サバカン SABAKANのレビュー・感想・評価
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食べよう♪
1986年、長崎県の田舎町で暮らす純情小学5年生とやさぐれ同級生の夏休みの冒険と友情のお話。
ゴーストライターとしてのオファーはあるが、自身の名前では売れていない作家が、自身の想い出を綴る体でみせていく。
突然家にやって来た竹原に竹田と呼ばれる竹本との波瀾万丈チャリンコ2ケツ旅に始まり、仲を深めてそしてちょっとすれ違ってという熱さとむず痒さは、ありがちなお話しではあるけれど、特にかつてヤンチャ小僧だった方々には思い当たる節があり過ぎて刺さりまくるんじゃないですかね。
やっぱり子供が主人公のこういう物語は反則ですねw
ところで…ラストシーンをみるに店はあの町で?
その意気や良し‼️と絶賛したかったのに…😩
(日本版スタンドバイミーに挑戦したと思われる)その意気や良し‼️という意味では好感の持てる映画でした。
それとあの帽子のシーン。ホアキン・フェニックスの兄、早逝したリヴァー・フェニックスが演じた若き日のインディ・ジョーンズが帽子を引き継いだシーンも彷彿とさせられて、映画の世界の先達へのリスペクトが感じられたのもとても良かったです。
また、長崎の自然を捉えた素晴らしい風景描写も深く心に響きました。
なのにこの映画を肯定できない自分がいるのも事実。
要因は久田家の家庭内暴力の描写。
生理的に私個人の許容範囲を超えるもので、とても残念でした。
坊主頭の少年を当たり前のように叩くのは、例えて言えば、リトルリーグや高校野球の坊主頭の生徒を小突く程度のことは暴力には当たらないと肯定しているみたいで、とても違和感があります。
身体的に絶対優位の大人が子どもを叩くのは、本当にやめて欲しい。
20代の頃の話です。
会社の同僚と近くの公園で昼飯を食べていたら、30代くらいの若いお父さんが、坊主頭の5歳くらいの男の子の頭をゲンコツではなく平手で叩いていました。
なので、一応躾の一環としての行為なのかな、と軽く受け止めてさしたる考えもなく『あのお父さんの躾、厳しいね』と呟いたら、隣の同僚が『あれは躾なんかじゃないですよ。ひどい暴力ですよ』と目の色を変えて反応しました。
私が家庭を持ったのはそのあとですが、その同僚のことを想像しながら、どんな軽微な(と暴力を振るっている本人は思っていても)暴力であろうと、叩かれている本人だけでなく、周りで見ている人にも嫌な感情を抱かせることがある、という事実を思い知りました。
それ以来、実際にはさして影響を受けないで済む人も多いのかもしれませんが、負の影響を受ける人の重大さを想像することのほうが大事なことだと思うようになりました。
『ガサツで下品であけすけだけれど、とても暖かい家族』を描くうえで、暴力描写は不要だと思います。
心温まる映画です
子どもが主人公の映画に、こんなに泣かされるなんて。
登場人物がみんな優しい(ヤンチャなヤンキーもいるが)
何気ない場面で、胸にグッとくるものがあったり、笑ったり泣いたり‥こんな感覚久し振り。気持ちが洗われたような爽やかな気持ちにさせられました。
エンドロールの途中で退出する人勿体無い。
「またねー!」に胸がぎゅっとする
大人になると友達という存在がいかに大事で尊いものか分かる。子どもに見せたい映画と監督さんは言っていたけど、心にドンピシャに響いてくるのは、あの昭和時代を生きた世代だと思う。
子役は作品によってあざとかったり言わせてる感が強く出たりするけど、サバカンはそんなことはなく、そこにひと夏を生きた久田と竹本という小学生がいた。幼い中で不安を滲ませながらもいつの間にか友達として繋がっている。二人を通して大人を見ると、いい人も悪い人も視点が変われば見方も変わり、子どもはそういう人たちを見て成長していく。
美しい長崎の風景にも癒されました。
後半部分の駅のシーン、蜜柑畑のライバルには泣かされた。あと、「またねー」「またね!」の往復も。観賞後はこちらも笑顔をもらって胸があったかくなりました。海岸の壁に書き残した絵も凄く良かった。思い出って結果じゃなく過程なんですよね。
なんでタイトルが「サバカン」だって?観てください。
忘れかけていた、あの時の景色を思い出せる映画
小学生のひと夏の友情の物語。
とてもベタな設定なので鑑賞するか躊躇していたが、夏の間に鑑賞することが出来たのは大正解だった。
夏休みを通じて、ひとりの少年の成長を過剰なセリフもなく心地よく伝えてくれる映画であった。
この少年と全く同じ夏休みを過ごした人はいないが、
何かしら似たような夏休みをみんなが過ごしているからこその、強い共感を得られる作品になっていた。
すっかり忘れていた、私自身にとっての、あの時の景色を思い出し、エモーショナルな気持ちになり、観る前よりも少しだけ自分が洗われてピュアになった気がする。
また少年の家族が素晴らしい。
竹原ピストル演じる父の決して深刻ではないが、しっかりとした芯がある所作ひとつひとつに心を動かされた。
誰にでもそれぞれのサバカンがある。
冒頭からいかにもノスタルジック感満載の音楽で、ちょっとやりすぎなんじゃ、と思ったけどまんまと引き込まれてしまった。
主役の子どもたちがふたりとも特別に上手い訳でもかわいい訳でもないのに、画面から、ふたりの冒険から、目が離せなくなった
海も空も山も、沈んでいく夕陽もきれい。
竹原ピストル、尾野真千子、貫地谷しほり、三人とも既視感はあるけど最高のはまり役。
先生も、助けてくれたお兄さん・お姉さんも、ライバルの内田のじじいも、大人はみんな優しい。
酸っぱすぎて売り物にならない蜜柑はさぞ甘くて美味しかったろうな。(あれは泣かされた)
またね。またね。
またねー。またねー。
またねーー。またねーー。
またねってこんなにいい言葉だったんだ。
夏休みの劇場、ロビーは夏休み映画に詰め掛けた人でいっぱい。今作こそが家族で観たい夏休み映画ですよ。
それでも、小学生の子どもを連れた家族連れが何組かいました。いいお父さん、お母さんだ。あの子どもたち映画好きになるだろうな。
大人にはみんなそれぞれのサバカンがあり、書き残してきた落書きがある。それを思い出させてくれる、そして少し前へ進ませてくれる映画です。
温かみに溢れた作品です。
すぐに手が出るけど優しいかあちゃん
かなり下品で粗野だけど優しいとうちゃん
5人の子供を女手ひとつで育てて愚痴ひとつ言わず笑顔を絶やさず頑張るかあちゃん
普段は厳しいけれど本当は優しいじいちゃん
不器用そうで涙もろい感激屋の先生
みんな貴重な昭和の思い出
それが詰まった映画です。
小学生の夏休みを思い出す作品。 本年度ベスト!
素敵な作品に出会えて感謝!
個人的に作品賞を差し上げたい。
本作の設定より自分は前の世代に小学生だったけど、メッチャあの頃を思い出させてくれた感じ。
小学生二人の夏休み1日の大冒険が軸になってるストーリー。
自分も小学生に戻って鑑賞していた感じ。
昔の事が走馬灯の様に蘇ってくる。
あの頃に戻りたくなる作品(笑)
主人公の久田と竹本を演じたお二人には脱帽。
演技している感じが全くしない。
ラストの鯖の歌はアドリブなんじゃね?(笑)
久田の両親。
久田にオッパイ見られる女の子。
みかん畑のオヤジ。
学校の先生。
皆さん素晴らしい人々。
ブーメラン島まで泳ぐのが凄い(笑)
足がつっただけで良かった。
後半の駅のホームのシーンは泣ける。
となりの席のオジサンがヒクヒク泣いていたけど自分もヤバかった(笑)
二人とも子供の頃の夢が叶って良かったです( ´∀`)
素晴らしい!!
前評判がとても良かったので、早速観てきました。良き昭和時代と長崎の風景がとても鮮明に描かれ、ジブリ作品のような美しさでした。子ども達の揺れ動く心情…それに寄り添う様々な大人の優しさに心打たれ、気がついたら涙を流していました。たくさんの方に観てもらいたい、素晴らしい作品でした!
古き良き時代の夏休み
久しぶりに心がほっこりしました。
同世代だからこそわかるあるあるがてんこ盛りw
今よりもなにもなくて、不便で貧乏だったけど、キラキラして小さなことでも、ワクワクできたあの頃。
大切な何かを思い出しました。
こんな時代だからこそ、同世代の方にはみてほしいです
ぼくたちの夏休み
あることをきっかけに過去の記憶が蘇えり、
それを元にした小説をモノするのは
『マルセル・プルースト』の〔失われた時を求めて〕に代表される仕掛け。
もう一つ、
今は売れなくなってしまい
家族にも見放された作家が
自身の体験による新作で再生する、
これも有りがち。
手垢の付いた二つの要素を組み合わせたにもかかわらず、
しかしなかなかの良作に仕上げているのは、
脚本/監督の『金沢知樹』の手柄も
やはり自分の子供時代の記憶は盛り込まれているのだろう。
こうした{私小説}に近い構成の物語はやはり強い。
誰しもが自己の昔と重ね合わせ
「ああ、そういえば僕にも/私にも(似たことが)あったよな」と
共感を得られる。
今回、懐かしい記憶を呼び起こすきっかけになるのは、
鯖の味噌煮缶(それもマルハ印の!)。
それを寿司に仕立てるのはアイデアだが、
自分も小学生の頃に、同級生の家で「カレーに入れる」との話を聞いたこともあり、
食の多様性を改めて感じてみたり。
とは言え、この「サバ缶」が画面にちょくちょく顔を出し、
効果的に機能する。
和製〔スタンド・バイ・ミー(1986年)〕との紹介文もあるけれど、
先の作は旅の一部始終を描いた{ロードムービー}。
翻って本作は、小さな旅を終えてからが本当のストーリーの始まりで
だいぶ形を異にしている。
どちらかと言えば、『井上陽水』の〔少年時代〕の歌詞、
或いはPS版の〔ぼくのなつやすみ〕を彷彿とさせるエピソードの数々。
最初は取っ付き難かった級友との触れ合い、
或いは年上の女性に仄かに抱いた恋心。
遊び惚けてしまったため、最後の数日で大慌てでやっつける宿題。
そして、9月の始業式に合わせたように
転校してしまった同級生の想い出。
それらが、より合わせた縄の様に絡み合い、
観る人の感情を切なく刺激する。
勿論、自分も、夏休みには普段ならバスで移動する距離を
隣町迄友人達と自転車で掛け回ったクチ(当時は、親が同行しない町を越えての移動は
校則で禁止されていた)。
或いは、近所の家に都会から避暑に来ていたお姉さんにドキドキもした。
内容の差はあれ、この映画に触れた皆が皆、
子供の頃の甘酸っぱい記憶と、
暫しの邂逅にひたるだろう。
予備知識ゼロでたまたま観たけど、予想を超えて
とても良かった
最初はあーこんな感じかー、と思っていたが、自転車壊れるあたりから、グーと引き込まれて。途中途中で、涙がでてきた。 終盤は涙がなぜか止まらなかった。 子供の頃の、今はどこにいるかわからない友達を何人も思いだしながら、涙。
名前を呼び合うシーンが良かったかなー。
80年代にしてはレトロ調すぎる気もするけど小学生の頃のひと夏の想い出をしんみり感じさせてくれる。友達になった時に初めて名前を呼ぶ感動とか子供時代しか味わえないよなー。子供なりの悩みや感情をもちながら過ごすひと夏の思い出にしんみり。
大人にもこどもにもオススメ
大人になった主人公のナレーションから、一気に80年代の長崎にタイムスリップ。
夏の空が最高に眩しくて、ドンピシャに懐かしく、笑ったり、時にじんわりしたり。見終わった後、あたたかい気持ちに包まれる、キラキラした宝物のような映画でした。
主題歌のキズナもとてもぴったりでした!
夏の間にもう一度観たい。
よくある夏休みの冒険話の少し先を描く映画
2022年劇場鑑賞188本目。
寂れた工場がサバカレーの缶詰で大逆転する話・・・ではなくて、サバの缶詰を見ると思い出すたけちゃんとの思い出話でした。草彅剛は出番控えめ。
パンフないんかい!ばかか!(byたけちゃん)いい映画だったのに残念。ちょい減点です。
丁度自分と草彅剛が同年代(誕生日は一緒(笑))ということもあり、舞台となる1986年は馴染み深かったのですが、そこら辺のノスタルジックあるあるはちょっとしかなくて残念。でもストーリーはなかなかいい感じで、遠くの島まで自転車だけで行くという、やっぱ子供の冒険といえば自転車だよな、という感じでした。
大抵の映画は冒険が終わると後はナレーションで「あんなに仲が良かったのに夏休みが終わると次第になんとなく離れていって、そうこうしているうちに親の都合で転校することになり、それっきり会うことはなかった」みたいなオチで終わるのがよくあるパターンなのですが、この映画は冒険の後もしっかり描いており、最後は泣いてしまいました。夏に大人が見るには最高の映画でした。
追記 パンフレットがスシローで売っているという情報を得て、調べたら売っている県と売っていない県があり、うちの県は上映しているのに販売はないということでメルカリで倍以上の価格で購入決定です。ばかか!★もう0.5減らします。そういう観客に対する配慮があるかないかも作品のうちだと思うので。
泣けました
どこか懐かしく、観たことがあるなそんなストーリーでしたが泣けました。
ピンクの自転車は男の子が乗っちゃいけないの?
貧しい人の家を笑う権利が私達にあるの?
韓国の缶を見つめるあの子も生きにくかったりするの?
昭和の懐かしい話だけど、今だからこそ考える事が山盛り詰まっているし、子供たちのまっすぐな気持ちが胸に響いて泣けました。キャストの方も草薙さんも皆最高です!
丁寧に創られたしっとりした夏休み映画
サバカン!? いったいどんな映画だ?
観始めると、一見、日本版スタンドバイミーと言った印象だが、スタンドバイミーよりも、ずっと心地良いと言うか、慕わしい映画である。
自分の少年時代と重ねてしまう場面がそこここに有って、懐かしい小学生時代の夏休みを想起する人も少なくないのではないか。
楽しかった夏の日々、少年らしい淡い恋慕の気持ち、そして、やはり少年らしい痛々しい後悔が僅かに含まれる夏の日の思い出。
子供の頃の主人公と、大人になった主人公との対比もこの映画を盛り上げている。
大人の主人公を演じる草彅剛が実に良い味を出していて好もしい限りである。
エンドロール後の寸劇にも注目して欲しい。
昔は少年だった人は勿論、少女だった女性も、いやいや、今現在の少年少女にこそ是非観てもらいたい。
決して人間が好きではない自分ですら、人間っていうのも案外悪くないなって思わせるそんな映画である。
今年一押しの映画に間違いない。
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