「ダイジンのお役目」すずめの戸締まり Jijiさんの映画レビュー(感想・評価)
ダイジンのお役目
新海誠監督ならではの圧巻の映像美ですね。個人的に前作2作より好きですが、ダイジンのことを思うとすごく辛い。色々疑問点も多い。
○ダイジンが可哀想
うちの子になる?ってすずめが聞いたからその気になった、と思ったら、好きな人が要石になるの嫌だからお前が要石に戻れ!って…
結局ダイジンは要石に逆戻り、役目を再度押し付けられ…か、かわいそう…。
元々すずめが抜きさえしなければこんなことにはならなかったのに、気をもたせられたようにしか思えない…残酷。
作中の要石の役目にポジティブなイメージがないのに(人柱にしか見えない)、そのイメージを植え付けたまま物語は進んでいく。結局誰かに押し付けるしかないんだなというモヤモヤが残る。
○もう1つの要石はなぜ封印が解けたのか?
ダイジンが封印を解いたのか、ひとりでに解けたのか。どちらにせよ納得のいく説明が欲しいが、視聴者の想像にお任せだろうか?
○芹沢くん被害者すぎでは?
ろくに説明も受けず長時間ドライブさせられ、擬似親子関係のもだもだに巻き込まれ、車の扉壊れ。
すずめとタマキはもっと感謝するべきだと思う、本当に。
ていうか作中の人物、初対面の女子高生に優しすぎ。笑
○被災者への配慮
非常にセンシティブな題材を取り扱った今作だが、配慮は足りていたか?
特に実際に起きた被災を取り扱ったのだから、視聴者の中には大切な人や帰る場所を無くした被災者もいることは想定できたと思う。
「人がたくさん死ぬね」って台詞を、ダイジンに言わせる必要があったか?本当に、本気で、被災者のことを考えてくれていたか?
背筋が凍りつく思いだった。皆どんな気持ちで、このシーンを見たのかな。
被災を悼むシーンもたくさんあったのに、この台詞のデリカシーの無さに、作品の意図がわからなくなってしまった。
>マサシさん
宣伝の仕方にも問題があったのかもしれませんね、放映前に3.11を取り扱ってると宣伝するべきだった。
悼む、思いを馳せるという割に、想像力が足りていない…、勿体無い。浅はかすぎると思いました。
その通りです。あの震災を経験していない人が見るなら、見ても良いのではないかと思いますが、福島がまだ解決していないのですから、311はまだ終わっていないとも言えます。共感します。