「この映画ずるい」グリッドマン ユニバース MGPさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画ずるい
あくまで個人の感想、見解なので悪しからず。ということを念頭においていただけると幸いです。
映画を見始めて最初の方、なんだこの展開は、、、って正直なってました。まあ2作品出すし登場人物多いし、ある程度仕方ないのかなぁとは思いつつ無理矢理感あるなぁと。
そこまで含めてそこまで含めてこの映画のテーマだったのかと気づいた時、本当にびっくりしました。全部含めてこの作品のテーマだったのかと。本当にずるいですよね。
自分がそれに気づいたのはラスボス戦の前、グリッドマンに付け込んだのが誰だったのかということが明らかになった時でした。
ラスボスの根拠と解説はあっても、ラスボス自体の説明はされないなぁと思っていたのですが、そのことを考えてるうちに
「つまりこのラスボスって自分らやん」
とわかった瞬間本当に驚きました。
グリッドマンの続きが見たかったんでしょ?
ダイナゼノンの続きが見たかったんでしょ?
こういうの妄想してたんでしょ?
という自分たちのイメージをそのままラスボスにするって本当にずるい。
作中劇の脚本について、最初はこう書きたいと思っていたものや拘りがあったはずなのに、要素を増やすに連れて薄れていくというのも、ギミックとして強いなと思いました。
この映画自体もそうで、世界の危機が迫ってるからまた戦い始めたはずなのに気がついたらキャラクターどうしの和気藹々がメインにすり替わっていきました。
これって、中学高校の時になんとなーく頭の中で考えていた「俺が考えるこの作品の続編!こうだったら楽しそうだなぁ」のままなんですよね。その稚拙さや無理矢理感、カオス感がそのまま世界の危機に繋がっていく。
でも登場人物達はそう進んでいく世界に対して、自分たちで考え、行動し、乗り越えていく。
製作陣はやりたいことを好きなだけやりまくっているくせに、悪いところは全部こっちのせいにしてさらにやりたい放題して、全部パワーで薙ぎ払って圧倒してくる。
本当にずるい。
最後の一分で見方が変わる劇と同じように、この映画も最初と最後で全然違うことをしていましたね。
そのくせ最終的な自分たちの感想は「普通」って。
どれだけずるいんですかと、、、
アニメ版グリッドマンは作られた世界だったりアニメの外の世界だったり、そもそものメタ要素が強い作品だったのだと思います。
それを最大限に利用してここまでのストーリーを作るということは、他の作品ではなかなかできない芸等だと思います。
思ったよりも長文になってしまいましたが、自分からのこの映画に対する評価は総じて「ずるい」です。本当にいい作品に出会えました。ありがとうございました。