劇場公開日 2022年6月24日

  • 予告編を見る

「予知能力者体験型アトラクション」ザ・ロストシティ 不敗の魔術師さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5予知能力者体験型アトラクション

2022年6月25日
iPhoneアプリから投稿

ハリウッド1の出演料を取る女優として知られながらデンジャラス・ビューティーなどコメディのヒット作も持つサンドラ・ブロック。
幾つになってもクソかっこいい説明不要の大スター、ブラッド・ピット。
21ジャンプストリートやマジック・マイク等でコメディ演技もバッチリ熟す新世代筋肉スター、チャニング・テイタム。
ハリーの呪縛から逃れようとするあまり「怪優」という新たな呪縛に囚われ、もうすっかりゲテモノ役をやっても有難味が無くなったダニエル・ラドクリフ。

これだけの綺羅星スターを集めながら、ここまで無意味な作品になるのは...。
全員が全員、その役者が如何にも演じそうな役柄を、全く意外性なくそのまま演らせる脚本に尽きる。本当に、ただの一つも、一欠片も、予想外の事柄や新鮮な何かは得られない。先に頭の中へ浮かんだ映像と寸分違わぬものを確認するだけの作業が最初から最後まで続きます。

正直、PVの段階で「ああこれは突出して面白くはないし、間違っても新鮮な驚きなんて皆無だろうけど、安定したハリウッド映画が楽しめそうだな」という若干斜めな期待感で観に行きはした。

だが、しかし、幾ら何でもこれはないだろう?
いや、贅沢言うようで悪いけどさ、ココまでやるとは思ってなかったよ。
ここまで「どこかで観たお話」「どこかで観たコメディ要素」「どこかで観た掛け合い」「どこかで観た大スターの無駄遣い」をやられると、それはもうどうしたって「これらの元ネタになった過去のヒット作」を家で観る方が良質な体験ができるという話にならざるを得ない。

画的にも意外と終始ショボい感じだったし、スター集めた時点で予算的には息切れ気味だったのかも?
で、失敗できない状況で全てを「置きに行った」結果、わざわざ観る為の時間をとる意味を喪失してしまったという、哲学的なようなありがちなような、そんな作品になってしまった。
これもコロナ禍の不景気で安定を取りに行ってしまった結果起きた皮肉なのか。
ハリウッド映画としては久々に時間を無駄にしたなあと顔を顰めて劇場を出た作品になった。

不敗の魔術師