「良質な青春ストーリー」すずめの戸締まり ライヘンバッハ・ヒーローさんの映画レビュー(感想・評価)
良質な青春ストーリー
映像がとても美しく、ストーリー展開も秀逸で、良作だと思います
……が、災害をテーマにして被災の跡地や痕跡をこれだけリアルに描きながら、今も続く被災地の状況や苦しみ、一万人以上が犠牲になった「死」の現実については出来るだけ触れないようにしていて……
それが結果として過去の出来事の上っ面をなぞっているだけの薄っぺらな印象になっています
例えば野坂昭如さんの『火垂るの墓』では賛否両論ありながら、戦災孤児の悲惨な最期を逃げることなく描ききり、戦争の愚かさを作品で訴えました
社会からの批判を恐れてお茶を濁し、伝えたいことを伝える覚悟すらないのなら、最初から選ぶべきテーマではなかったということでしょう
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