すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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あいからず、薄い
久しぶりに思い出しました
感想と考察・・・確かにダイジンはかわいそう、なんだけど。
とりあえず、超遅ればせながら1回観ただけの感想なので、また観に行く機会があれば追記するかもしれません。
そのうえで最初に結論を言っておくと
新海監督らしさは薄れたが、映像美と感性に訴える日本的ストーリーは健在であり素晴らしい。この作品は、日本各地で現代を生きる様々な世代の人へのエール的な作品だと思います。
星を一つ減らしたのは、新海監督らしさが薄れた(天気の子も薄くなってきてたが今回は更に)から。個人的には、「雲のむこう、約束の場所」とか「秒速5センチメートル」等でみなぎっていた独自性とセンスが好きなので。
そして隠れがちながら良かったポイントが、俳優や女優を多数声優起用したにもかかわらず全般的に違和感がなく、むしろはまり役が多かったこと。
前情報ゼロで観に行ったのもありますが、個人的に驚いたのは、環の深津さんと、ルミの伊藤さん、芹沢の神木さん。違和感がなさ過ぎて全く気付かず、誰が声優しているのかなと思ったほどでした。
※ここからネタバレ考察。観てない人は1度でいいので観てほしい。※
ネットでよくある「ダイジンかわいそう」論調。
これにはちょっと違和感がある。
「ダイジンが千と千尋の神様(かわいいの以外)的なビジュアルだったらそうは思わないんじゃないの?」
と思ってしまうような、中身のない薄っぺらい幼稚園児のような感情論は上記の一言で一蹴。
そのうえで、ちゃんとした考察ですが
まずダイジンは幼い神様であると思います。その論拠として、外見、言動、行動、サダイジンのダイジンに対する仕草、要石が設置されたであろう時期、が挙げられます。
まず外見が完全に子猫である(サダイジンと比べて)のは言うまでもなく、言動についても幼いし行動が身勝手かつ思考も幼い(かわいい外見により補正されてるが、人がたくさん死ぬと笑顔で言い放つのはなかなかエグい)。サダイジンもまさに子猫扱いしているし。
決定的なのが、要石が設置された時期。
サダイジンは古文書レベルの昔に要石になった描写があるが、ダイジンがいた温泉街は少なくとも数十年前程度に廃墟になった場所で、要石があったのは廃ホテルのドームのど真ん中、つまり営業中からそこにあったわけではないと思われ(後ろ戸はそもそも廃墟になって以降に発生するようだし)、廃墟になって以降に閉じ師により要石とされたのだと考えます。
ダイジンの魅力も、言動から行動に至るまでも全ては幼さゆえのものなのではないかと。
だからこそ、鈴芽に東京の地下で拒絶されるまで状況や相手の感情に気づかず、愛を失うと瘦せ細るのだと思います(幼い子供は常に愛に飢えているものですよね)。
ダイジンは最初にエサもらうまで痩せてましたが、サダイジンは登場初期に何も貰わなくても普通体系でした(病院の窓)し。
この映画はロードムービーですが、鈴芽と共にダイジンも成長しているのだと解釈します。
だからこそ、最後は鈴芽の自己犠牲を厭わない姿を見て成長し、自ら要石になることを選んだのだと思います。
それに関連して鈴芽は身勝手だとかの感想も多いですが・・・
最初に普通の子猫だと思って「うちの子になる?」を言うのが身勝手というなら、それをあなたは現実に言わないんですか?という話。冗談としても、かわいい猫とかに言うことはあるでしょうよ。
まあこれは感情論でしょうからそこまで掘り下げませんが・・・
視聴者の視点はいわば神であり状況を俯瞰できますからそういうことが言えます。
しかし、鈴芽の立場に置かれてみれば彼女なりにいっぱいいっぱいであり、状況を鑑みればダイジンは悪と映っても仕方がないと思います。あなたが同じ状況に置かれたら同じ感想を持てますか?同じように行動できますか?オールハッピーな幕引きできますか?あなたはそんなに完璧なの?ということ。
しかも、鈴芽も最後にはダイジンの意図や気持ちを理解している描写もあるし(謝罪とかは口には出さないけど)、それを背負うことで一皮むけたのではないでしょうか。
主題歌「すずめ」の歌詞にも、「愚かさでいい、醜さでいい、正しさのその先で君と手を取りたい / 君と生きてたい」とありますし。
加えて、生身の人間が後ろ戸から感情を感じることができるのだから、最後の場面では神であるダイジンにも鈴芽の気持ちは伝わっているのだと解釈しています。
では映画としての総括考察ですが・・・
最初に日本各地で現代を生きる様々な世代の人へのエール的な作品だと思います。と述べましたのでその内容をば。
登場人物全般が、完璧ではなく何か負い目があったり、背負っているものがあったり、また人生の岐路に立っていたりと、多少なりとも負の側面があると思います。
言い換えれば、現実の我々のようである。と感じます。
作中では、その中で衝突したり、または鈴芽の影響を受けたり、影響を与えたりすることで最終的には収束の方向に向かっていく(現実世界で言えば、なんだかんだで可もなく不可もなく日常が過ぎていく)わけで・・・
作品のメッセージ性としては
負い目や背負っているものがあっても自分なりに精一杯生きることの大切さ
完璧ではなく悪い部分も持ち合わせることへの肯定
日常の尊さ
人それぞれに感情や価値観があり、相手の立場に立ってそれを理解することも大事
時には感情をぶつけ合うことも必要
というのを伝えたかったのではないかなと思います。
特に、ダイジンと鈴芽の絡みや結末~主題歌の歌詞については、「完璧ではなく悪い部分も持ち合わせることへの肯定」なのではないかと。
それこそが現代を生きる我々へのエールだと思うのです。だって、人間誰しも後ろめたいことや失敗、もやもやした人に言えない感情、そういうのを持ち合わせてるでしょ?
だからこそ、ただただ「ダイジンかわいそう」「鈴芽は身勝手」と言ってしまうのは残念な感想だなと思うのです。
ファンタジーとリアルの融合で胸が張り裂ける思いになる感動作品
「君の名は」「天気の子」では、映像はとことんリアルだけどストーリーはファンタジー、という印象を持っていたし、この作品概要にも「災いの扉」みたいなことが書いてあったので、今回もきっとファンタジー満載の作品なのだろうと思って臨みました。
途中までは二作と変わらないファンタジーの世界が進んでいると思って観ていたのですが、途中から少しずつ様子が変わっていく。リアルに起きた出来事に繋がっていくのがだんだん分かってくる。実は冒頭からリアルの出来事を題材にしていたことに後で気付く。
扉を閉めるときにその土地に住んでいた人々の声に耳を傾けるというなんともファンタジーらしいシーンが前半から何回か出てきますが、後半にあの場所でそのシーンが出た時にはリアル過ぎて胸が張り裂ける思いでした。人によってはつらい気持ちになるかもしれませんが、間違いなく心を大きく動かされる感動作品だと思います。
絵の綺麗さ以外は評価に値せず
絵は綺麗です、最初の水の上にドアがある場面までは期待感がありました。
また、私自身は好きではないですが、妖怪などが出てくる作品で、その入口としてのドアを持ち出すのもありだと思います。
ですが、地震というものを、この扱いはないです、最低です。創作だからと言う方もいるかも知れないですが、実際の地震までも気持ち悪い化け物や閉じ師という訳の分からん存在が関わっているという描き方は、地震の被害者や対策に従事している方への冒涜です。これは、津波や洪水は実世界でもあれど、あくまでも作中の悲劇はポニョという悪魔の所業であったあの作品とは違います。
地震を止める側なんだからいいじゃないかという意見もあるだろうが、私個人としてはそんな温かい目で見る必要はないと感じます。
また、放映前に地震速報が流れますと注意がありましたが、そこではなく本来の速報の仕組みとは全く違った形で地震速報を使った事を謝罪すべきです。
要素詰め込み作品。。
作画は丁寧で、主人公も可愛く、相手役もイケメンだが、ストーリーや設定が子供騙し(と大人騙し)に感じられる要素が多く、共感を引き出そうとして仕組んだんだろうなと読めてしまう場面が多く、一言で言えば、あざとい作品に感じた。
呪われて、椅子になる設定は滑稽で子供騙しだなぁと感じ、冷めた目になってしまった。飲み屋の場面や車で移動する時の選曲などが昭和の懐メロをあえて使っているところは、典型的な大人騙しだし、3・11に関係させる展開も作品に社会の関心毎を登場させようとする意図。また熊本、愛媛、神戸、東京、宮城の具体的場所を登場させるのも、聖地化させようとする意図が透けて見える。
可愛い女の子、ファンタジー要素、具体的な場所を用いた場面の作画等、君の名は?の二番煎じと感じさせるようなこの作品は、クリエイティビティは感じられず、単に共感や感動、ブームを呼ぶにはどうしたらいいかを逆算して考えられた作品に思えてしまって、薄っぺらい。
見た人からは一定の評価を受けており、ある程度の成功はしているのかもしれないが、それで良しとはして欲しくないと思った。
ダイジンかわいい
すごくおもしろかったです
最初の戸締りするところ怖かったけど、すごい迫力あり引き込まれました
草太もイスもすごくいい動きをしてて、かっこいいし見応えあります
ただ一つ残念なのは、主人公のすずめにほぼ感情移入というか、理解できないこと。
え?高校生ですよね?もうちょっと自分以外の気持ちとか考えてもいいんじゃない?と思ってしまう
自分がされて嫌なことを平気で関係ない人には押し付ける。自分と草太以外は眼中にないって感じでちょっと理解できなかった。
ダイジンとかほんとにかわいそうだった
結果オーライだからいいのかもだけど、もうちょっとすずめの成長が見たかったなあと思う
周りに生かされたなあという感じ。
ただの個人的願望で、新海誠監督が描きたいストーリーはこっちだから、とやとや言う筋合いはないんだけど..
あと、震災の当事者でない私でも最初本当にしんどくて、会場を出ようかと思ったくらいなので、被災者の方はいろいろ思うことがあるかもしれません。
運鈍根
ありがとうございました
前2作のような、子供に見せたくない「ノイズ」がない
初めに、草太さん、予告だけ見ててっきり三十路前かと思っていた。すずめが高校生なのはわかっていたのでロリコン扱いしていてごめん…。
それはさておき、「君の名は」「天気の子」に比べて新海誠のポリコレ…というか倫理観がまともになったというか、オタクだけではなく子供や一般にも見せやすい作品になってきてホッとしている。
「君の名は」いちいち三葉の胸を揺らすシーンがあったし、入れ替わった瀧が胸を揉むシーンも気持ち悪かった。
「天気の子」はまともな大人が一人も出てこなかった。児童労働や風俗で搾取される(されそうな)子供を守る大人がだれもいなかった。
正直子供に見せたい作品ではなかった。
「すずめの戸締まり」にはそういった「子供には見せたくない」ノイズがない。
本作の大人は比較的まともだ。草太さんは未成年のすずめが巻き込まれるのを最初は良しとしないしできるだけ自分でなんとかしようとする。環さんは姪であるすずめを引き取り、やや口うるさいが、保護者としてなすべきことをしている。芹澤は成り行きで巻き込まれたのに環さんとすずめを故郷まで送り届けてくれる。
いわゆる「セカイ系」の作品においては、主人公の若者の周りの世界だけで物語が完結しがちだったが、成熟した大人をきちんと描くことで、意識が外の世界に向けられ観る者にもある種の成熟を促すようになったのか、単に新海誠が年を取ったのか、いずれにしても良い傾向だと思う。
ベルリンコンペにも出品されるようだが、受賞できるかは別として、この作品なら海外に誇ってよいだろう。
んー微妙!
号泣きの最高記録を達成!
ぅわぁ、とうとう観てしまった!
ウズメの涙、じゃなくて、すずめの戸締まり。
実家近くの各務原イオンで50割。
そんなことより、映画久しぶりなんだけど、年末前からずっと観たい映画が無くて。
そしたらこの映画の話題が突然タイムラインに流れてきたとき、圧倒的多数の友人たちの絶賛ぶりが1行読んだだけで伝わってきたから即読むのをやめて。
調べたりしなくとも、あーとうとう来たか、とその内容の濃さが伝わってきて、観ないわけにはいかないけどその勢いの中では観たくなかったから、延ばし延ばしにして熱りが冷めるのを待って、自分で観たくなるタイミングを見計らってたらたまたま今日になったという。
で、感想は。
はい、号泣きです。
予想では泣きが1回入ればよいところ、5回も来ました。
目頭にたまるレベルならまだしも、頬を伝って顎まで流れる映画なんてなかなかありません。
あそこはこういう意味でとか、小難しい深掘りはしません。
素直に、よかった。
いろんな意味でよかった。
もうそれでいいんじゃないかと。
缶の中から出て来た絵日記の真っ黒なページと日付。
その次を捲っても捲っても。
そしたらあった、あの扉が。
もうそれであかんのです。
そこまでは泣くことなんてあるのかと思ってたのに、ぐわぁーっと涙腺が大崩れして。
そこから畳みかけるように、あっまたきた、またまたきたと、5回もです。
新海誠監督の集大成にして最高傑作のふれ込みは伊達じゃなかった。
前作がどうのか通り越えて、絵も構成もストーリー展開の流も、その内容の奥深さもすべて。
岩戸に宗像に海部とか、叔母の名前がタマキだったりするけど、なんでスズメなのか。
ダイジンのキャラも、もっと何か深い気がするし。
人には言わずとも自分がいつも気にしてるようなテーマを、毎度毎度うれしいくらい扱ってくれる新海監督はいったい何者なのか。
そんなマニアックな神事の話をスピリチャルで片付けることなく丁寧に扱うところが好きだ。
もっと驚くべきことは、そんなマニアックなレベルの内容が全面に漂ってるのに、ミニシアターじゃなくて大手のシネコンの全国ロードショーで年末前の11月11日から年が明けて2月12日というのにまだまだロングランで客入りがいいっていうことが不思議でならない。
後ろ戸という大切な言葉が、これだけ多くの人に触れただけでもこの映画の価値がある。
実は、わたしが思う後ろ戸の使い方とは真逆の設定になってたけど、映画としてそれはそれでいいのだ。
それで出て来たのがミミズでも。
大きなエネルギーの話と、それを人知れず鎮める役目の人たちがいることさえ伝われば。
それから、何度も出て来る呪術的な祝詞のような呪文。
掛けまくも畏き火水の神よ、と思ったら、日不見の神よ、なんですね。
いろんな意味にとれるけど、これヒフミだね。
なんでお返し申すなのかわかんないけど。
また時間が経って、いろんな意味に気づいたり、いろんな答えが溢れ出たりしてよみがえってくるんだろうな。
そして、年末じゃなくて今このタイミングで観れてよかったかもしれない。
あと1ヶ月となる311のあの日のことをしっかりと思い出し、そしてまた改めて見つめ直すためにも。
うーむ、残念
生き死には運であるとしても
ジブリのオマージュだらけ!
気になるね!と話した友人と公開翌日に鑑賞!
その後、同じ友人と入場特典の小説「芹澤物語」欲しさにもう一度映画館で鑑賞!
私も友人もキャラ萌え!ガッツリハマりました笑
映像が綺麗すぎて圧巻!
OPタイトルコールからゾワゾワしっぱなしでした!
神様の気まぐれ感がとても好き。
ちょっとカルトっぽい所も好きなポイントかな!
ダイジンくん優しさたっぷりあげてフカフカにしてあげたい。
ダイジンくんを幸せにし隊!
ストーリーはとても良いし映像も音楽も綺麗!大号泣!かなりハマった作品!
だけど⭐︎スコア低めになってしまう理由は、ジブリのオマージュが多過ぎてオマージュのレベルを超えてる。
新海誠作品を観るのは今作が初めてのなのですが、ジブリのオマージュたっぷりで驚きました!
ここまでジブリなの?!と空いた口が塞がらない…。
正直ここまで来るとジブリの詰め合わせの映像を観ているのかと思ってしまう。
・スズメとおばさんが住む家は崖の上のポニョ
・ルージュの伝言もしっかりな魔女の宅急便
・自転車二人乗りは耳をすませば
・猫と空歩くのは猫の恩返し
・龍みたいなのは千と千尋の神隠し
・ミミズはもののけ姫の祟り神?
パッと思い出しただけでもこのくらい🤔
オマージュ、リスペクトと言うと聞こえは良いけど…あまりに類似した絵が多過ぎるとオリジナリティに欠けてしまうような…。
初見は途中から隠れジブリ探しみたいになってしまってました。
ジブリ映画と同じ形の建物、同じ構図の映像じゃない新海誠の世界をもっと観たかった!
次回作に期待&過去の作品も観たくなりました✨
そしてこの作品の要は3.11の大震災。
あの震災の時、私は東京の学校の体育館にいました。
安全が確認されて教室に戻ると机の中身は全部外に出ていて、帰り道はヒビ割れている道をドキドキしながら通ったのを覚えています。
しばらくは報道番組にショッキングな映像が流れ続けて悲しかった。
あの日の気持ちを思い出しながら「いつも通りの行ってきます」に涙が止まらない。
「震災のアラームの音などあります。」という注意を友人が事前に教えてくれてたから、心構えして観れたけど、知らなかったら心臓がバクバクして観れなかったかも。
私ですらこんな気持ちになったのだから、実際もっと近くで震災や災害を体験した達は苦しい場面もあると思う。
観る時はかなり心構えをしてから観て少しでも心の打撃を抑えて欲しいです。
母を探す子に「(母のいない)明日がある」と言われても
緊急アラートや震災の描写があることは注意喚起があったのでメンタル武装できましたが、どうしてもダイジンのことを考えると気持ちが沈みます。
同時に主人公であるすずめを好きになることができませんでした。
わたしは震災とは異なることで生きるか死ぬかは運次第ということを体感した人間です。だからこそ幼少の自分に聞かせた言葉が全く響きませんでした。弱っている人間は正論や眩しいことを説かれても何も入りません。
例えば転んだ子供に「あそこで足元を見て歩いていれば、走らなかったら転けなかったよね」なんて言うでしょうか。そこで必要な言葉は「痛かったね」や言葉ではない抱擁だったりすると思います。
幼少の自分に宛てるというより、この物語を観る人へというメッセージが強すぎて新海監督のご高説でしかなく、物語として締まらないなと思いました。
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