「楽しく鑑賞、だけど、1回観たら満足です。」すずめの戸締まり のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しく鑑賞、だけど、1回観たら満足です。
大学生の息子に「よかったよ」と勧められて、友人と平日に鑑賞。
2人そろって、泣いてしまった。
女子高生・鈴芽(すずめ)ちゃんと、閉じ師(祈祷師みたいな感じ?)の大学生・草太くんのロードムービー。
最初からリズムよく、映画の世界に入っていけるところはさすが。
映像は迫力あるし、飽きない展開で心に残るシーンもある。
子を持つ親としては、鈴芽ちゃんにも、旅の途中で鈴芽ちゃんに力を貸した人たちにも言いたいことは山のようにあるけど、今の子たちは、こんなに突っ走るのかな?我が子もか?と怖くなった。
環さんの気持ちを考えると、ホント胸が痛い。
鈴芽ちゃんには、母になった暁に、この時の自分の行状を猛烈に反省してもらいたい。
新海作品は、近年のアニメ映画の中では、一番好みに合う。
だからこそ、大好きな宮崎作品と比べてしまう。
宮崎さんは、舞台を現代日本にしないこと、恋愛要素を前面に出さないことで、作品のメッセージがまっすぐ届くようになっている。
「風の谷のナウシカ」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」は、2年前映画館で鑑賞し(コロナ禍唯一の功労)、作品の力に改めて圧倒された。
各々複数回観て(ナウシカは、映画館鑑賞最多回数6回を記録!)、心が震えた。
この、キャパオーバーで受け取り切れないからもう1回観たいという感覚は、「君の名は」「天気の子」「すずめの戸締り」には、なかった。
有名になると、期待値も上がるし、創る側は、大変だと思う。
宮崎さんも、毎回私の胸を打ち抜くわけではなかったし、どちらかといえば、「カリオストロの城」や「天空の城 ラピュタ」などの初期の作品たちの方が好きだし。
新海作品の中では、「君の名は」を観た後、過去作観たくてブルーレイで観た「言の葉の庭」が心に沁みたなあ。
何回も映画館で観たいと思う作品に出合えるかなと思って、次回の新海作品も観にいくと思う。