すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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昔ながらの「日本」と今の「日本」を感じる作品
人生で初めて、アニメ映画を劇場で観ました。
(新海誠作品の前2作はロードショーで観ました)
物語の筋立ては割と単純なので、ここでは物語を盛り上げる設定について「面白い!」と感じたことを残しておきたいと思います。
①地震を引き起こす元凶とされている「ミミズ」。
発生場所は人の住むことのなくなった後ろ戸で、ミミズの実体は「閉じ師」の一族しか視認できない。
主人公・すずめは幼い頃に偶然「ミミズ」のいる「常世」に迷い込んだから視認できた。いわゆる例外?
地震大国の原因をそんな化け物に持ってくるか、とニヤリとしてしまいました。古くから目に見えないものを畏怖してきたこの国だからこそ、説得力のある設定ですね。
「ミミズ」が出てくる後ろ戸が存在してはいけない。昔の日本人は常識としてそのことを知っていて、だからこそ暮らさなくなった住居や城を燃やしたり撤去したりして痕跡を残さないようにしたのか…?
などと、架空の設定なのに現実のことのように考えてしまう自分がいました笑
②「岩戸」鈴芽と「宗像」草太。
この2人の苗字も『記紀』にゆかりの深いもの。
前者は天照大神が隠れ、暗黒の世が訪れた神話に基づく。しかもその舞台とされる天岩戸神社は宮崎県に実在。
後者は天皇家を支えた海人族のこと。福岡県にあり、「海の正倉院」沖ノ島や宗像大社がその名残を留める。僕の故郷でもあるので、映画を観に行こうと思った理由の一つです。
③芹澤の車
中古で買ったというマニュアル車。
僕もマニュアル車乗りなので、ギアチェンジの描写だけでテンション上がりました笑
宮崎→愛媛→兵庫→東京→宮城?と旅をしていく形で物語が進んでいくので、きれいな絵で描かれた日本の風景を楽しむこともできました!旅に行きたい…。
東日本大震災のことにも勿論触れており、忘れちゃいかんよな、自分が鈴芽の立場になってもおかしくない、と東北に行って震災遺構を見た時のことを思い出しました。
観に行ってよかったです!
やはり空模様に関する表現が秀逸
題材が題材なので観る人によって、具体的には震災被害と地震に対して過度な反応を持つ人には余り薦められないのかもしれない。
ただ、その点を除けばキャラクターも魅力的で、ストーリーラインもしっかりとして、鑑賞後の後味の悪さみたいな部分もなく、万人向けの安定した作品になっていたかと思う。
ただまぁ、ダイジンの結末としてはちょっと可哀想だなというか、神様の思惑など理解できないと言えばそりゃそうなのだが、やはりすずめの家に入るってのは望みだったのだろうから、そこがケアされないのはなんというか…こう、感謝とか敬意とか、いや祝詞がそれにあたるのだけど、2人で御供えとか持ち寄ったりなんかするシーンとかあると嬉しかったなーくらいの細かい話
過大評価映画。恋愛要素が意味不明。
心を救う
映像は相変わらず最高に綺麗だったが、他は微妙
映像と音楽は良い
誰かに愛されているということ
震災をテーマにしつつも、本質は「愛」の物語。
誰かを愛すこと、愛されることの素晴らしさや愛しさ、そして「当たり前」ということに対して丁寧に描ききっていた。
一人の少女が過去と向き合い、成長する。
そこに震災を題材にした。
当たり前に話すこと、当たり前に遊ぶこと、当たり前に人を愛すこと、当たり前の思い出を作ること。
それらが瞬時に失われ、目の前から消えることの辛さ・虚しさと同時に、失って気付く「愛していた・愛されていた」こと。
究極的に愛を追い求めて奔走する姿や、「閉じ師(仮)」になることで伝わってくる思い出達。
只要石のダイジンを追うだけではなく、1つ1つにしっかりと意味があることを真正面からぶつけてきた映画だった。
上手く纏まっていないが、簡単に言うなら「全部最高」。
…ところで結局ダイジンは何者だったんだろうか。
個人的には幼いすずめ自身だったようにも思える。
最終的に「すずめが迷い込んだ常世を閉じる」ことが目的である為、大事なことを忘れていたすずめに気付かせる為に、過去の自分がダイジンとして現れたのでは…?
「過去にケリを付ける」ことは過去を振り返らなければならない=「すずめの成長の要」として彼女を導くこと。
…んー、せめてここを描いてくれたら良かったような気もするけど、それを忘れるぐらいの素晴らしさだったことは確か
過去を閉じる
新海誠監督作品に共通するテーマとして日本の災害が挙げられるが、今回の映画は過去一で災害と向き合った映画となっている
災害を経験していない人々には蛇がみえず、つまり危機感も薄いし、死が身近だとは思えない
一方で被災地や被害にあった人々は常に死を身近に感じ、災害の経験はトラウマとして残ってしまう
それでも好きな人ができたり、なりたい職業がみつかったりとそれぞれ自分の目標と生きる意味を見つけ、過去の災害を受け入れて生きていく
現実をほぼ完全再現でアニメーションにすることで、災害の現実味は増し、他人事の話とは思えない
これまでの映画のようなノイズになっていたコメディシーンは抑えめで、個人的には過去最高の新海誠作品だと感じました。
主人公と叔母との関係がメインテーマ?
震災復興しても心の傷は癒されていない
まずまず
定番?
被災してない私にとっては、この映画はよかった。でも、、
君の名は、天気の子には全くはまらなかった。
とくに天気の子は観終わったあと監督に怒りさえ感じた。ホンモノじゃない作品に対してRADWIMPSの貴重な人生の時間を消費させるなんて、とんだ才能の無駄遣いだと思った。
今回もそんな経緯から観るのを渋るも、結局主題歌の歌声に惹かれて脚本自体には特に期待はせず劇場に足を運ぶ。
結果、クライマックスからエンドロールにかけて、涙涙涙。
音楽ががっちり映画とマッチして、感情をあふれさせることあふれさせること。
それでも生きたい!という草太の熱量に、
考えるな感じろ状態でドカンとやられました。
いやぁ、すごい体験させてもらった。
「でも」と、どうしても思ってしまう。
私は直接の被災者じゃないからこの映画を楽しめたけど、被災した当事者の方達はこの映画を観てどう感じただろうか。
現実世界では天災は人間にはどうすることもできない。
諦観の境地。
すずめの戸締りでは、地震は人の手で防げるものとして描かれている。
このメッセージはとりようによっては、
自分のがんばりが足りないせいで大地震が起こってしまったのかなと、
自分を責めてしまうような感覚に陥らせてしまう可能性がなきにしもあらずで、
その点がこの映画の脚本の最大のモヤりポイントでした。
でもまた心を動かしに映画館へ足を運びたい。
なので、音楽映像コミコミで観てよかったと思える映画だった反面、現実世界ではすずめの戸締りのようなファンタジー的手法では天災という問題は解決不能なわけで、その辺りのメッセージ性や解決法については天気の子に引き続き「うーーーーん、、、」な感じで、さらに色んな受け取り手の立場を考えると複雑な気持ちになりました。
万人に勧められるか?というと、この辺りの点は注意した方がいいよ〜と注釈をつける必要がある映画だなと。いかにネタバレせずに伝えるかが難しいとこですが。
終盤のタタリ神的なものを2人で倒すシーンの映像は、思わず「エヴァみたいだね!」と同行者に話しかけたくなったけど、ぐっと我慢。でもツッコんだ人はきっと多いはず、、、
日本にかけられた呪縛は閉じていない
あの世界観に巻き取られながら進むロードムービーとしてとても楽しめます。曲で強引に引っ張り切らずともちゃんと、引っ張ってくれる引力があり心地よいです。最後までちゃんとつれっていってくれます。
が、最後の最後で、、、、個人的にテンションがガタ落ちに。ここからの感想は読む人によっては非常に不快なので注意。
いやわかるよ。あの象徴的な絵を使えば、人の記憶の扉を開き、ミミズが湧き出てきます。だからすいません。すいません。あなた達のことをわすれたわけではございません。そうやって扉をしめさせていただく。
感動タイムのようにみえた励ましタイムはさー違うよね、あれは謝罪だよね。
記憶の扉を開いてすいませんすいません。でも君らは強く立ち直ったんです。大丈夫。大丈夫。
ぜんぜん励ましてない。言い訳謝罪タイム。
物語の構造をメタ的にも取り込んでるしまってるせいで、悪意でもあるのかと穿ちたくなります。
ただ、それ以上にそうやらないと触れないモチーフとしてまだ、私達の扉は閉じられない無いのが。
期待していなかった分評価は高め。
時間ができたから観てみよう。程度で鑑賞。
過去作でいえば、君の名は。は好きだけど、天気の子はイマイチという感じ。
告知のイメージだけで、何かの災いを封印してまわる話なのかなーと思っていたけれど、ところがどっこいなかなかにヘビーな題材で…
ちょっと気軽に観ていい作品じゃなかったかと焦りました。
が、幸いにしてこれまでに被災したというほどの経験はなく、ここまで正面から当事者の心境に触れることは、これが初めてかもしれない。
という自分としては、自然災害の被害とどう向き合っていくかを考える良い機会になったと思う。
ストーリーにはご都合展開もあるものの、美麗な景色と音楽はさすが。
観なくてもいいかなぁと思っていたけれど、観てよかった。
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