「珠玉の新作映画」サバカン SABAKAN papatyanさんの映画レビュー(感想・評価)
珠玉の新作映画
時代が昭和から平成にかわる頃の夏、主人公は長崎で暮らす2人の小学5年生。久田(番家一路)は斉藤由貴とキン消し(キン肉マン消しゴム)が大好き。竹本(原田琥之佑)は家が貧しく同級生から避けられている。
大人になった久田(草彅剛)が、かけがえのない思い出を話します。
小学校の夏休み、2人がイルカを見るための冒険旅行に出掛ける話で日本版 Stand by Me(米国の青春映画)のよう。
ドラマ「半沢直樹」の脚本を手がけた金沢知樹の映画初監督作品。オリジナル脚本も萩森淳と共同で執筆しています。
少年たちの家庭環境の描写や、初めはぎこちない2人が、徐々に友情が深まる巧さは、脚本の秀逸さでしょうか。ラストは感涙でした。
映画デビューの主人公、番家一路(久田役)、原田琥之佑(竹本役)の2人が、実に生き生きしている。
夫婦ゲンカばかりだが愛情深い久田の両親(尾野真千子・竹原ピストル)、家族を愛する竹本の母親役(貫地谷しほり)など、観ていて心が和みます。タイトル「サバカン」は、サバの缶詰のこと。
1週間前(8/19)の封切ですが、見た目が地味な作品で、平日のせいか、地方の映画館(東宝シネマズ柏)の観客はまばらでした。もったいない。東京など、大都市の映画館動員は如何でしょうか? この夏休みに、ご家族で観て貰いたい、珠玉の映画です。
文中、敬称略としました。ご容赦ください。
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