「令和版『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』だな。(映画としては負けてるけど)」ザ・ロストシティ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
令和版『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』だな。(映画としては負けてるけど)
①trailerを観たときから思っていたけれど、ヒロインが冒険ロマンス小説の作家である事といい、そのヒロインが自分の書く小説と同じ様なシチュエーションに巻き込まれる事といい、『ロマンシング・ストーン』の殆ど二番煎じ。ただ、「インディー・ジョーンズ」風調味料が振りかけてあるのと、ブラッド・ピットの鮮やかな救出アクションシーンが前半のスパイスとなっているのが違うくらい。村の広場でヒロインと相手役とが踊っているうちにいい感じになるのも全く同じ。②監督達の演出も、所々に良いシーンがあるしあちこちにお笑いを散りばめてはいるが、『ロマンシング・ストーン』を見事な娯楽映画としたロバート・ゼメキスの達者な手腕とセンスが無いので、アクションシーンやロマンスシーンを含め全体的に山場がなく平板な出来。ブラッド・ピットのアクションシーンだけはサンドラ・ブロックの要請で出てもらった(?)ので格好よく撮らないと、ということですかね。ブラピのアッと驚く使い方は宜し。③『ロマンシング・ストーン』でほぼ唯一不満だったのはヒロインのキャサリン・ターナー(この頃はホント魅力的だった)の相手役がマイケル・ダグラスだったことで、もっと逞しいイケメンであって欲しかった。その点、本作のチャニング・テイタムは最初は見た目だけのマッチョなイケメンに描かれていたのが、話が進むにつれてなかなか頼りがいがあるイケメンになっていったのが『ロマンシング・ストーン』より唯一上回っていた点だったので、少し評価を甘くしてます。④サンドラ・ブロックがヒロインを演じたのが本作の魅力の一つでありヒロインに説得力を与えているのも彼女の実力であるが(チャニング・テイタムのイチモツを見ながらそれが予想外に立派なものであることを婉曲に語るのが少しもイヤらしくならないところもサンドラ・ブロックならでは)、やはり年取りましたね。チャニング・テイタムとの取り合わせはchemistryは悪くないが、やはり年齢的にちょっと無理があったかな。ラスト、海に通ずる洞窟から何とか脱出するところは何となく『ゼロ・グラビティ』を思い出してしまった。ラドクリフは悪役としては粒が小さくて貫禄不足。⑤随所で、「The Final Countdown」(ヨーロッパ)や「Shadows of the Night」(パット・ベネター)といった80年代のポップ・ロックが流れるのは年代的には嬉しいが少しありきたりな感じもする。