「気がついたら手を握り締めていた」すずめの戸締まり haginoさんの映画レビュー(感想・評価)
気がついたら手を握り締めていた
予告から気になっていたので、絶対見たかった作品。
何気ない日常シーンからの、不可思議な世界への展開は、前々作の「君の名は」と通じるところはあった。
すずめが起きる時に枕元を飛んでいた蝶々はどんな意味があったのだろうか?
不可思議な世界への前兆?
学校に行く途中で出会った一人の男性が、廃墟と扉がないか聞いてくる。しばらくして胸騒ぎがして彼を後を追い…扉を見つける。
その先には、子供の頃に見た世界が広がっていた。
そこからの展開が、とにかく迫力で、ドキドキして、ずっと手を握り締めていました。
絵がまた美しい、、と感動すら覚えます。
ダイジン可愛い、憎たらしいけど、可愛い。
そしてそうたさんも椅子の姿が可愛い。
船に乗ったり電車に乗ったり、いろんな人に助けられながら、九州から愛媛、神戸、東京、、と扉を閉めるために旅を続けます。
まさかそんな話と思わなくてびっくり。
高校生一人で、しかも飛び出していって現金なくて、携帯から落としてはいたけど無茶しすぎ。
そりゃ心配もするでしょうね。
そして、最後は仙台へ。
え?これ関東大震災の話だったの?
地震速報の音が流れるという注意書きとかあったけど、ぜんぜん結びついていなかったから、さらにびっくりした。
これはちょっと告知しておいてほしかったかな。
生まれ育った町が廃墟になっていたりとか、実際体験した人が見たらキツイと思う。
実際私は阪神大震災経験者で、神戸の友達が家なくなったりとかありましたしね。
これまでもいろんな映画見ていて、なんか何でもかんでも震災と結びつけてネタにしている感が、どうも好きではなかったから、そこはちょっと残念だった。
リアルではなく、「君の名は」みたいに現実とは違う話として欲しかったなあ。
それはそれとして。
夕方から夜明けに変わる絵は特に美しくて、見惚れました。
どんなに辛くても、明日はやってくる。
逃げずに立ち向かうことで乗り越えられる。
時には人の力を借りることも大事だってことを、教えてくれる。
メッセージ性のある映画で、「君の名は」と同じくらいよかった。
環さんとか芹澤さん、そして途中で出会ったちかちゃんやルミさんもみんないい人たちでしたね。女の子一人でいて、変な人に引っ掛からなくてよかったよ^^; 芹澤さんが聴く音楽がまた懐かしかったのと、オンボロ車に笑えた。
あとサダイジンもかわいかったなあ。