「地震の防災放送を聞くのが辛い方は鑑賞を控えた方が良い」すずめの戸締まり いささんの映画レビュー(感想・評価)
地震の防災放送を聞くのが辛い方は鑑賞を控えた方が良い
とにかく展開が速い、最初の三分の1は開いた扉を閉じる作業の繰り返し、中盤の東京で草太の喪失、後半が鈴芽の地元に戻りエンディングまでという流れなのだが最初の扉を閉める繰り返しがなんというかシリーズもののアニメのお約束シーンみたいに見えてしまった。
草太に対する好感度の高さが最初から異常で(既視感があるとはいえ)あそこまでの行動を起こさせる動機付けには弱いなぁと思います。
エンディング近くで会ったのもお母さんと認識していた自分自身、草太はあまり強く印象を残した描写は無いのでちょっと無理やりだったかな?
思春期の少女の一目惚れと思いこみを加味してもなかなかの急展開だったな、と。
草太も中盤に鈴芽への好感度が爆上がりでしたねw設定的にはかなり冷静な青年っぽかったので、余計に鈴芽に対する思い入れがわからなかった。
テレビアニメで週を追うごとに観れば違和感なさそうな設定ではあるのですが、二時間の尺に入れると無理やり感が強い。もう少し心情描写が欲しかったですね。
声優は草太以外は違和感無く見れました、逆に言うと草太に違和感があり喋られる度にンン?となってしまう。
おそらく舞台で演じられれば違和感の無い発声、喋り始めに力が入った発声をするのでセリフがスッと入ってこない。
キャストはオーディションで選んだらしいのですが、本当にそうなのか?という人材ですね。
監督のディレクションがそうだったのかもしれませんが、彼の声が1人だけ舞台の違う場所で演じてるようで周りと違和感がありました。
そうゆう演出だったらすいませんですが。
それから劇中、ネコのあだ名がダイジンっぽいからダイジンで!ってなったいたダイジンっぽい理由が全くわからなかった…大臣?もう一匹が左大臣を名乗るのも中々意味不明展開、説明なくてわかる方マジで凄いです。
映画中、全くわからなかくてナゼェとずっと思いながらエンドロールまでいってしまった。
考察勢は楽しいと思いますが(私も設定見るのは大好きです)けっこう不親切なとこもちらほらありました。
鑑賞前から言われていた地震関係の描写ですが、そこまで過敏になるほどでもないと個人的には思います。
地震のアラートは変えてありますし、直接的な津波や家屋がリアルタイムに破壊される様子などは描写されていません。
ややきついかなと思ったのは津波警報の放送ですね。
女性のゆっくりとした声で「津波警報が発令されました」と流れる部分があるのですが、あれはかなり実際に近い描写です。
防災警報は広い範囲に届けるのでエコーがかかりやすい、なのでお知らせの声はだいぶ間を空けて喋るんですよね(映画の中では少し早めでしたが)。
地元の防災放送を思い出してちょっとゾワッとしました。
当時の映像みて辛いと感じる方は映画館では無く視聴を止められる媒体になってから観た方が良いかと思います。
なんやかんや書きましたが、二時間ぎっちりと内容を詰めてある映画です。
正直あっという間に観終わりました、大ハッピーエンドで終わるのでそこはとてもスッキリと良い作品です。
監督の次回作を期待しております。