「素晴らしい映画をありがとう。」すずめの戸締まり ぺぺさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映画をありがとう。
Amazonプライムにて視聴。
素直に感動した。このレビューでストーリー構成やらアニメーション周りの事に言及するつもりはない。
この映画を観て感じた事を残しておきたいという気持ちだけでレビューをする。
他のレビューでチラホラ見るエンタメだ〜とか、監督の覚悟が〜メッセージ性が〜とかどうでもいい。
十分あっただろメッセージ性は!寝てたんか。
ラスト、すずめが幼少期のすずめに言ってたろ!今はどんなに悲しくて辛いかもしれないが、あなたには未来があるのだから安心して生きろと!
それがこの映画の1番のメッセージだろうが!
こんなにもシンプルで根源的な分かりやすい、そして生きていく上で最も重要なメッセージなのに、他にどんなメッセージならば満足出来るのか逆に聞いてみたい。
確かに3.11が元となっているストーリーなので、観る人を選ぶのは仕方ないし、当事者の方々からすれば軽く扱われたと感じる事はあるかもしれない。
けれども、世の中は当事者だけではないし、体験された方々も減って行くのが自然の常であり、3.11の事を忘れさせないようにと、こういった作品でもアプローチした事に何の不満があるのだろうか。何年かをこの作品製作に、そして震災に向き合った人に何故覚悟が足りないなどと言う事が出来るのだろうか。
アニメーションだからどうとか、新海誠作品だからどうとか、くだらない事ばかりで本当にしょーもない。
ストーリーに説明が足りない事も、ご都合な所があるのも、ツッコミどころはあるのも分かるが、それらを踏まえて尚この作品は素晴らしい。
人は自然に対してもっと感謝や敬意の意識をしないといけないのだと思えたし、それは決してスピリチュアルの話ではない。
どこに原発を作るのかもっと慎重になれただろうし、居住地をどこにするのかももっと慎重になれたかもしれない。なす術なく押し寄せる自然の脅威に対して、劇中のように抗う術はないのだから。
ダイジンに敬意や感謝、好意が必要だったのはそのメタファーだろうと勝手に解釈してる。異論はもちろん認める。
忘れていた様々な感情を、この映画のお陰で思い出す事が出来ました。歳のせいか泣き過ぎてしまいました。
とても良い映画をありがとう新海さん。