。

ダイジン、サダイジン→タカミカヅチ、フツヌシ

ふむふむ、とても奥深い
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●12/4追記、二度目の鑑賞

人々の怨念や悲しみが歪みとなって、その歪みが溜まるとミミズが発生し、大地震に…。
草太の唱える呪文にも、本作の伝えたいメッセージが込められている。
神の土地である日本各地を好き勝手に開発した私たち人間たち。
新しく何かを建てるときや創るときには祈るのに、廃墟になったり、用無しになればそのまんま。
つまり、すずめは、そういった怨念が溜まった場所に空いた扉を閉めて回ることで、鎮魂している。
天照大神を外に出させたアメノウズメが“戸締り”をするとというのも面白い。

あの地への祈り、鎮魂。涙が止まらなかった。

マイナス評価の人は過剰に反応しすぎでは?とも思うけど、やはり3.11を経験した被災者にとっては言葉に表さないほど辛いだろう。これは当事者にしか分からないこと。
そういった批判されることも織り込み済みでの製作、上映だろう。

私たちは常に死と隣り合わせに生きている。辛く悲しい過去も受け入れながら、それでも前を向いて、希望を捨てずに歩いて行こう。
そして、いつ起こってもおかしくない南海トラフ大地震をはじめとする数々の災害に対する警告や防災を忘れぬようにとやんわりと呼びかけているようにも感じた。

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マキ

5.0震災に対するそれぞれの思いの角度で受け取り方が変わる映画かと。

2022年11月7日
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鑑賞方法:映画館

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悲しい

楽しい

震災や地震の描写が多数あることについては賛否あるかと思いますが、物語の流れの中では必要だったのでは無いかと感じました。
私自身の3.11の経験を思い出して辛く悲しくもなりました。然し乍ら全体的に昼間の風景や明るい印象の映画で、とても勇気付けられました。
主人公に迷いがなくて観ていてとても好ましかった。作られた理想論的なまっすぐでは無く、自分に正直なまっすぐさが眩しかった。

ジブリ映画やエヴァンゲリオンへのリスペクトを感じるシーンが散りばめられていた様に感じました。
劇中に流れる曲もノスタルジーを掻き立てられて良かったです。もう一度観に行きたいです。

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tkm

4.0ジャパニーズファンタジー

2022年11月7日
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11/7の先行上映で鑑賞。

東日本大震災のトラウマがある人には辛いシーンが多々訪れるが、あくまでもあの災害から一歩前へ進むことを願って作られたことがひしひしと伝わってきて感動した。

ただ、「君の名は。」「天気の子」とは比にならないほど賛否が分かれる作品だと感じた。

地震を現実と絡めながら上手くファンタジーに落とし込めていて個人的には良かった。

公式のトップページで色々と注意喚起されているが、震災で特に辛い記憶がある人ははっきり言って見ない方がいい。

星0.5にして自分の思い出したくない記憶が掘り起こされたことを理由にこの作品を叩く人を見るとそう思ってしまう。

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やあ

5.0新海誠監督集大成にして最高傑作!!これぞ青春アニメ映画の極み。

2022年11月7日
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鑑賞方法:試写会

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興奮

幸せ

原作は未読です。
人生で初めて試写会に当選しました!!
この時点で感無量です。

*本公開前なので、万全を期してネタバレありにしました。

映画「天気の子」以来、新海誠監督約3年ぶりの新作ですが、圧倒的なビジュアルの美しさは健在でした。監督お得意のボーイ・ミーツ・ガールものに加え、秘密の扉等、様々なファンタジー要素も随所に盛り込まれ、監督の新たな挑戦と意気込みが感じられました。

まずは、豪華な声優陣にも注目ですが、岩戸鈴芽役・原菜乃華ちゃんの可愛くてパワフルな感じと、宗像草太役・松村北斗君のクールな感じが見事に溶けあっていました。お二方とも、とても上手でした。
また、RADWIMPSの音楽も更にパワーアップしていて素敵でした。

本編は、緻密で秀逸な脚本と、二転三転する先の読めない展開に惹き込まれ、私の気持ちは121分高揚感でいっぱいでした。
そして、「雀の戸締まり」本当の意味を知ったとき、新海誠監督の温かく優しいメッセージに私の涙腺は崩壊しました。

ー新海誠監督へー
大袈裟な言い方かもしれませんが、この映画を通して、生きる希望と活力を貰えました。
素晴らしい映画と深い感動をありがとうございます。

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キヨカズ

4.0心地よい高揚感

2022年10月26日
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鑑賞方法:試写会

リアルでファンタジー。息つく暇なかった。色んな感情が揺れ動いてずっと泣いていました。綺麗な映像、音、音楽が素晴らしいので映画館で観るべき作品だなと。自分が経験した地震の記憶がフラッシュバックして辛い気持ちにもなったけど、しっかり受け止めて明日の活力になる映画でした。私、『生きたい』です。

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あき