「インディーには、程遠い…」ザ・ロストシティ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
インディーには、程遠い…
久しぶりのアクション・アドベンチャー作品。しかも、サンドラ・ブロックが主演となれば、当然、ラブコメとしての面白さも盛り込まれ、これぞエンターテイメントと、期待していた作品。
サンドラの相手役にアクションにはもってこいのマッチョムキムキのチャイニング・テイタム、敵となる謎の大富豪にダニエル・ラドクリフ、そして、拉致されたサンドラを助ける特殊部隊上がりの凄腕の男にブラッド・ピット、とくれば、面白くないわけがない、と思っていたのに、…正直、残念!これだけの俳優陣とジャングルでのロケと、お金はかけているのに、あまりに期待外れな展開。
この手の作品には、『インディー・ジョーンズ』や『ロマンシング・ストーン』等、往年の金字塔作品がある為、どうしても比較してしまうのだが、本作では、
・そこで、猛獣やワニが出てくるだろう…という場面で出てこない…
・そこで、虫の大群が群がり、体に張り付いてくるだろう…という場面で張り付かない…
・そこで、冷酷で残酷な死の仕掛けがあるだろう…という場面で仕掛けはない…
ただただ、ジャングルの中を右往左往し、唯一、ヒルに張り付かれるだけというのも、あまりにチープ。最後もサプライズは無く、よくあるパターンでの脱出劇でメデタシ、メデタシ。オマケの映像も、おふざけこの上ない。
アクション・アドベンチャーに期待するのは、やはり、次から次へと主人公に迫る危機に、ハラハラ、ドキドキしながら、危機一髪のところで、奇想天外な方法で逃げ延びていく爽快感。確かに、そうしたシーンもあるのだが、切羽詰まった危機感や手に汗握る緊迫感までは、伝わってこなかった。
ブラピは、相変わらず彼に相応しい、カッコいい役どころであったが、友情出演程度に、直ぐに出番が終わってしまったのは、残念。
ラドクリフは、『ハリー・ポッター』以降は、敢えて、こうした汚れ役に取り組んで、ハリーの印象を消しているということ。しかし、悪役のボスにしては、まだ威厳が,足りないかな。
テイタムも役どころとしては、良いと思うのだが、サンドラの恋人としての実年齢を考えると、ちょっと年齢差が気になるところ(笑)。
突っ込みどころはたくさんあるが、ハリウッド・スターが集まって、自分たちで楽しんだ…って作品と考えて観ればいいのかも。