「悪くないがコレじゃない」HiGH&LOW THE WORST X MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くないがコレじゃない
このシリーズの魅力はイケメンとアクションだ。
間違い無くだ。
シリーズのどれもストーリーはありきたりだし脚本はツッコミどころ満載だ。
なのにここ迄シリーズが続き愛されているのは、勿論LDHのファンの後押しも有るだろうが、自分のようなアクションファンから支持されて来たからだろう。
沢山の登場人物がそれぞれキャラ付けされているだけでなく、戦い方にもその個性が出ている。
今作はそれがあまり感じられずクライマックスに至っては、ん?どれが誰だ?と思えるところがしばしば。
そしてシリーズ特有の長回しも無い事から、あら?アクション監督変わったな。
と観ている途中で気づいてしまったが、やはりだった。
大内貴仁監督はシリーズから外しちゃいかんよ。(「R:R」は坂口拓だけどさあ)
あの集団戦を俯瞰で捉えて個々の戦いまでをワンカットで繋ぐ離れ業は、監督特有のものだろうが、非アクション作の「DTC」でもワンカットの長回しが有ったので、シリーズの見せ場でも有った筈だ。(そのくせ回想シーンでテンポを殺すシリーズの悪癖は継承している)
今作ではそれが無く、俳優達はそれぞれ頑張っていたとは思うが、言っては悪いが凡庸なアクションになってしまった。
アクション監督の技量の差が明確に現れていて、(明らかに当たっていないと判るカットが有ったりグラップリングの練習してるのか薔薇好きへのサービスなのか解らないシーンが有ったり)アクション映画としてシリーズのファンだった自分はいまひとつ楽しめなかった。
アクションはカットを割った方が役者は楽だし(「ボーン」シリーズは別だろうけど)長回しは準備に時間がかかる。
その辺重々承知だが、このシリーズが何故イケメンファン以外のファンを掴んで来たのかを、製作陣は思い出して欲しい。
きっと次も有るだろうが、大内監督は絶対に戻さないと駄目だ。