すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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おかえり
震災の源であるものを封じる旅と
閉じ師のイケメンとの出会いで
成長する少女の物語
なんですが
その世界観と
明日へ生きる少女の再生を
描いたストーリーに
こころが震える
生死の境界を
私たちが暮らす 現し世 と
死者が暮らす 常世 として
古来から日本人は表現
時間では夕方と夜の間を黄昏刻
場所では鳥居
本作では
時間では華やかな時代と静寂の間
場所では廃墟の扉として、
人間が意図しない所に
常世が生まれる現実を
示していました。
本作はファンタジーなんだけど
重みを与えているのは
その世界観や倫理感が
神話や民俗学と
あまり矛盾していなくて
日本人として
腑に落ちるからではと。
返事をしない死者 母に対して
問いかけるのは
現し世の
鈴芽であり、
幼い壊れそうな自分のこころを
修復するのも
亡くなった方の想い出や遺品に
思いをよせて助けられた
自分。
その線引の筋が一本通っていて
凛とした世界観に。
常世の助っ人が未来の自分で
ハリポタ的な所や
ミミズなどキャラクターデザインが
ジブリ的というのも
あるかもですが
目に見えない厄災を
防ぎたい思いや
どうしょうもない悲惨体験から
脱け出すための
こころのプロセスを
丁寧に描かれている凄みが秀逸
出会いと同じシーンの
「おかえり」で
二人の関係を思い出す
実は、
そんな重いテーマである
各地の災いを鎮める原動力が
ひとめぼれの恋心
なのが
よかったり。
おすすめ。
誰かにこう言って欲しかった。
先行IMAX上映にて鑑賞。
災害三部作の着地点は今までのフィクションとは違って、3.11の震災が起こった後の世界の話だった。
震災を経験したことの有無で作品の受け取り方は変わると思うけど、私の住んでいる地域は震災で家を失ったり家族を失った方が移り住んで来た地域だった。
当時もかなり強い揺れを体感したし、停電やコンビニが軒並み閉店してガソリンスタンドには長蛇の列ができた。
今でもはっきり覚えてる。
震災があって、そこから復興して今がある。
ただ、なんとなく震災の話をするのは不謹慎。
震災に遭われた方、被災した方に対して腫れ物に触るような距離感があった。
物語の冒頭や作中でも響き渡る緊急地震速報のブザー音は実際の音とは異なるけど、今でも心臓が跳ね上がる。
新海誠監督がいろんな思いで作品を作り上げて、自分の中にある思いを発信してくれた作品だと思う。
監督の思いは物語の最後にすずめちゃんが語ってくれる。
誰かにこうやって言って欲しかった。
友達とも震災の話をした。
あの時はどこにいたの?
大変だったよね。
辛かったね。
と、各々の思いを語れる機会になった。
今まで蓋をしていた。見ないふりをしなくちゃいけない出来事だったけど、人と繋がって生きていることの尊さと話ができることが当たり前じゃないんだと改めて感じることができた。
作品としては現実とファンタジーをミックスさせて、ところどころ可愛いダイジンが登場して和んだ。
人に忘れ去られた寂しい場所に後ろ戸は開くと言う設定や場所の声を聞いて災厄を鎮めると言った鎮魂の儀式も日本人の風土にあった手順だったように感じました。
すずめちゃんと環さんの関係性も良かった。
ラストシーンの会話で2人の関係が伝わってきた。
全部言葉にしなくても分かった。伝わってきた。
映画を観た後、草太さんと芹澤君はカップルなのかな?と感じた。少なくとも友達以上恋人に近い親友という感じだった。近年の作品では同性カップルも珍しくないので、そうなのかな?と思ったけど、ラストシーンの描かれ方的には違うのかなと思う。
でも、芹澤君がいて初めて草太さんが現実に生きる人間だったんだな〜とわかる。
あと、教員と閉じ師の両立はできないと思う。教師になったらまとまった休みは試験問題作ったり教材作りに消えてしまって、遠出なんて絶対できない。と、リアルにツッコミを入れてしまう。
今生きている風景を、心の中にある風景を残しておけるような社会にしたいって、君の名はで瀧くんが言っていたよな。
人の生きている場所が誰かにとっての故郷になっている。
場所がなくなっても、生かそうとした人の思いを受け取って育っている。
震災復興とは言っても、心の傷が癒えるまでの時間は人それぞれだと思う。
自分が作品を受け止められるか。体調が悪くなったら無理をしないで劇場から出て欲しい。
私は泣きながらこの映画を観た。
思い返して語るだけでも涙が溢れてくる。
自分にはすずめちゃんの言葉が刺さった。
救われた、許された気持ちになりました。
悩みながらも作品を世に送り出してくれた全ての方にありがとうと言いたいです。
ご自身の観られるタイミングでご鑑賞ください。
声の演技の難しさ
心に響かないセリフ、日本で公開される劇場映画のアニメ、古くは「地球へ」がそうでした。声だけの演技はやはり難しい。視覚と音響効果で誤魔化そうとする演出をいつになったら辞めるのだろう。「えーーーっ‼️」と言う主人公のセリフだけが耳の奥に残っている。あああ、物真似と吹替えを混同している業界、業界だけでは無く見ている方も許容しているのが原因なのだろう。
声だけでは無い、私はこの監督が作るダイナミックなスペクタル要素が飽きてしまった。そうそう、ジブリのよう雰囲気すら私には見苦しかった。
あの日の事をテーマにしたいのはわかるが、もっと真摯に向き合わなくては…。
描きたいところは分かるのですが
「輝く未来が待っている!」とのメッセージは大人は分かるのですが、低学年の子供には怖かったと言われました。見たいと言うから付き合ったのに。
「死ぬのは怖くない」のセリフは分からないと言われました。
「人がたくさん死ぬよ」のセリフは怖かった。
猫は可愛かったと言っていました。
画はとてもきれい、テンポも良いので飽きずに最後まで見れます。
ディズニーとジブリの要素が少し入っています。
ですが、私自身が被災地ど真ん中に当時も今も住んでいるため複雑な気持ちになりました。
映画終了後は観客は無言でシーンとお通夜みたいな雰囲気で何とも言えない空気になっていました。無言で席を立つ人ばかりで、啜り泣くような声も聞こえた気がします(振り向いて確認するのも躊躇われる雰囲気)。
震災の件は子供には話題に出さないように教えてあります。被災地ど真ん中なので身内や仕事を失った人も多いため、話題に出せません。
私は身内は無事でしたが日常は大変でした。
ヘドロにまみれた国道は灰色で酷い悪臭、信号が全て止まった道路をお互いに譲り合いながら低速で走らせました、海沿いの石油タンク?からは煙が3か所から3日あがり続けました。悪夢のようでした。遺体が線路に横たわっているところを歩いて避難した人もいました。
停電中でも総合病院の病棟の電気が点いていたことに、なぜか心が救われました。
1か月にわたる断水と水汲み、スーパーでは一人5点までと指定のある買い物、仕事に行けるようになると電車から見える景色は震災処理のガレキの山。
友人の自宅は崩壊しローンを抱えたままアパートへ、ローンは少し前に完済したそうですが未だアパート暮らし。
なんとも評価しがたい映画だな~と複雑な気持ちになりました。
この監督自身が被災して家族と家を無くしている人なら話も別かと思うのですが。
架空の事件や架空の自然災害をモチーフにした作品でも人は感動しますし、メッセージも届きます。架空のストーリーから与えることができる人が真の作家なのではないかと考えるのは私が年寄りだからでしょうか?
若い世代に人気のある監督さんなので、今後はぜひ架空のストーリーから感動を作ってほしいです。
【追記】
来年の2023年2月に、「生きる」大川小学校のドキュメント映画が公開されます。文部科学省選定作品です。
本当の意味での「震災を忘れない、場所を悼む鎮魂する」ための映画だと思います。
「震災を忘れない」とのことであれば、「生きる」を見てほしいです。
わたしは怖くて(悲しすぎて)見れないかもしれませんが。
【追記】2023/1/19芥川賞受賞した「荒地の家族」仙台在住の作家さんです。震災がテーマです。読んでみようかな。
視聴者置いてけぼりで主人公だけが猛スピードで駆け抜けていく作品
前作天気の子が好きだった身として、非常に残念な印象でした。
まず出頭から主人公がイケメンにすれ違っただけで恋をし学校をさぼってまで追いかけ、どこでもドアが現れたり喋る猫が現れたり人間が椅子に変化させられたりといったファンタジーな世界が次々と出現するのに即順応していくという、唐突且つリアリティーの無い展開が続いたことにより、完全に感情移入できないままどんどん物語が進んでいく。
また、やりたいこと、テーマを詰め込みすぎてるのではないか、とも感じた。それによって一つ一つの要素が薄くガンガン進んでいくので終始「ポカーン」としてしまう。
ロードムービーをやりたい、ファンタジーな描写をやりたい、親と子の関係性をやりたい、震災をテーマにしたい、そしてやっぱり恋愛も入れたい、と。
前作は、一人の少年が少女に恋をして、その人のために、というのがすべての行動基準で、それを軸として物語が進んでいくので非常に分かりやすかったが、今作はその「軸」が見えない。
また、新海作品の良い点の一つとして、音楽を最大限利用した演出、というのがあるが、
前作のクライマックスシーンのグランドエスケープは、あのシーン見たさに何度も劇場に足を運んだくらいだが、今作は歌のシーンがそもそも少なく、クライマックスでもあまり良い演出が見られなかったのが非常に残念だった。
ミュージックビデオだ、などと揶揄されていたのを気にしてのことなのだろうか。非常に残念。
やはりファンタジー要素が強すぎる
新海誠監督の作風はやはり、
美麗な作画や台詞も相まって細かな感情描写に魅力を感じるので
「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」等あまりファンタジー要素のない作品の方が合うと思う。
それでも「君の名は」はまだ現実的な中にファンタジー要素がエッセンスとしてミックスされており違和感がなかった。
今作は色々設定があるのだろうが、
現代における他の閉じ師の存在の有無や主人公達の両親の所在(母親除く)、ダイジンやすずめの行動原理等々、ツッコミ所や気になるところの多さの割に対して作中で語られることがあまりに少なく、置いてけぼりになってしまった。
劇中歌に関して、懐メロにしてもさすがに古すぎて今どきの学生が流すにしては違和感があったが、監督の趣味も込みであるなら納得感がある。
過去作品でLINDBERGが流れることもあったがあれも場面にあっていてとても好感であった。
何よりプロモーション等色々理由はあるのだろうが、
いい加減主題歌にRADWIMPSは食傷気味に感じる。
RAD自体は好きな私からしても食傷気味に感じるのだからよっぽどだと思う。
繰り返しになるが、
「言の葉の庭」や「秒速5センチメートル」であったようにタイアップありきで特定のアーティストに拘りすぎず、作品にマッチする主題歌であってほしいと思う。今となっては古い曲が選ばれたとしてもその方が納得感があると思う。
さっき言ってたあの発言はなんだったの?のオンパレード
これ必要ある?どれくらい真剣にこれ受け止めればいいの?みたいな展開ばかりで終始げんなりしちゃった。
震災のことを映画化するなんて不謹慎!みたいな批判が多いようだけど、まあその配慮はもしかして必要だったかもしれないけどそこよりも、はっきりストーリーめちゃくちゃ。レベル低くないですか。
なんであの人が椅子になっちゃうのか、この2人がそんなに思い合う意味がわからないし、ネコたちの一個一個の行動がミスリード。全員、行動原理が意味不明。さっきのあの発言なんだったの?(二度と顔見せんなって言っといて!とか言う人が、その相手の従兄弟連れて7時間ドライブすることのほうが、あのミミズの存在よりもファンタジーでは?)
そういうのが多すぎてどうでもよくなってくる。あと婚活の話いる?子供向けの映画なのかな。
わざと描かないようにするんじゃなくて描けてないことがある。主人公があんなにギャアギャア言うほど恋に落ちてるほどの描写はない。映画ってそういうの描かないでいいんだっけ?イケメンだからだとしたら稚拙。「考察」勢のためにあえて言わないことをとっておいてる感じが、穴埋め形式の学習ドリルみたい。
「考察」好きのひとたちには読み甲斐があるのかな。民俗学はじめ、学問を知ることがエンターテイメントを楽しむことにつながる、ということを知る人が増えるのはいいことかもしれない。本気でジブリの席とりにいきまーす!みたいな感じで、オマージュしまくるあたりはもはや潔いと思いました。
災害のなかにひとり・ひとり・ひとり・ひとりの生があるという大切なことを気づくきっかけになった、、と感じる機会にはなるのでしょうか。。?
大事な仕事は人からは見えないほうがいい
昔の能や言い伝えが混ぜ込まれていてとても面白い
草太がかしこみかしこみお返し申すを唱えるところとても好きでした。祝詞なのかな?
唱えると鍵が青く光ってその土地の思い出たちが見えるのもすごくよかった。
閉じるには、その場所がどんな思い出があったか想像して閉じなくてはならない。
少しても寄り添うために…
後ろ戸についても、能の概念から来ているものらしく、神や精霊の世界につながる扉らしい
今回は、常世として繋がっている。
地震が地面の下で蠢くみみずについてはびっくりしました
また、要石も実在していることに驚きました。
新海誠監督は昔の文献、言い伝え?などをたくさん調べて作品内容をどんどん生み出していっている気がします。
要石自体については、また(前回、天気の子のような人柱的な)生贄のような感じなのでないかと思いました。
草太の育てのおじいちゃんが
「草太はこれから何十年もかけ、神を宿した要石になっていく」
と言っていましたが、もしかしら何の変哲もない普通の動物や人?などが要石になっているのかな〜と思いました。
そうなると、頭と尻尾の猫の個体の違いについても辻褄が合うような気がします
頭はずっと昔から要石になっていて、尻尾は最近って言っても20年くらいはもう要石やっていそうですけど経験値からどんどん大きくなっていくのかもしれませんね
ただ、みみずが倒れる前に金糸のようなものが張り巡らされてるのは不思議な感じがしましたがもしかしたらみみずは神様なのかも。農業界ではみみずは土の神様とも呼ばれているらしい、、、
日本は全てのものに神様が宿りますからね〜八百万の神
どこに神様がいるかわかりません
1番の泣いたところは、あの日の朝の「行ってらっしゃい」「行ってきます」を言いながら玄関先から学校や会社へ出発する人々の描写でした。
「おかえり」「ただいま」を言えずお別れした人はたくさんいたでしょう。
それを考えたら、ものすごく悲しくなりました。
すずめの戸締まり
失うもの朽ち果てるものはあるけれど一息ついて前を向く
判断保留
点数はいろいろなものを無視して一つの作品としての完成度の評価。
ただ、言い尽くされてますが、良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかを語る前に、一部の人にはテーマが飲み込みにくい。
あの震災で受けた被害は極めて軽いであろう自分ですら、本筋と別の部分で胸を抉られて、少なからずダメージを受けている。
リアルタイムにあの震災を知らない人たちはどう見てるんだろうか。
心を癒すためにRRRをもう一度見に行ってきます。
小さな世界より大きな世界の幸せへの転換
作画のクオリティは最高レペル、扱ったテーマやストーリーラインはとても意欲的で挑戦的てした
ただ、描かれる登場人物が多岐にわたりどの人(猫)についても消化不良、感情移入する前に終わってしまいました。もったいない
目指すものかが違うのだとは思いつつも
前の二作のような、わななくような心の動きを期待してしまって、やや厳しい評価になってしまいました
とはいえ、表題に書いたとおり
この作品は作家、新海誠にとってはその作家性の転換に当たる作品になっていくのではないでしょうか?
前作、天気の子で描かれた話は東京が没しても二人の間の恋心を尊いという未成熟ゆえの萌える心境をえることができました
世界系と言われた小さな世界系でのファンダジーの集大成とも言える作品です
大ヒットを受けて新海監督も様々な期待をされているのだろうな?と感じました、前の二作に比べてメッセージ色が増した分、感情よりも、理性に訴える部分が増したのか作風が変化していく過程なのでしょう
今後、新海誠監督がどのように自身の作品の舵を切るのか?とても楽しみです
あの宮崎駿さんでさえ、若い頃から繰り返し同じテーマで作品を紡いできたようにみえます
そういう意味で
良い作品だと思います
映画館で観て貰える新海誠本に監督の思いがある
「君の名は」よりもファンタジー要素強め、とても楽しめた
君の名は、天気の子の2作から大きく変わった作品だと思います。
ジブリを見ているような感覚になりました。設定が結構強めってゆうか、よくこんなに作りあげたなと思いました。愛する人のためにここまでするのか?と思いましたが最後のシーンで愛する人だけでなく自分に対しても訴えかけたいと主人公は思ったのかと思えました。しっかりと泣けましたよ。
テンポもとても良くて見てて退屈だなーと思わなかったです。是非見るべき。
追記 11月26日
2回目見ました。しっかり泣きました。
1回目で気付かなかったところが多かったです。結末を知ってるからこそ最初のシーンでもう泣きそうになりました。そしてこの物語がどうなってるのか、ダイジンは何だったのか知ることが出来ました。2回目なのに楽しませてくれてありがとうございます!!!
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