「新海誠監督はいい加減シナリオは他人に任せたほうがいいと思う」すずめの戸締まり バソラプンテさんの映画レビュー(感想・評価)
新海誠監督はいい加減シナリオは他人に任せたほうがいいと思う
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絵と音楽は綺麗でした。
それが目当ての人は見る価値が十分にあります。
ただ、「美人は3日で飽きる」というように、私は綺麗な絵と音楽に三作目で飽きました。
肝心のシナリオは、シンプルに、ガールミーツボーイ、無知から解き放ってしまった災いを再封印する旅、カエルにされた王子様を人間に戻す、トラウマからの解放、行って帰る物語、などのテンプレを複合したものになっています。
下手に捻ってないだけに、前回の能天気の子ほど酷くはなく、キチンとファンタジーしています。
ただ、ガールミーツボーイのメインストーリーを成立させるために、設定を思いつきで次々付け足していったらしく(入場者特典の冊子で監督自身がそう書いてありました)よくよく考えると酷い設定です。
例えば、「人の想いが少なくなると裏の戸が開き、閉じ師が閉めるのに失敗すると、大地震が起きる」という設定。
つまり、「東日本大震災が起きたのは、東北の人たちの想いが足りず、更には閉じ師が失敗したから起きた」と言っているようなものではないでしょうか?
あるいは要石だったダイジン。
数百年孤独にミミズを封じていて、ようやく解放されたのに、またスズメのエゴのために要石に戻るとか、健気すぎて涙が止まりません。それなのに、ダイジンに対するフォローがほぼ無い!
全体を通じて、一見イイハナシダナーと思うのですが、よくよく見るとアチコチに粗があって、チグハグ感、違和感が拭えません。
タイトルにも書きましたが、新海誠監督はいい加減シナリオは他人に任せて、演出だけに特化したほうが、結果的に良い映画になる気がします。
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