「物語的には破綻している」すずめの戸締まり ジュストさんの映画レビュー(感想・評価)
物語的には破綻している
正直、最初は世界観がキツく入り込めなかった。閉じ師が家業とか、設定が無理過ぎる。
閉じ師が産土霊(うぶすながみ)に祝詞を唱えるということは、禰宜のはず。ところが、何故か神様となって要石となる。神官は神様を祀る役であり神様にはならない。最高神官とされる天皇陛下でさえ神様と交流はできても神様とはなれない。神道としても辻褄が合わなすぎてストレスが溜まった。頭を空っぽにして映像だけを楽しむなら良いかもしれない。
自身は兵庫県南部地震と東北震災の2つを経験しているだけに、映像がトラウマを引き起こしそうだった。映像が綺麗なだけに辛い。取り上げ方に批判があったのは理解できる。神戸の廃園となった遊園地は未だ一部が残って稼働している。その点はなつかしさを感じた。
要石が旅をしてそれぞれの街の絵が流れるのは綺麗で良かった。でも、普通の高校生が扉を閉めたり、要石を刺したりできるなら閉じ師は要らないはず。最後の「大切な人」の言葉も唐突過ぎる。どこに二人の距離が近づくイベントある? 無理矢理ラブロマンス突っ込まれて違和感だけが残った。
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