「被災してない私にとっては、この映画はよかった。でも、、」すずめの戸締まり kayamaさんの映画レビュー(感想・評価)
被災してない私にとっては、この映画はよかった。でも、、
君の名は、天気の子には全くはまらなかった。
とくに天気の子は観終わったあと監督に怒りさえ感じた。ホンモノじゃない作品に対してRADWIMPSの貴重な人生の時間を消費させるなんて、とんだ才能の無駄遣いだと思った。
今回もそんな経緯から観るのを渋るも、結局主題歌の歌声に惹かれて脚本自体には特に期待はせず劇場に足を運ぶ。
結果、クライマックスからエンドロールにかけて、涙涙涙。
音楽ががっちり映画とマッチして、感情をあふれさせることあふれさせること。
それでも生きたい!という草太の熱量に、
考えるな感じろ状態でドカンとやられました。
いやぁ、すごい体験させてもらった。
「でも」と、どうしても思ってしまう。
私は直接の被災者じゃないからこの映画を楽しめたけど、被災した当事者の方達はこの映画を観てどう感じただろうか。
現実世界では天災は人間にはどうすることもできない。
諦観の境地。
すずめの戸締りでは、地震は人の手で防げるものとして描かれている。
このメッセージはとりようによっては、
自分のがんばりが足りないせいで大地震が起こってしまったのかなと、
自分を責めてしまうような感覚に陥らせてしまう可能性がなきにしもあらずで、
その点がこの映画の脚本の最大のモヤりポイントでした。
でもまた心を動かしに映画館へ足を運びたい。
なので、音楽映像コミコミで観てよかったと思える映画だった反面、現実世界ではすずめの戸締りのようなファンタジー的手法では天災という問題は解決不能なわけで、その辺りのメッセージ性や解決法については天気の子に引き続き「うーーーーん、、、」な感じで、さらに色んな受け取り手の立場を考えると複雑な気持ちになりました。
万人に勧められるか?というと、この辺りの点は注意した方がいいよ〜と注釈をつける必要がある映画だなと。いかにネタバレせずに伝えるかが難しいとこですが。
終盤のタタリ神的なものを2人で倒すシーンの映像は、思わず「エヴァみたいだね!」と同行者に話しかけたくなったけど、ぐっと我慢。でもツッコんだ人はきっと多いはず、、、