「人であるからこそ」ウルトラマントリガー エピソードZ セロ弾きさんの映画レビュー(感想・評価)
人であるからこそ
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TDG直撃世代からの感想。
ウルトラマンティガの衝撃をもう一度という意気込みで作られた、NEW GENERATION TIGAたるウルトラマントリガー。
当然、神格化されたティガのイメージから賛否ある作品となった。たしかに初期の数話は、脚本の粗さや、キャラクター造形のラノベっぽさ等、気になる点があったと思う。
しかし後半になるにつれ、ティガとは違った角度で『光とは、人とは、闇とは』という解釈を描き、最終的に『闇を受け入れ、人として生きる』という結論に至ったテレビシリーズは、
ティガ当時から時代と共に倫理観が変わった『今』だからこそ、子ども達にメッセージをどう伝えるべきかを意欲的に考え、そして挑んだ作品だと思った。
劇場版は、そのテーマを更に突き詰めた本当の最終回。
『どんなに強い光でも、ひとりでは輝けない』
ウルトラマンは神ではない。ひとりでその力を背負うものではない。
自己犠牲や、独善の上で成り立つ『力』が『光』ではないのだ。
『人は誰でも光になれる』
けれど同時に『闇を受け入れ、人である事』を認めた上で、人として誰かの為に何かをする事。その姿こそが『光』として輝くのである。
だからウルトラマントリガーを観た世代の子供達は、この先どれだけ複雑な世の中が待っていようとも、ひとりで強さを求めるのではなく、隣にいる大切な誰かと共に強くなっていって欲しいと思った。
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