「このテーマに触るならもっと真剣にやって欲しかった」すずめの戸締まり かさねさんの映画レビュー(感想・評価)
このテーマに触るならもっと真剣にやって欲しかった
映像、演出と声優さんは良かったと思いますけど…脚本で言いたいこと多すぎる。
細かいつっこみしたらキリがないから大枠だけあげます。
・テーマが多すぎ
テーマが多すぎて何が言いたかったのか全然わからなかった。災害に対する向き合い方、恋愛、家族愛、全部掘ろうとするから全部途中になっちゃって無理やりまとめられてるように感じた。やりたいことがたくさんあったのは伝わるけど…。
・実際の震災使う必要あった?
ここが1番気になるというか腹が立つんだけど、実際の震災を持ち出すならもっと真剣に向き合って欲しかったし、ファンタジーを入れるなら現実から少し離してほしかった。
テーマとして明示されている以上、被災者に対してセンシティブだとかは全然言わないけど、
あの時、私たち自身が真剣に災害や人々のことを考えたからこそ、そんな簡単に答えが出せたり割り切れる話ではないことはわかっているのに、変にファンタジーが入った状態でうまいこと言ったみたいにまとめられても全然響かない。
災害に抵抗できる世界感なのに、理不尽に家族を亡くした人へのメッセージがメインテーマというのも違和感…。(朝は来るとか長々語るんじゃなくて、映画ならセリフにせずともそう感じさせてくれってのは置いておいて。)
・尺が足りてないのか、十分な描写がない
設定や描写をカットしすぎていて、感情移入が難しかった。キャラクターの行動もろもろの動機付けが弱いし、いつの間にか恋愛になってて、?って印象。いやいやだとしてもそうはならんやろってところも多くて気になった。
・ファンタジーの入れ方下手くそ
この監督さんの癖な気がするけど、ファンタジーの入れ方が雑。というか既視感すごい。
ヒーローのデザインもそうだし、あと扉の向こうで過去の世界と接触するとかハウルでしかないやん…
君の名はが綺麗に組めすぎちゃってるかもしれませんね。